『4』体の骸。 A man who wants to die is like a man who is already dead. (1)
「うううううううううううううううううああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
絶叫しないと精神が持たない!
僕は今、スクータこと『プリマーちゃん』を…全速力で、走らせていた。
それも車道ではなく、朝の散歩や運動に使われるだけの、ランニングコースを。
ありえないスピードで、爆走していた。
「か、確実にバレたよ!バレちゃったよ!」
正面から、天使の大群が…。
怒号を鳴らしながら、接近する!
バックミラーを覗いても、そこには希望など無く。大量の天使が押し寄せる。
「アミー!目測でどんくらいだ⁈数を教えろッ!」
「え、えと、えとえとえと…正面だけで千人は超えてるよっ!絶対!」
どうする⁈西園寺洋介!
「スピードは出ねェのか!クソガキィ!」
「全速力だって!」
プリマーちゃんは馬力がない、これ以上のスピードは望めない!
「あァくそッ、来るぞおおおおおおォ!構えろッ!」
正面から、第一波!
「来たな堕天使ども!裏切者は執行だ!」
「来るぞ!やれ!首を持っていけば手柄になるぞ!」
「あの二輪車を狙え!」
押し寄せる大群が、こちらを飲み込む勢いでやってくる。しかも奴らは、ただの人間とは違って…。
『祝福』を持っている!
「くそっ、こうなったら…」
僕が手を前に出すと、それを遮るようにセラフィムが横から。
「てめェの『祝福』はブラックボックスだッ、奥の手は…最後の最後までとッとけ!」
言って、セラフィムは…こらえきれない笑みを溢す。
「…うはは」
その笑みは、僕に『衝動』を蘇らせた。
「……うははッ」
あの冷酷で冷徹な。
「………ウっっっっハハハハハハハハハっ!」
『裁き』を楽しむ『最強』の『執行人』の姿を、皆に刻んだ。
「随分ナメてくれんじャねェか、えェ?名前を残せもしない雑魚が…」
「勘違いすんなよ」
「今、てめェらの前に居るのは」
「あらゆる天使の頂点。〈天使の九階級〉序列一位にして『執行人』」
「全てを統べる術を持つ『熾天使』」
「『セラフィム』だ」
ビリビリと、空気が震えたのを直に感じた。
これが序列一位。
その力は、未だ顕在。
セラフィムは僕らに見せた様にして。
『裁き』を『執行』する。
「〈ヴェニ・クレアトール・スピリトゥス〉ッ!」
炎は、全てを飲み込む。正面に向けて、巨大な炎の球体は放たれた。
「やっちゃえ!セラフィム!」
「な!奴は…『堕天』しているハズ…っ」
「き、聞いてないぞ!こんな火力が…」
すべての音を飲み込むように、セラフィムは吠えた。
「うるせェぞ!いいか、『堕天』しようがしていまいがなァッ」
「『正義』は俺の下にある!」




