皇帝の異常な愛情・または彼は何故頭の心配をやめて侵略を決意したのか
2022年2月、突如始まったウクライナ進攻。
未来で生きるジーナ・高木おばちゃんの身体の祖国が仕掛けたこの戦争、果たして「こんにちわ、マリア」本編への影響は。
そして何より小説執筆を継続できるのか、第三次世界大戦が始まってしまうのか。
今後の展開はともかく、ロシア指導者がなぜハ…あんな行動を取ったのか、高木家の母娘が語ります。
マリア「という訳であたしたちの世界にも影響甚大な事件が起きた」
ベラ子「起きましたね」
ジーナ「あの耄碌メンチパゲわぁあああ」
マリア「というわけで晩年の筆ヒゲおじさんかお前はっというような暴挙に及んだ、件のメンチハゲだが、何であんな端から見ても、勝とうが負けようが尾を引く戦いに挑んだのかという話もある」
ベラ子「天の声曰く、某令嬢世界ほどではないが我々の話でもそれなりにまずい出来事のようですけど…あの開戦」
ジーナ「まぁ、戦争してなくてもアレサンドラさん…うちの母親は日本に来てたやろけどな」
マリア「高木家の事情はともかく、ここは一つ、なぜあのおっさんが無謀とも思える開戦に至ったかを考えてみたい。それに多分、痴女皇国世界にも影響が出る話だからな。第三次世界大戦の開戦の引き金になった事案とか」
ジーナ「まず、メンチハゲの個人や家庭の事情で精神を病んだ可能性があるわな」
ベラ子「あの人確か奥さんと別れてましたね」
ジーナ「あの辺からおかしくなったらしいからな」
マリア「あと、アメリカからは精神疾患めいた分析をされているようだが、これはまぁ横に置いとこう。あの国の国情を考えると、政敵を追い落とす手段の合法性をあまり考えない傾向はあるから、日夜暗殺や謀反に脅かされていたのを念頭に入れておく必要はあるだろ」
ジーナ「実際、暗殺されそうになったことも一度や二度とちゃうらしい。国民性かどうかは分からんが、権謀術数や贈収賄が割と大好きなのと、暴力で決着しようという傾向があるな…」
マリア「かーさん見てたらよくわかる」
ジーナ「しばくぞマリ公…というのはとりあえず置いとこう。あと一体になりたがる。特にかのハゲは大国たる国を目指していて政治主張をしているからな」
ベラ子「国として一体になりたがるんですよね。あの頭が輝いている人がほもと言う訳ではないんですよねっ」
ジーナ「それはないやろ…一応は嫁さんとの間に子供が出来てたし、愛人もおるらしいからな」
マリア「まぁまぁ、一体の話に戻しなよ。で、某どこぞ人民共和国…うちらの方では中原龍皇国だが、そこと似た性質があって、諸侯の国を一つにまとめたがる奴が必ず出るんだよ、あそこ」
ジーナ「ところが実際には周辺地域の造反離反に悩まされておったんよな。実際問題としてソ連崩壊時に周辺国がいくつも離脱離反してる。特に経済相互援助会議に加盟していた欧州各国は軒並み西側に転んだからな」
マリア「それと旧ソ連だけでもスラブ民族だけの国家じゃないんだ。例のロリヤや筆ヒゲおじさんのグルジア人の他にどっちかってぇとアジア系統のブリヤート人やヤクート人などもいる。例の弾圧と暴虐が大好きな蛮族酋長のカディロフが首長のチェチェンもチェチェン人の国だしな」
ベラ子「今回のウクライナもウクライナ人だけの単一国家じゃないんですよね」
マリア「んで民族間軋轢も決して皆無じゃないんだよなぁ…」
ジーナ「そしてもっと重要な問題がある。財政難や」
ベラ子「え? 確かロシアって公的債務残高が少ない国だと…」
ジーナ「つまり借金が少ないから健全財政やとベラ子は言いたいわけやな?」
ベラ子「ですよ。確かに国家予算の収支推移を見ていると赤字は赤字ですけど、アメリカや中国に比べたらずっと国家収入に対する赤字比率は少ないじゃないですか。確か2017年の予算収支でこんな感じかと」
https://koumu.in/articles/200524
アメリカ合衆国(負債率20%
歳入:3兆3,150億ドル(371兆2,800億円)
歳出:3兆9,810億ドル(445兆8,720億円)
赤字:6,660億ドル(74兆5,920億円)
中華人民共和国(負債率17.8%
歳入:2兆5,530億ドル(285兆9,360億円)
歳出:3兆80億ドル(336兆8,960億円)
赤字:4,550億ドル(50兆9,600億)
日本国(負債率9.9%
歳入:1兆7,140億ドル(191兆9,680億円)
歳出:1兆8,850億ドル(211兆1,200億円)
赤字:1,710億ドル(19兆1,520億円)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/12/6b0110fdfc04f0eb.html
ロシア連邦共和国(2022年:見込み値)
歳入:25兆219億ルーブル(約37兆5,329億円、1ルーブル=約1.5円)
歳出:23兆6,942億ルーブル(約35兆5,413億円)
ジーナ「ベラ子。まず言いたいことがある。ロシアのような国土面積でな…日本の歳入額に全力で負けている点に注目すべきやろ…」
ベラ子「ええええ…あ、ほんとだ…って母様何なんですかこれ!確かこの当時のロシアって1億4千万人程度でしょ?人口。日本も2021年くらいを目処にしても1億2千万人くらいか…統計基準年が変わりますけど、1人あたりのGDPで見たら日本4万ドルロシア1万ドルくらいですよね。つまり国民一人当たりの上を通って行くお金の金額、日本の四分の一くらいって事ですよね…」
ジーナ「なんでアレサンドラさんが日本であたしを無理やり産んだかわかるやろ…そして2022年時点で日本に在住するロシア人やウクライナ人の皆様おるやろ。あの人らが日本に移り住んだ理由、大半はこの経済格差にあるやろうな…」
ベラ子「ウクライナの財務状況はどうなんでしょう」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/04/93c5e1711955256b.html
ジーナ「2019年度のGDPが3兆9,746億フリブニャ(約15兆1,035億円、UAH、1UAH=約3.8円)やそうや。言うとくけど国家予算やなしに国民総生産やからな」
ベラ子「へい。で、1人あたりのGDPを日本が40,113ドルとして…え…3,741ドルって…桁、間違ってません?」
https://www.ceicdata.com/ja/indicator/japan/monthly-earnings
ジーナ「合うとるぞ。ちなみに2021年度のウクライナ国民平均収入は641ドルや。同一条件でロシアが767ドル、アメリカ4,365ドルで日本が…4,802ドルやな。所得格差を存分に実感できるとは思うが…」
マリア「某掲示板の固定ハンドルネーム常連某氏が結婚相談所にそれなりのお金を払ってウクライナ美人の奥様を迎えてからこっち、延々とノロケ倒してて、皆のひんしゅくを買いまくっているようなんだが…それでもこの収入格差ならさ、かーさん、そりゃウクライナやロシアの女性で外観に自身のある子は外国を目指す気もするぞ」
ジーナ「ちなみにアレサンドラさんの若い頃な、うちに似とんねんけどかなりきっつい感じやったんや」
マリア「まぁ、売れる顔っちゅーか、義夫おじいさんがコロっと行ってしまっただけのものはあると」
ジーナ「んだ。そしてメンチハゲがウクライナの西側傾倒を恐れた理由はまだある。ウクライナが北大西洋条約機構…NATO加盟に向けて活動という軍事的な独立を目論んだだけとちゃうねん」
マリア「天然ガス問題だろ。これはロシアが悪いだけじゃなくてウクライナも自国内を通過するパイプラインから無断でガスを抜き取りするような事をしたり、両国間でガス供給を巡って争ってたんだよ」
ベラ子「確かノルドストリームと言う海底ガスパイプラインがあったかと」
マリア「それ、読者の方々の世界では2022年初頭時点でアメリカの経済制裁対象となってな。ドル決済が困難になったせいだと思うんだけど、天の声にあたしらのこの話をまとめさせている時点では破産を検討してるんだよ」
ジーナ「んで、そのノルドストリームやけどなぁ。実はロシアとウクライナが揉めると、ヨーロッパへのガス供給が不安定になってロシアは外貨収入が減る危険があったんで、ウクライナを迂回するために海底を通したんや。なんせパイプラインはドイツの方まで伸びてて、欧州諸国への発電用や熱源としてのガス供給をまかのうとるからな」
ベラ子「ふむふむなるほど」
ジーナ「それだけやのうて、ウクライナ国内の鉄道や道路、他の欧州向けの貨物も通過する場合があるからな。多くはグルジアを通過しておったようやけど」
マリア「シベリア鉄道を使ったコンテナ輸送とかだな。まぁ端折って言うと、ロシアとしてはウクライナが西側べったりにくっついてもらうと経済的に困ると思ったんだ。それとなぁ」
ジーナ「ウクライナの国土はロシア西部のすぐ側。モスクワからキエフまで800キロ未満なんよ。軍事的に考えてもまずい位置にあるんや」
ベラ子「実際に今回も割と近いからこそ、ロシア側が迅速に展開できたって観測もあったようですね」
マリア「更にな…ウクライナって、あたしらの方の痴女皇国世界でもそうなんだけど、特有の黒土帯があってな、巨大な穀倉地帯なんだわ」
ベラ子「ウクライナの食糧事情って完全に自給自足なんでしょうか」
ジーナ「それがそうでもない。確かに小麦は昔からアホほど収穫できるけど、質の点で言えば他の欧州産小麦に劣る傾向もあってな、飼料用として購入されるケースも少なくはないと」
マリア「加えて小麦だけで人間は生きてられねぇだろ。実際に開戦してからキエフのスーパーが品不足に陥ってるようだ。つまりロシア産の加工食品に国民も依存していたっぽいのよ」
ベラ子「でも、それじゃ逆にウクライナを刺激しませんかね。ガスパイプラインはロシアからのガスでしょう。これが暖房や発電で使われてる上に、食料供給は切られるわ軍事的に脅かされるわ」
ジーナ「で、メンチハゲ氏が今回の戦争で経済制裁を受けた結果、世界からロシアがいじめられてると言う話をしたとしよう。実際にしてるみたいやけどな」
ベラ子「でもその発言にしてもですね、ウクライナをエネルギーや食料、更には核兵器を含む軍事的手段で締め上げるぞって脅していた訳でしょう。その結果としてウクライナに言うこと聞かせるために戦争を始めたせいで逆に西側諸国から経済制裁を受けたんですから、あたしにしてみれば自業自得にしか思えませんけど」
マリア「インガオホーってやつだな」
ジーナ「で、なんでNATO加盟国がメンチハゲ氏を総叩きに近い形で制裁する事になったか。ベラルーシに続いてウクライナまでが親ロシアになってしまうと困るだけやあらへん。自国内のロシア親派保護を名目にした武力による言いがかり占領。これを実現してしまうとウクライナの先にある国とかバルト3国は困らんか、ベラ子」
ベラ子「むー確かに。そしてですね、侵攻理由はともかく、あることない事言いがかりをつけて攻め込むのはよろしくありませんよね。親露派迫害だとか大統領がネオナチだとか」
マリア「で、普通は戦争になるよな。実際に戦争になったし」
ジーナ「ところが、開戦当初からロシア軍は苦戦しているばかりか、燃料不足で動けなくなった車両を放棄して脱走したりしているんや」
ベラ子「はぁ?普通は燃料や食料を補給する部隊が後ろについてくるのでは」
ジーナ「それがなぁ、ちゃんと補給が機能していなかったようや。この時のロシアは民間企業に後方補給業務を委託していたようで、曲がりなりにも国家の絡む正規戦のはずやのにメシすら満足に行き渡ってなかったとある。数年前に消費期限が切れたレーションが配られて来たりとか無茶苦茶やったみたいやぞ」
マリア「おまけに徴兵の若年兵士が主力、そしてウクライナ国境で数ヶ月留め置かれてた上に、はっきりとウクライナが目標でしかも実戦じゃなくて演習だとか嘘ついて連れて来てたらしいな…」
ジーナ「恐らく本当の目的を言うと早々に脱走する奴はもちろん、情報を漏洩する奴がおる可能性があったからやろ。当初は兵士の個人用スマホとかの携帯も規制してなかったようやし」
マリア「まだ10代20代前半の純真な若い子には、理不尽な侵略戦争と知ったら嫌がるだろうな。実際に投降した兵士はウクライナ万歳と叫ぶのは嫌がっても、ハゲたおじさんがクソだと叫べと言われたら即座に叫んでいたようだし」
ジーナ「更には兵士の給料も安いっちゅうんがあるんよな。安月給で命張れるかとか。死亡慰労金が一万円かそこらで揉めた話もあったよな」
ベラ子「でも確かにロシアも決して貧乏…というよりは国の面積に比べて人口が少ないでしょう。日本の45倍の面積があるのに人口は大して変わらないのなら、普通は資源や諸々の生産からして最低でも日本国民と同じくらいの平均収入があって然るべきじゃないでしょうか。アメリカが日本の国土の26倍で人口が3倍近いですよね。で、アメリカ人の収入って貧富格差が激しいそうですけど、それにしてもアメリカくらいはもらってないとおかしいのではないでしょうか」
ジーナ「ベラ子の疑問ももっともやねんけど、まず読者の方々の時代のロシアは資源国で資源輸出で食っている一面があるんや。せやな…脱穀してない麦と、小麦粉と、それから焼いたパンを売るのとの違いやな。鉄鉱石と製鉄した鉄鋼と完成品の車の価格差と置き換えてもええやろ」
マリア「アフリカ諸国やブラジルの貧富格差と言い換えてもいいぜ。例えば故人だがF1レーサーのアイルトン・センナ・ダ・シルヴァ…いわゆるセナとさ、同じブラジルでもアマゾン流域で砂金をすくってるガリンペイロの暮らしの格差を考えてみろよ。それを思えばロシアはまだマシかも知れねぇぜ」
ジーナ「中国でもいまだ電気が来てない村があるくらいらしいしな」
ベラ子「つまり、お賃金を高くもらえる仕事についてない人の比率が高いか、全般的な給与水準がそもそも低いかですよね」
マリア「物価格差とかは敢えて端折るけど、この原因はかーさんが理解しているはずだぜ」
ジーナ「なんや、うちかいな…まぁ、端的に言うと共産主義革命が起きてソ連になったんが一因やろ」
ベラ子「なんでまた」
ジーナ「話はソ連成立理由に遡る。そもそも第一次世界大戦後に帝政ロシアの国内経済が疲弊していて食糧や物資不足に陥っていて、民衆の不満が爆発しかけているところに、結構なペースで頭がハゲた人と仲間が革命を起こして共産主義国家を築いたのは習ったな」
ベラ子「はい」
ジーナ「で、その後は労働者の幸福な国になったのか」
ベラ子「いいえ。聖院学院でも教えてますし、女官研修でもロリヤの存在を教えてるじゃないですか。で、なんでロリヤが見過ごされて来たのかを説明する際に、必然的にソ連について触れますよね」
ジーナ「そういう事やな。権謀術数はびこり粛清が横行するエリート独裁国家となってもうた。ソ連時代にシベリア鉄道他を利用した人は知ってるかもわからんが、車掌やイミグレーションへの賄賂が有効ですらあったんはともかく、富と権力が指導層に集中したわけよ」
マリア「そして、そういう流れをだな、まだまだ王政を敷いていたり、あるいは資本主義が台頭して労働者を多数必要としていた欧州諸国は非常に警戒したんだよ。戦後の傷も癒えない状態で世界中の労働者はまだまだ酷使されてた時期にさ、自分たちの国で労働者を煽られて、おんなじような革命なんて起こされたらたまったもんじゃないだろ?」
ジーナ「そしてソ連は実際に革命を輸出しようとしてたんや。更には第二次世界大戦当時、ドイツをしばくためにアメリカから受けたレンドリース…武器貸与法に基づく融通分の返済を踏み倒している。更には北朝鮮を煽って朝鮮戦争を仕掛けたり、もっと大きい話として中華人民共和国設立に力を貸してるんや」
マリア「でさベラ子、そんな赤い革命を輸出するわ、貸したお金を踏み倒す国とまともな商取引が出来ると思うか?」
ベラ子「無理ですね…」
ジーナ「これまた荒っぽく言うと、ソ連と西側諸国は完全に貿易してない訳やないねんけど、貿易品目は限定されたんや。ソ連としては労働者格差を助長する西側の嗜好品や娯楽文化はもとより、自国製品との品質格差を知ることになるから西側製品を輸入したくない。そして共産党や国家に貢献した人物へのごほうびに西側製品を支給することで貴重品としておきたかったとかあってな」
ベラ子「では西側資本主義国は、ソ連への輸出は積極的だったのでしょうか」
ジーナ「いや、COCOM規制言うのがあってな、ソ連はもとより共産主義国家に工作機械や電子機器を輸出することは危険であるとして禁止してた。兵器製造開発に使われたりコピー品作られたり、技術を盗まれる危険があるとみなされた完成品や原料などは全て輸出規制の対象になったんや」
ベラ子「ふむふむ」
マリア「つまり、西側からは基本的にものを売ろうとしてもソ連の都合でいりません買いません、またはそんなにたくさん必要ありませんって事になったんだ。そしてソ連や中国は、品質はともかく国民生活に必要な全てを自給自足でまかなおうとした。じゃあ貿易の主要品目って、西側が必要とする鉱物資源や、はたまた共産圏の労働力で安く生産できる食糧各種に限定されねえか?」
ベラ子「なんとなく母様とねーさんの言いたいことが見えて来ました。そんな状況じゃ人民元やルーブルとドルの貨幣換算をしようとしたらどうなるか。資源輸出国の通貨とドルの換算レート…叩かれますよね」
ジーナ「そういうこと。そしてロシアになった際、この西側諸国との貧富格差問題が改めて浮き彫りになったんや」
マリア「この時もロシア女性が“出稼ぎ”や身売りに走ったらしいからなぁ」
ジーナ「そして経済格差は貧富格差に直結してるから、目ざとい奴は犯罪組織を作って荒稼ぎに走ったりしたわけよ…」
ベラ子「母様がロシアの事を身体の祖国と言ってあまり語りたがらない理由の一つですね」
ジーナ「この辺を喋るのは正直、うちには苦痛やねんけど…まぁ乱暴に言うと、共産時代に実際の支配階級だったノーメンクラトゥーラという層から生まれたオリガルヒとかいう新興財閥がいくつもできた。この財閥が握る金のうち、最大規模の財閥を取り潰して色々な形の自己資金に変えた人物がおってなぁ…」
ベラ子「もしかして」
ジーナ「そう。メンチハゲのおっさん。そして実はウクライナでもオリガルヒが存在して、女性首相が「ガスの女王」と呼ばれるくらいの癒着関係が存在した」
ベラ子「あの特徴的な髪型のおば…お姉さんですね」
ジーナ「あれなぁ。まぁ、あのおばちゃんの髪型には敢えて触れずにいくで。こうした癒着状況について、ロシアではメンチハゲのおっさんは秘密警察出身者らしく、政権側で財閥をコントロールするわ、マスコミに対する一種の言論封鎖を行なって制御していた。それだけならいいけど、やはりあのハゲもそれなりに私腹を肥やしておったようなんよな」
マリア「あの悪趣味な巨大豪邸やヨットという名目のクルーザーとかな」
ジーナ「大統領専用機も、どこのブルネイの飛行機やねんと言わんばかりの豪華さであったと」
ベラ子「しかし、そういう強引な富の蓄積は反感を買うんじゃないでしょうか」
ジーナ「もちろん買うてた。そして買ってたが故に政権から降りられんかったんや」
マリア「隠居した瞬間に汚職で逮捕されるからな」
ジーナ「こうしたプレッシャーのかかった毎日を支えるはずの嫁さんとの離婚。これが精神状態に影響を及ぼさないわけはない。更には秘密警察の出身者というのが裏目に出とるとあたしは思う」
ベラ子「なんででしょ」
マリア「スパイをやってた奴が、他人を根本的に信用すると思うか」
ベラ子「ああなるほど…つまり、そもそも安住の地のはずの家族に裏切られたも同然…」
マリア「実際に側近は片端からイエスマンだったらしいからな」
ジーナ「じゃあそういう独裁者に、身を挺して国内や軍の実情を報告して改善を上奏するような気骨のあるやつがおったんかというとやな、ここでマスコミ弾圧…闇に葬られたジャーナリストは100人できかんような粛清行為が悪い方に効いてくんねんわ…」
マリア「ポロニウムって物質の毒性が世に広く知られたのもさ、メンチハゲの送り込んだ暗殺者が使ったせいなんだよな。ま、そんなお菓子をつまむような感覚で粛清や暗殺を命令する組織の出身者に対して、下手に逆らうよりはご機嫌を取っておいた方が楽と思ってる奴がロシア政府高官に多数だった可能性は非常に高いだろ」
ベラ子「国内外の情勢はもちろん、自分の国の軍事経済全てにおいて間違った情報を受けて判断してたとは言われていますね」
ジーナ「加えて、ロシアは当時、核保有国や…」
ベラ子「ウクライナ攻略でも核戦争をほのめかして西側を恫喝して、ロシアへの批判はともかく実際の制裁をさせないように牽制してましたね」
マリア「しかし、その姿勢が反対にな…裏目に出るんだよ…」
ジーナ「最初は逃げ出すと言われていたゼンラスキーな全裸でTVに出るコメディアン出身の大統領が首都に残り徹底抗戦を決めた。そして、ロシアに降伏すると“どうなるか”知ってる国やったんよ、ウクライナは…」
マリア「降伏する事で生活や財産を安堵してくれる信用がある相手か、少し考えたら…うん、徹底抗戦するよな」
ジーナ「そして全裸出勤や全裸ギターだの、ち○ぽでピアノを弾く動画が発掘公開され、民主主義国家の人間にはもとよりソ連、そしてロシアがどういう国かを知っている連中には自由と自国主権の象徴に見えてしもたわけよ、あのゼンラスキーさん…」
ベラ子「実際には高学歴エリートだったそうですけどね」
ジーナ「そしてロシア側もネット工作でゼンラスキー大統領を貶めようとスキャンダルを探すが、全裸で出勤するウクライナ大統領…というまんまな役柄を演じ、ちん○でピアノを弾いて○んぽの硬さを誇示する男に愛人がいたくらいやったとしても今更やろ」
ベラ子「まぁ確かに…」
マリア「ある意味で陰キャなメンチハゲ氏もバイクに乗ってマッドマックスしたり、半裸で熊に乗る姿を公開していたんだけどさ、笑いを取るには至ってないよな」
ジーナ「むろん、ロシアの無理筋な侵略と世界は受け取ってしまったと言っていい状況で、守勢の国の大統領がそういう全裸芸人で、しかも身を張って首都に居座り続けている。更にはアメリカの脱出勧告すら「我々が欲しているのは脱出の飛行機ではなく銃弾だ」とか言って欧州の防波堤たる姿勢を崩さなかった」
マリア「でさぁ…そのゼンラスキーさんを支援してる西側有力国がさぁ…半分だけあたしの身体の祖国のさぁ…あのご飯の味に定評のあるあそこなんだよね…」
ジーナ「実際に軍事顧問が送り込まれてたり、英米の軍用航空機が何機もウクライナの国境線付近ぎりっぎりを飛んで怪しい行動してるの、読者の皆様の世界では絶賛継続中らしいしな」
マリア「偵察や無線傍受はもとより、電波妨害までやってる可能性すら指摘されてるよな」
ベラ子「ロシアへの経済制裁が決まった後でロシア向け輸出嗜好品のネット広告を大量に出していたそうですよね、イギリス…」
ジーナ「もうすぐこれが手に入らなくなるぞ、いいのかロシアと煽ったようやな」
ベラ子「天の声が使ってる欠けた果物印のスマートフォンのメーカーも、ロシアで製品を不売すると決めたようですし…何よりロシアのドル決済を規制したことで各国がこぞってロシアからの撤退を明確にし始めたのが大きいダメージを与えていると」
ジーナ「そしてここまで西側国家を中心に反ロシアで団結されたことで焦った中国他が手のひらを返しておる傾向が出てるのを読めなかった臣下に対して怒りを隠してないそうや、メンチハゲ」
マリア「送り込んだ軍が所定の戦果を挙げないどころか車両放棄して脱走とかな」
ジーナ「そうした事例がネットで撒かれるだけでなく、実際に進攻作戦が遅延しているのが苛立ちの原因やろな」
マリア「これからどうなるかは不明だが、少なくともあのメンチハゲが正常な状態でない事は断言できるよな」
ジーナ「一番懸念されるべきは核兵器使用。これやで」
ベラ子「それこそが一番の悪手では?」
マリア「だが、相手はそういう正常な判断が出来ないと思った方がいいぞ。なんせ人道的にウクライナ国内の親ロシア派の救援救済という建前をかなぐり捨てて市街地への攻撃に踏み切ってるし、チェチェン指導者カディロフの実質民兵たるカディロフツィを投入しているのも危険な兆候と思われているよな」
ジーナ「イスラム教徒で、もともとはチェチェンの治安維持部隊。検索すると出てくるけど、残忍な市民弾圧で知られてて対話は基本的に通じない連中と思う方がええわ」
マリア「とりあえずあたしたちとすれば何とかウクライナ勝利につながって欲しいと祈るしかないな。ロシア国外のロシア人も見当違いの弾圧や差別的な行為を受けているようだけど、メンチハゲが粘れば粘るほどロシア国民や在外ロシア人にも迷惑千万なわけだからなぁ」
ベラ子「あたしがそっち行けば一瞬で終わるんですけどねぇ」
ジーナ「ベラ子とアルトは派遣禁止や!」
ベラ子「なんでですか!あたしアルトさんほどやり過ぎないと思いますよ!」
マリア「いや、お前はイタリアにも迷惑をかける。今回の件でイタリアは割と日和ってただろ!」
ベラ子「ううううう」
ジーナ「とりあえず、うちにも迷惑なんで、ロシア国内の反メンチハゲ派は何とかしてあのメンチハゲをなんとかしてくれ…」
マリア「そのアメリカ魔法を促すような話も大概だぞ…あとロシアもウクライナもネットで工作していて、お互いを誹謗するような情報を出しているそうだ」
ジーナ「特に、メンチハゲがゼンラスキー国をナチス呼ばわりしてるせいでナチス扱いするプロパガンダが盛んなようやな。あと降伏勧告」
マリア「読者の皆様でこの辺の情報を追いかけている人は注意が必要だな!」
ベラ子「とりあえず戦死者負傷者や経済的被害をこれ以上出さないためにも早期解決をお祈りします」
全員「では、また本編でお会いしましょう」
2022.3.6追記
マリア「実は天の声のTwitterに銀河連合日本シリーズの作者、柗本保羽氏が嘆きの声を寄せたそうだ」
https://twitter.com/YasuhaMatsumoto/status/1499550008978198530?s=20&t=3AjkRPlYdmyJG-VYHAzf0g
ジーナ「内容はやはり、あのメンチハゲの作中の処遇についてらしい」
マリア「あちらの作品世界にあたしらは干渉できないけど、さぞ頭が痛いだろうというのはよく理解できる」
ベラ子「ちなみに銀河連合日本、面白いかどうかは読者の方のお考え次第ですけど、少なくともシリーズ1期は書籍化されて出版しておられるそうですよ」
ジーナ「この話が面白いと思った人は既にお読みか、もしくは琴線に触れるところがあるとの天の声の談話や。ここだけの話、天の声の奴も読んでるそうやしな」
マリア「時間の許す限りお立ち寄りください」
https://ncode.syosetu.com/n5084bv/
ジーナ「…で、その頭の痛いメンチハゲの老害行為やけどな。開戦当初からウクライナ善戦の影の西側諸国の介入が疑われていたが、やはりNATOと米国は手を貸していたようやな」
マリア「なんか核戦争まであり得るとか、アメリカがルーマニア上空で演習と称してB-52爆撃機を周回させる示威行動に及んだりしてるようだな」
ベラ子「困ったものですね」
マリア「でさベラ子。お前が仮に行ったとして何をする」
ベラ子「まずあのハゲたおじさんをドレインして拉致しますね」
マリア「それで戦争が終わるかな」
ジーナ「まぁまぁマリ公。ベラ子、ロシア軍内には決して戦争反対でもない勢力もおるからな。ロシア国民の相当数が反戦だったとしても、政府や軍関係者には今停戦したらロシアの負けになって賠償やら何やらで国がグダグダになると思ってるのがおるやろ」
ベラ子「はぁ…あ!つまり今度はロシアも困る立場に…」
ジーナ「で、ロシアが弱体化するとロシアの管理する核兵器とか、撒かれたら困る軍事技術が流出しかねん。実はウクライナも自国に残った旧・共産圏時代の技術や遺品めいた軍事兵器の輸出で外貨を稼いだ前科があってな」
ベラ子「えええええ。それだとウクライナも悪いという話になりますよね」
ジーナ「ただ…せやから言うて他国を侵略してええという話にはならんやろ。ましてやウクライナは保有する核兵器をとっくに廃棄していて、ロシアに深刻な悪影響を与える軍事力を単独では持ってへんねんぞ」
マリア「まぁ、文句があるなら国際司法裁判所って手があるからなぁ。いずれにせよ外交努力でウクライナのNATO加盟を阻止しなかったのはロシアの落ち度だ。これは今回の問題の是々非々を論じる場合の絶対条件と言っていいだろう」
ベラ子「痴女皇国を開いた当時のように無理やり攻め込むとかダメなんですよね」
マリア「あの時とは国際関係の事情が違うだろ…ましてやあたしらは最終的にはドイツならドイツを攻め滅ぼすんじゃなくて、現地の人たちをあたしらの政策に合致するように持って行くのが義務だからな」
ベラ子「まぁ確かに、強姦作戦と言いながら実際には人助けするわ、あげく欲求不満の奥様やお嬢様を以下略っていう本末転倒な状況なのはあたしも報告受けてますし」
マリア「加えてあたしらは軍税による神聖ローマ帝国領土の疲弊を防ぐためにもやってるわけだし」
ジーナ「という訳で強姦作戦はこんにちわ、マリア枠でもう少し扱うそうや」
ベラ子「すけべいな展開が大好きな人はもう少し待ってくださいねー」
ジョスリン「早く終わらせてください(切迫)」
ベラ子「おだまりカエル女っ。あんたは育児問題もあるでしょうがっ」
マリア「なおジョスリーヌさんがなぜ父親役ポジションなのかはアルトくんや闇落ちマリアを読んで欲しい。18歳以上限定だが」
ジーナ「読んでもええ思うねんけどなぁ、あれくらい」
マリア「かーさん…ヨーロッパやアメリカほどじゃないけど日本も性的コンテンツには厳しいんだからさぁ」
ジーナ「あとロシアでPornhubが見れない投稿できないという問題があってな」
マリア「ああ…素人投稿ができないんだな…」
ジーナ「うちの身体の祖国の話なのであまり言いたくないが、割と過激なんよな」
ベラ子「母様がなんだかんだ言ってSM趣味の知識に明るいのも納得できますね」
ジーナ「ベラ子。その知識と記憶、お前も引き継いでんねんけど」
ベラ子「うぐぐぐぐぐ」
マリア「なお、かーさんの記憶と知識はあたしも受け継いでいる。関西弁では話さないようにしてるけどな!」
ベラ子「という訳で危険なすけべい話も多いんですけど、あたしたちの話が気に入ったら評価・ブックマーク・いいねをお願いしたいそうです…天の声」
マリア「ちょっと他のなろう小説と違うし、癖があるからナーロッパ系ファンタジーを期待する人には厳しいと思うけどな」
ジーナ「R18版はアルトくんの話から読むとええらしい」
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/
ベラ子「あたしたち母娘の話はまだまだ続きますからねー。よろしくお願いしますっ」