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時の所在
無限の時間の中に、私という有限が存在する。
世界が全て坂道だったら、転がした玉は世界を周るのか。
世界が全て川だったら、流した葉は世界を漂うのか。
何を見て、何を感じ、何を思って、止まるのだろう。
自分の意思ではなく、流れにあらがうことなく進む先には、何が待っていて、何が残るのだろう。
無限の中の有限は、あまりにも残酷で温かすぎる。
この現在という瞬間は、さっきまでの未来であり、あっという間に過去になる。
それを繰り返して期限を迎える。
平等に与えられた時間は、たまに不平等だ。
現在はもうとっくに過去だ。
私はいま、どこにいるのだろうか。