14/16
友情幻想曲
ずっと前から知っているのは、本当は自分は独りぼっちであるということで、なんだかんだ言い訳をしながら目を背けていたことは否定できない。
孤独という名のベッドで安眠をしながら、友情という夢を見続けていたようなものだ。
おいおいそんな寂しいこと言うなよと、友人Aに言われそうだけれど、決して君と私の間に友情がないと言っているわけではない。
友情というものは間違いなく存在していて、それを共有することで関係性が良好に保たれているのは確かだけれど、形がなく手に取れるものでもないから幻想と同じようなものだということを言ったに過ぎない。
やっぱり個体は当たり前だけど単体で、集団という群れを作ってもその中で一人一人が確実に分かれている。
いくらの粒みたいなものだろう。
でも私はいくらが好きだ。