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漫才『ゲーム』

作者: こやけ


二人「はいどーも」


ボケ「突然だけど最近さ、子供たちの間で流行ってるゲームあるじゃん」


ツッコミ「あー、あつ森のこと? 確かに流行ってるよね」


ボケ「あつ森? なにそれ? 暑苦しい森脇健児のこと?」


ツッコミ「絶対に違うね。子供たちの間で森脇健児が流行るわけないよね。ゲームじゃないし。あつ森って言うのは、あつまれどうぶつの森のこと」


ボケ「ちょっと知らないなぁ」


ツッコミ「えー、じゃあ何のこと言ってるのよ」


ボケ「あなごっち」


ツッコミ「え、たまごっちじゃなくて? たまごっちだとしてもおかしいけどね」


ボケ「えー、あなごっち、知らないの?」


ツッコミ「うん。たまごっちなら知ってるけど」


ボケ「いやそれが知らないよ! たまごっちってなんだよ! いい加減にしろ! どうもありがとうございましたー」


ツッコミ「終われない終われない。まだなんも始まってないから」


ボケ「いやだって君がおかしなこと言うからさ」


ツッコミ「そんなつもりは毛頭ないんだけどね…。で、そのあなごっち?…だっけ。それは何なの?」


ボケ「あなご育成ゲームなんだけど」


ツッコミ「あなご育成ゲーム? あなごを育てるゲームなの?」


ボケ「まあ大まかに言ったらそうなるね。あなごと会話ができたりするんだよ」


ツッコミ「あなごと会話ができるんだ。話し合わなそうだな」


ボケ「いやいや意外とやってみると楽しいかもよ」


ツッコミ「そうかなあ」


ボケ「あなごっちの世界へようこそ」


ツッコミ「お、なんか始まった」


ボケ「特に理由はありませんが、あなたは今日からあなごを育てることになりました」


ツッコミ「理由ないんだ。理由なくあなごを育てることなんてあるんだ」


ボケ「まず、あなたの名前を教えてください」


ツッコミ「あ、そういうのもあるのね。じゃあ一応飼い主ってことになるから…、カイでお願いします」


ボケ「時間切れです」


ツッコミ「いやなんで!?」


ボケ「こちらでランダムに決めさせていただきます。ドロドロドロドロー」


ツッコミ「いやめちゃくちゃ下手なドラムロール」


ボケ「ダン! あなたの名前はマスオです」


ツッコミ「急にあなごが別の意味を持ち出すからやめて」


ボケ「うそうそ。あなごジョークあなごジョーク。あなたの名前はカイで登録しました。感謝しろー。後でなにか奢れー」


ツッコミ「最初のナビ役の自我が強い。そしてウザい」


ボケ「それではゲームを始めます」


ツッコミ「やっと始まった」


ボケ「ギョギョギョー! ぼくはあなごっち! 今日からよろしくね」


ツッコミ「ほぼさかなクンみたいなのが来た」


ボケ「見ての通り、顔は人間で首から下があなごだよー!」


ツッコミ「子供たちゲロ吐かない? 想像以上にヤバい見た目してたんだけど」


ボケ「ギョギョギョー! 次に見た目のこと言ったらあなごの部分で君の首に巻きついて、……締め殺すよー!」


ツッコミ「ポップな口調で溜めて溜めて殺害宣言したやん」


ボケ「見た目で人を判断するなんて最低だぞー!」


ツッコミ「え、人なん?」


ボケ「諸説あるギョー!」


ツッコミ「急に語尾にギョを付け足したのが気になる」


ボケ「お腹すいたギョー」


ツッコミ「じゃあ餌をあげようかな。あなごっちはなにを食べるの?」


ボケ「うなぎー!」


ツッコミ「また似たようなものを…。うなぎが好きなの?」


ボケ「ううん、嫌いだギョ。だから食べるギョ!」


ツッコミ「まさかの同族嫌悪が理由」


ボケ「腹から切り裂いて、鉄の棒で刺して、火炙りにしたやつが食べたいギョー!」


ツッコミ「蒲焼きね。なんでそんなグロい言い方するの?」


ボケ「そのほうが……、面白いから(真顔)」


ツッコミ「あ、急にキャラ抜けないで! めちゃくちゃ怖いから」


ボケ「ギョギョギョー! ギョギョギョー!(白目剥いて発狂)」


ツッコミ「こわ! どうしたの!」


ボケ「バン!!!(顔が爆発するジェスチャー」


ツッコミ「うわぁ! 顔が爆発した!」


ボケ「……ゲームオーバー(低い声)」


ツッコミ「急にゲームオーバーになった! ていうかスプラッターが過ぎるよ!」


ボケ「このゲーム、あなごっちのキャラが抜けたらゲームオーバーになるのよ」


ツッコミ「君のさじ加減だろそれ!」


ボケ「あなごっちはお気に召さない?」


ツッコミ「召さないよ」


ボケ「じゃあ、うなぎっちのほうもやる?」


ツッコミ「いやいい加減にしろ!」


二人「どうもありがとうございましたー」

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