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五人少女シリーズ

真凛ちゃんの礼儀講座。人を怒らせない方法、怒らせた時に丸く収める方法【五人少女シリーズ】

作者: KP-おおふじさん

いつもの一話読み切り【五人少女シリーズ】です。キャラクターのプロフィールはシリーズ一覧から確認できますが、読むほどの内容も無いので端的にしますと


真凛 サイコパス 世界破壊&再生二秒で可 家事好き

衣玖 天才少女 ちび 冷静

留音 健康美女 でか 熱血

西香 性格悪い 美少女 ファンクラブあり

(あの子) (人を怒ることも怒らせることもしない完璧な不可侵存在なので今回はお休み)


という感じです。

 どうも皆さんこんにちは、真凛です^^

 

 皆さんきっと社会人になったり、学校で過ごしたり、色々と礼儀が必要になる場があると思います。


 そう、礼儀です。友達と過ごすときも、家族と過ごすときでも礼儀というのは大事ですよね。


 わたしは子供の頃から両親にすっごく厳しく礼儀を教え込まれてきたので、ちょーっとだけ厳しいんですよぉ。


 なので今日は、最低限人を怒らせない方法、怒らせた後の対処法などを皆様にお教えしようと思います!是非参考にしてみてくださいね*^^*



 衣玖さんの場合ーーー


「真凛、ちょっとこれ持っててもらっても良い?気をつけてね」


 衣玖さんはよくわからない物体を持っていました。密封されたガラスの容器に入っていて、なんだかもやもや~って微かに虹色の光を放っています。


「わぁきれ~い。衣玖さん、これはなんですか?」


「これはそうね……圧縮して電池に仕込むことでまたたく間にそれを無限燃料に変えるロマン物質よ。さっき生成に成功したんだけど圧縮する必要があるのよ。その前にちょっと休憩と思ってね、コーヒーでも取りに来たの」


「そうなんですね。それにしてもキレイな色をしてますねぇ」


「そうでしょ。次元を断裂してエネルギーを取り出しているからね。でもいい?この特殊な容器に入ってるからいいけど、もしもここから出してしまったら7つの次元と過去と未来に凄絶なダメージを与えるの。だから絶対に落としたりしないようにね」


「わかりましたあっ手がすべ」


 ガチャああああん!!!容器を割っちゃいました^^;


「ひ、ひええええええっ!気をつけてって言ったのにぃっ!?」


 衣玖さんが珍しくとっても焦っていますね。そして割れた容器からすごくキレイな光が広がっていきます。それに重力も変な動き方になってるみたいです、いろんなものが光に吸い込まれていったり光から見たこと無いものが出てきたりしています。これじゃお家が汚れちゃいます。


「あ、あのう衣玖さん、せっかく作ったの割っちゃって……ごめんなさい」


 わたしは誠心誠意、しっかりと謝りました。これは礼儀の中でとっても大事なお話です。悪いことをしたら素直に謝ること。とっても大事ですよね。でも謝っただけでは解決しないこともあります。


「今はいいからぁああ!!あー!!7つの次元がつながって世界が崩壊していくううー!!どうしてくれるの真凛!!?」


 そして謝っただけではいけません。自分がやってしまったことの責任をしっかり取ること。これはとっても大事な事なんです。><


「うーごめんなさぁい!責任を取って……えーい!」


 わたしは衣玖さんが恐怖を感じないようにこの世界を破壊してすぐ元に戻しました。これで衣玖さんを怒らせないで済みましたね。

 

 というわけで、これが礼儀の一つ目です。怒られたらしっかり謝りましょう。それでも解決しなかったら、世界を破壊して怒られた原因をすっかり取り除いてしまいましょう。これで怒られなかった事と同じです^^b




 留音さんの場合ーーー


「あっれぇ……おかしいなぁ……」


 ほよよ?留音さんがキッチン脇の棚をひっくり返しています。もう、少し前にわたしが整理整頓したばっかりなのになぁ。


「どうしたんですか?留音さん」


「あぁ真凛。あのさ、あたしのプロテイン知らない?」


「いっぱいあるじゃありませんか、お菓子みたいなやつにゼリーのと粉末に、ホエイにソイ、ミルクティー味にストロベリー味って」


 その棚から出されたプロテインの缶々や大きなパックを見ながら私はそう言いました。留音さんったらスポーツ用のサプリメント?をたくさん揃えているんです。


「いやここにあるのじゃなくてさ、缶に入ったやつだよ、バニラ味の。一番手前に置いといたんだけど」


「あ、捨てましたよ?」


「えっ!?は!?」


 そういえばそうでした。昨日だったかにわたしが処分したプロテインを探していたみたいです。でも横暴な理由は無いんですよ?しっかりちゃんとした理由があるんです。


「なんで勝手に捨てんの!?」


「だ、だって賞味期限切れてたから」


「えーっ!だから飲もうと思ってたのに!まだ二日くらいしか賞味期限切れてなかったんだぞ!?」


「そ、そんな事言われたって……いいじゃないですかぁ、そんなにいっぱいあるんだし……」


 留音さんは大雑把なところがあるので、賞味期限が少し切れてたって気にしない人なんですよね。


「だぁ!わかってねぇなぁー!あれは水分に溶けやすくてサラサラで飲みやすい上にBCAAが豊富でゴールデンバランスで配合されたビタミン7種類が入っていて理想の筋肉をつけるためのお値段結構高めのホエイプロテインでなによりあたしの大好きなバニラ味なんだぞ?!」


 わぁ、一息で言い切っちゃいました……すごく興奮してるみたいです。ふぇぇん><


「で、でもぉ、だったらどうして賞味期限すぎるくらい置いといたんですかぁっ、まだ半分以上残ってたから好きじゃないやつなのかなって……」


「いいヤツだからここぞって時だけに飲んでたし美味しいから長引かせてるうちに過ぎちゃったんだよ!でも賞味期限がやばいって1週間くらい前に気づいて毎日のように飲んでたから一番手前にあったの!!なんで捨てちゃっんだよー!!」


「だ、だってぇ……うぅ、ごめんなさいぃ。でもそんなに怒ること無いじゃないですかぁっ!賞味期限切れてたらお腹壊しちゃうかもって思いましたし~!」


「密閉容器に入れてたし、保存場所は涼しい場所って考えて置いといたの!それに粉末で普通に設定された賞味期限は半年以上あるし!1週間くらい過ぎても全然平気なのに!大体なんであたしのプロテインコーナーにあるもの勝手に捨てちゃうかなぁー!」


 そんなこと言われたって……たまたま目に止まったのが賞味期限切れてたら誰だって気にしますよねぇっ?それで明らかに消費しきれない量だったら捨てちゃう気持ちだってわかってくれても!嫌がらせをしようと思ってしたんじゃないのにー!><


「うぅーっ、わたしは良かれと思って捨てたんですもん!留音さんがちゃんとその半年とかの間にしっかり消費しててくれたら良かったんじゃないですか!?」


「ここで逆ギレかよ!確かにそうだけどあたしが自分のために買ったものなんだからどう消費するかなんてあたしの勝手じゃね?!っていうか勝手に捨てるほうが悪くねぇ?!」


 留音さんの言う言葉は正論かもしれないですよね。わたし、起こられるのが嫌なんです!


「あーもうわかりました!イライラしてるんですね!わかりましたぁ!じゃあわかりましたよ!もう終わらせましょうっ(フンス」


「えっ、あ、お、終わらせるって……?」


「留音さんイライラしてるから、そのイライラを忘れられるように全てを破壊して新しい世界を始めることにしますぅ……すればいいんでしょぉ……」


 私は破壊パワーを指に溜めました。もう地球をツンツンすれば破壊できるというところで留音さんの表情が変わりました。


「あっ、ま、待て真凛。実はそんなに怒ってない!イライラもしてないよ!」


「……ホントですかぁ?」


 留音さんはさっきまでの表情とは打って変わって焦ったような表情になりました。


「うんほんとほんと!だってほら……賞味期限切れてもしダニとか入ってたら怖いしな!だから世界は破壊しないでいい!」


「ホントのホントですかぁ?わたしに気を使ってくれてるんじゃ……」

 

 わたしの頭の中で形勢逆転って文字が浮かびます☆


「そんなことないよ!例えそうでも違う!でも本当に全然怒ってない!だから真凛も気を取り直してくれ!なっ!あたしが悪かったよ!まさかあたしの賞味期限切れのプロテインで世界が滅ぶなんて思わなくてついきつく言っちゃっただけなんだ!だからすまん!ほんとに全然怒ってないから!」


「ぐす……わたしは留音さんのためを思ってぇ……」


「わかったわかった!そうだな!それなのにきつく言い過ぎちゃったな!それはもうあたしが悪い!だから世界を滅ぼすとか物騒な事言い出すのはやめてくれな!」


「はい……留音さんが怒ってないなら……」


「全然怒ってないから!」


 というわけで、相手が怒ったときにはちょっとした逆ギレと世界の破壊をちらつかせると怒りを鎮めてくれますよ^^b




 西香さんの場合ーーー


「ちょっと真凛さん、これ持っていてくださる?」


 西香さんが小さなガラス細工を持って来て、それをわたしに手渡してきました。可愛いユニコーンの高そうな飾りですね。


「うわぁ~可愛い~っ、西香さん、これどうしたんですかぁっ?」


「わたくしの信者が西香様ファンクラブの集会でプレゼントしてくださいましたの。さっきネットで検索したら20万円くらいするみたいですのよ」


「えっ!そんなにするんですか!?あっ手が滑っ」


 バリィィん!!びっくりして手が震えたせいでまた割っちゃいました^^:


「あぁもう、真凛さんたらたまにおっちょこちょいになりますわね」


「ご、ごめんなさい……高いのに……」


「まったくもう。でもわたくしは1円も出していませんし、また信者に仕入れさせればいいじゃありませんの。はいパシャリ。インスタに投稿してと。……『家に帰って五分で割れちゃいました。これくれた方、もう一つ用意しておくように』これで良し」


「お、怒らないんですかぁ?」


「怒る?そう言われましてもわたくしこんなガラス細工に興味ありませんもの。さっきも言いましたけどわたくしがお金を出したわけではありませんし。あとで貢物をまとめて質屋に持っていこうと思ってたのですが。それにこれお値段の割に精密で持ち運ぶのもだるいですし。まぁ真凛さん、悪いと思うならここ掃除して、今度信者が貢いできたらわたくしの代わりに質屋に……あ、いえ、着服されたらたまったものではありませんわね。やっぱり掃除だけでいいですわよ」


 西香さんの性格の悪さがこうしてたまに奇跡的に都合のいい方に作用してくれる事があるんですよね。ふぅ、20万円払わされるかと思ったので安心しました。


 でも礼儀講座として見ると今回のはレアケースですね。こんな失敗しても怒られないなんて。でもここから学べることもあります。自分にとってどうでもいいことであれば、何をしたって怒られないんです♪



 また別の日のことです。


「ちょっと真凛さん。冷蔵庫にいれてたわたくしのプリン、どこにいったか知りませんか?」


「プリン?おととい留音さんが買ってきたあの店のプリンですか?」


「そうですそうです。そういえば食べていなかったのでおやつにと思ったのですが、冷蔵庫探してもありませんの」


「うーん。わたしがさっき食べた時は最後の一つでしたし。西香さんもう自分で食べちゃってたんじゃないですかぁ?」


 お店の手作りプリンも結構賞味期限は早く来ちゃいますからね。残ってるのを見てぱぱっと食べちゃったんです。


「食べてませんわよ。っていうかあなた、留音さんが持って帰ってきた日に食べてたじゃありませんの。あれ、ちょうど人数分しかなかったんですけど」


「……あ!」


 あ、あちゃあ~、またやっちゃいました。ついスイーツになると食べる意識が先行しちゃうんですよね^^;


「す、すいません西香さん、わたし西香さんの分まで食べちゃったみたいです……」


「ちょっと!わたくし今プリン食べたかったのに!」


「うーごめんなさいー……どうしよう……」


 失敗しちゃいました……今回は前にガラスを割った時みたいに許してくれそうにありませんね。でも大丈夫、正直に謝って、しっかりと気持ちを込めた対応すれば平気です!


「……あっ!高級スイーツ店のポイントが溜まってて、これだったら今好きなスイーツ食べられますけど……これじゃあだめですかぁ……?」


「それは差額的にあのプリンとどっちがオトクなんですの!!」


「多分あのプリンは200円くらいで、こっちのスイーツ券なら800円くらいのが食べられるかと……」


「まぁっ!3倍のお値段じゃありませんのっ!?それを早く言ってくださいな。じゃあわたくしはこちらを頂いて……ありがとうございます真凛さん。ちょっくら出かけて来ますわね~」


「いってらっしゃ~い。は~西香さんがちょうどいいバカで良かったぁ~」


 というわけで、人によっては怒りも金銭的な面からアプローチすることで丸く収めることも出来るんですよv^^v


 でも経験上、やっぱりお金より世界を崩壊させる方向で勧めたほうが丸く収まることが多いですねぇ。


 なので皆さん、社会や人との営みっていうのは色々あって大変かもしれませんが、ここで紹介したように「お前の次の対応次第で世界を破滅させてやるぞ」って意気込みを持てば円滑なコミュニケーションで人間関係スムーズにやり過ごすことができます。d^^b


 是非、今後の生活に役立ててくださいね^^


 では今回のお話は、世界5分前仮説の化身、真凛がお届けしましたミ☆

色々ありますよね。おーやだやだ。


読んでいただいてありがとうございました。

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