永久荘【前編】
最後に更新したのが、今年の4月と知って、申し訳なかったです。今度からは少しずつ更新していきたいですね!
ザー…ザザッ
「こちら管制室。只今、永久荘に接近する者達を確認。」
とある地下に建てられた、近未来的な建物のその一室。壁の一面にたくさんのモニターが並べられており、その近くにあったスピーカーから女性の声が発せられる。大きな机の前に立っている男が、モニターを見ながら口を開く。
「ほう…それは、一体誰だ?」
その口調は、威圧的なオーラを出していた。先程のスピーカーから発せられた女性の声も、少し戸惑いながら、言葉を発した。
「…それが、とても言いにくいのですが…葉月様とそれに使えるもの達が、こちらに向かっております。どういたしましょうか、室長。」
女性が"室長"と言った男に問いかけると、
「何故、あの方が……まぁ、いい、通せ。」
言えば、スピーカーの切れる音がし、やがてひとつのモニターに人がゾロゾロと映り出した。そのモニターに葉月と零が映ると男は、
「…やはり、あの頃のまま、か。」
と、誰に言うでもなくポツリと呟いた。すると突然、男がいる部屋の扉が開いた。そこには、
「室長〜!なんか、下っ端の奴等が騒いでますけど、どうしたんすか〜?客人でも来たんすか〜?」
部屋の扉をすぐに閉めたのちに、豪快に歩く男が大きな声で言いながら、そこにいた"室長"に近寄っていく。その行動に"室長"と呼ばれた男は、溜め息を一つこぼし、
「…悠介、いつも言っているだろう。部屋に入る時は、必ずノックをしろと。」
そう注意すると、"悠介"と呼ばれた男ーー火三味悠介は笑いながら、
「ハハッ、そんなの、いつもの事じゃないっすか!」
そう言ったと同時に、またこの部屋の扉が今度は思い切り開かれる。そこにはーーー。