十三話
さあ楽しいことが終わったら期末テスト。
球技大会の余韻にまだ浸っていたいものたちは嘆き悲しみ、訪れる審判の日を待ち続ける。
しかし俺たちは…
「よっしゃ!めんどくさい球技大会も終わったからもうすぐで夏休みだああ!」
「うん!うん!」
俺は両手を挙げ喜び、葵はその横で首を振っていた。
普通に勉強できる人間たちは、期末テストを苦としていない。
少数派ではあるが期末テストに喜びを感じる生徒もいた。
俺としては、ここ最近モヤモヤすることがありすぎて勉強には一切手をつけれてないんだが、まあ授業も聞いてるし、教科書も読んでいるから大丈夫だ。
しかし、さすが葵と思った。
球技大会の後、葵は案の定告白された、しかし葵はそれをきっぱりと断ったという。
あまりにもバッサリと振られたため、女の子の方は盛大にショックを受けたようだ。
…多少気の毒だな。
でも葵に彼女が出来たら俺は少なからず耐えられない。
もはや葵と一緒にいることが俺の至福なのだ。
「ねえねえ貴明くん」
「なんだい、葵くん」
「なにそれ、そういえばさ、僕の家紹介してなかったね」
「ん?ああ、いつも家の前までだったしな」
葵の家は知っていた、それはもうデカイ。
俺の家の倍はある豪邸だ。
流石は鳳凰家といったところか…と。
まあ一緒に帰っているうちに慣れてしまったのだが。
「うんだから家の紹介とかも兼ねて、勉強会しようよ!」
「勉強会?」
いいかもしれん、勉強はなんとかなるにしても、少し不安なとこがあってどうしようかと悩んでいたが、勉強会か。
ちなみに葵は英語や日本史、漢文などを得意としており、俺は完全に理数系だ。
漢文についてはちんぷんかんぷんで困っていたところだ。
それに紅もどうせついてくるだろう、もう期末も終わったも同然だ…と思ったが。
「ごめん、紅さんには内緒でお願い!」
と、可愛くお願いされてしまった。
こいつほんとに男かよ…などと言ってる場合ではない。
「まあわかった」
「ごめんね、貴明くんにはどうしても話しておきたいことがあったから…」
「大丈夫だ」
頭をポンポンと軽く撫でる。
愛い奴め。
それにしても話しとは一体なんだろうか。
…ああ、もしかして告白の関連かもしれん。
「告白してこないように僕を守って欲しいんだ…」なんて言われたら全力で頑張ります。
などと思ってるあいだに休み時間は終わった。
すこーし文体を変えてみましたー
なんかよみにくいなぁと思ったり、誤字とか発見した場合、感想の方にお知らせください。
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