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グランジア見聞録  作者: 黒木慎悟
第一章 始動
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第1話 日常

「クソ暑い」


彼はブツブツと言っいる。ても手が止まっていない。


「親父の奴、直れないとお昼を抜きにする何て」


青年は壊れた荷車から車輪を取り除いている。何故この暑い日に倉庫でこんな事をしなくてはならないと言うと。


「よっ、ライアン、頑張ってる、頑張ってる」


声と同じくらいの見た目がチャラい男が挨拶ながら青年の傍に来た。


「フェー、喧嘩を売りに来たなら、後にしてくれない?」


ライアンと呼ばれた青年は頭を振り向かず手を振って、


「後でいっぱいぶん殴あげるから」


しかし、男は聞こえなかったのように自然に地面に倒してる荷車に体を寄せて、ライアンという青年にニヤニヤと笑た。


「山でレースしたことまだバレた?」


青年は男のニヤ顔を覗いて、その挑発の声を聞いて、不機嫌になった、うんと返事しただけで荷車の修理に集中した。


そう、今彼が直している荷車は昨日の夜にレースで使って壊したものだ。


レースというのは最近村の若者達の間流行している馬で荷車を引っばてスピードを競争するゲームだ。何せコリンズみたいな山奥の街では、血の気が多い若者達が喧嘩以外はバカ騒ぎしかできないものだ。


ライアンの父は街で小さいな雑貨屋を経営している。小さいながら日常用品から蔬菜や果物などの食材まで何でも揃ってる、その上客の注文に応じて品を仕入れてる。見立てによらず商売はそこそこ繁盛している。


なので、この仕入れに使う荷車が壊れたことをライアンの父に知られて、


「明日の午前に直せ」と


父はこの言葉をする時無表情だが、ライアンは


『あれは怒ってる、絶対怒ってる』と、何となく分かった。父は普段は彼に対して放任だが、いざ怒った時、ライアン心底からびびる。


「でっ、結局レースは誰が勝ったの?」


「フッ、それは愚問だ、フェージよ」


ライアンは自慢の顔をして、ゆっくりと体を立ち上がった。


「ヒュー、流石~」


昨日の夜、レースで、壊れた荷車がギリギリにゴールまで走っていたが、終点を通った後すぐ車軸が折って、再起不能となった。


優勝商品――三日の朝の分のシェリおばさん家のパン、の代わりに一緒に試合している仲間の手を借りて壊れた荷車を家まで運んで貰った。で、家の前に着いたら、父が待っていた。


無表情で……


それからフェージとライアンは暫く立ち話をしていた。


フェージと別れた後、ライアンは荷車に新しい車軸を付けて、家の倉庫から出て、父に報告しに行った。


部屋に入ったら、父は常連さん達の注文を確認していた


ライアンの父は堅実の男だ。一言と言えば雑貨屋なんか全然似合わない男だ。


『なぜ雑貨屋何か始まったのか?』と

彼は昔父に聞いたことがあるが、父は真顔で


「ちょうど都合がいいだけだ。」と答えた。


なにか都合がいいのが、彼は全くわからない。ただ、父の言葉を聞いた後なんか胸の辺りが居心地が悪くなっていた。


「修理が終わった?」


「あっ、片付けたよ」


父の表情は相変わらず氷山の如く、声はまさにその上に吹く風のようだ。別に今回のことでこうなった訳ではない、この顔は生まれ付きのようだ。


大理石のような彫り込みが深い顔の上、濃い黒鳶色の髭は頬から顎まで生えている。太陽に晒し過ぎたかもしれないか、父の肌は薄いおうど色に見える。僅か濁った目にはたまに人を刺すように光る。


よくもまぁ、こんな顔で商売をするものだ。ライアンは毎回父の顔を見ると思わずそう思うようになっていた。


自分は父と似ていない、顔も、性格も(口下手除く以外は)、町の人達は見る度そう言ってるし、彼自身もそう思ってる。


自分の黒い髪も顔つきも全て母譲りだった。


母は遥かの東洋から来たの女性で、とても綺麗だったらしい。その時父は傭兵だった、当時母を乗せたグランジア大陸行きの船に父も護衛として乗っている、これが二人の出会いだった。


そして戦争が起きた。今のビダリバイン公国、当時のビダリバイン帝国とファーニバル帝国の戦争だ。それからは、よくあるパターンだ。


父が駆け付いた時はそこもう瓦礫と死骸の山


そして、そこには息を引き取りそうな妻とお腹の中の赤ん坊がいた。その場で、ライアンを辛うじて産んだ後、他界したようだ。


この話はライアンが父から聞いたもので、本当かどうか彼は知らない。ライアンもう死んだ人の話など別に興味とか持ってない、それに過ぎたことをしがみついてもどうしよもないから。父に細かい話を聞いていなかった。


この点は親父がそっくりであることはライアン自身も気づいていないようだ。


「お昼の後リウィさんの所に仕入れの品を取りに行け」


そか、昨日のことを仕事でチャラにするのか。相変わらずいつものように父が彼に対しては寛大だ、それも無関心程にな。


「分かった」


家は店をやってるならこういうことも珍しくない。何回父の代わりにお仕入れに行ったことがある。リウィさんの商会は隣街――ディシュアルにある、西の山道で山を越えなければならない。


『夕食の前に帰るかな』と


考えてるうちに、父は客の注文の確認に戻った。ライアンは昼飯の準備にかかった。


父と二人の間いつもこんな感じだ。必要な時しか話さないし、話がなくても分かる時も話さない。


別に仲が悪い訳ではない、これはお互い話がさなくても意思が通じる事が多いからだ。そう、まるで長い年月一緒に組んだパートナーのようだ。


新人作家なので、何卒宜しくお願い致します。

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