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第01話_大会があるらしいです

本日から新章開始です。

本章でのストーリーの大筋は考えているのですが、細かい所が未定のため章タイトルは空欄とさせていただきます。

ある程度進んだら変更します。

アルスから王都へ戻ってきて1週間が経った。

この間に起きたことといえば王都から幾人かの兵士がアルスに常駐が決まったくらいである。

ギルマスから王に話を通してもらった結果、思いの外スムーズに事が運んでいた。

アルスへ兵士を送り込むのになるべく早いほうが良いだろうと思い、シュウは一瞬自分の転移魔法を使おうとしたのだがティアナたちに思い切り怒られた。

いくら早いほうが良いとはいえこの間注意を受けたことを忘れ早速転移魔法を使おうとしたのだから当然である。

結局シュウが何の手出しもしないまま兵士たちはアルスへ向け出発したのであった。

これでアルスが全く孤立してしまう可能性が減ったのだ。


それはそれでいいとして、だ。

シュウは魔族との戦いを思い返していた。

ヴァレスと剣を交えた際、もし自分にチート能力がなければ手も足も出ずやられていただろう。

今までの戦いもチート能力あってこその勝利をもぎ取ってきたのだが、そこまで危ない状況に陥ったのは今回が初めてだった。

相手は明らかに戦い慣れしており、魔法チートによるギリギリの戦いだった。

今後のことを考えると対人の魔法不使用の戦い方も慣れておいたほうがいいだろう。

しかし対人戦に慣れるために模擬戦を行おうにもパーティメンバーで接近戦が可能なのはティアナ以外全員なのだがカエデもリエルも未だ身体能力のみで戦っている節がある。

普段であればそれで良いのだがシュウが今回やろうとしているのは技術を駆使した戦闘訓練である。

そうなると相手はフィアしかいなくなる。

しばらくはそれでいいだろうがずっと同じ相手では変な癖が生まれそうだ。

そういったこともあって何かいいアイディアは無いかとギルドの受付のお姉さんに聞いてみた。

今回の内容で王都にいる知り合いに相談するとなると、まず魔法学校の面々は除外される。

彼らは魔法がメインで接近戦は不得手なのだ。

冒険者にはそこまで親しい者はおらず、ギルマスでは自分が相手をすると言いかねない。

はっきり言って訓練になる前にギルマスが暴走する未来しか見えないので却下である。

一応面識がある、という点では王も面識があるのだがおいそれと面会することもできないので最初から選択肢に入っていない。

ということで受付のお姉さんに相談しているわけである。


「接近戦の訓練ですか。普通であればギルドの人間が戦闘訓練を行っているのですが・・・シュウさんたちのレベルでは参加しても無駄ですよね」


お姉さんから返ってきた答えはラグスの街でも受けたことのあるギルド主催の戦闘訓練である。

これはお姉さんが言うとおりシュウが参加しても意味が無い。

というかすでにギルド側からお断りされるレベルの強さをシュウが持っているのである。

ヴァレストの戦いは強さよりも経験の差が出てしまったので数を行いたいのだ。

そのことを告げると、お姉さんは何かひらめいたようだ。


「あ、そうだ。シュウさん、実は強者を相手に戦いの経験が積める上に富や名声も手に入るかも知れない方法があるのですが」

「・・・怪しい話なら聞きたくないのですが」


シュウは都合が良すぎると逆に疑いたくなる日本人的感覚を発揮する。

お姉さんは笑いながら説明をしてくれた。


「怪しい話じゃないですよ。実は隣のガルムという国で武術大会があるんですよ。そこに参加すれば様々な相手と戦えますし、上位に入賞できれば富と名声も手に入る、というわけです」


なるほど確かにその通りである。

すると話を聞いていたフィアが会話に入ってきた。


「ガルムって獣人の国のガルムっすか?」

「そうですよ。あれ?もしかしてフィアさんの出身ですか?」

「あ、違うっす。でも獣人として一度は入ってみたかった国っすね」

「そうなんだ。じゃあ大会抜きにしても行ってみる価値はあるかな」

「シュウさん、ホントっすか!?」

「ついでにフィアも大会に参加するといい。きっといい経験になるよ」

「分かったっす!」

「皆もそれでいい?」

「「「はい」」」

「大会に参加するのなら早く向かったほうがいいですね。今からだと丁度開始に間に合うくらいだと思います」

「分かりました。ありがとうございます」


受付のお姉さんにお礼を言ってギルドを後にする。

こうして毎度のことながら今後の予定をアッサリと決めるシュウたちなのであった。


◇◆◇


大会のことを知った翌日、シュウたちは王都を発った。

冒険者としての身の軽さを最大限生かしているシュウたちである。

ちなみにただ向かうだけではなく、ガルムへの荷物を預かり運んでいる。

冒険者ギルドでは登録してる冒険者に依頼という形で荷物の輸送を頼むことがある。

ある程度の信頼度のある冒険者しか任されないのだが、信頼という点ではシュウたちは十分な資格をもっているしガルムにも冒険者ギルドがあるため問題なく報酬も受け取ることが出来る。

特に問題なく荷物を受け取り王都を出発することが出来た。

その荷物もいつも通り収納袋に入れているため嵩張(かさば)ることはないためいつも通りの持ち物で移動できている。

移動手段はギルドから荷馬車を借りる事ができたため、それを使っての移動である。

この荷馬車であるが冒険者ギルドがある場所ならどこに返してもいいのだ。

王都に来た当初はそれを知らずラグスの街から乗ってきた荷馬車を自腹で世話をしていたため知った時は落ち込んだりもしたのだ。

今回はもう知っているので同じミスは犯さない。

ラグスに着いたらすぐにギルドに返却する予定である。

とは言っても移動中の世話はキチンとしないと荷馬車の弁償をしなければならないので手は抜かない。

移動期間であるが順調に行って約2週間ほどになる。

ラグスの街やアルスの村とは別の方向になるため途中で寄る、という事が出来ない。

久々にラグスの街の人々に会いたいな、と思いつつも旅は順調に進んでいた。


「いい天気ですねぇ」

「そうだね。ところでリエルも大会に出る?」

「私はやめておきますぅ。シュウさんたちの応援を頑張りますぅ」

「そっか。まあ、リエルの強さだと手加減とか難しそうだしね」

「そうですねぇ」


リエルの戦闘スタイルだが長物の武器を力いっぱい振り回すのが基本であるため手加減するのが難しいのだ。

もし刃など付いていない武器だったとしても、その大きさ分の質量がまるごと相手に叩き込まれるので大怪我ですまない可能性が高いのだ。

リエル本人もそれを分かっているのか大会への参加は考えていないらしい。

・・・単純に面倒くさがっている可能性も捨てきれないが。


一方、大会に参加予定のシュウとフィアだが、移動中の野営時などに模擬戦を繰り返していた。

シュウの戦い方はバランスの取れたオーソドックスなものであるが、フィアは速度を重視したヒットアンドウェイである。

しかしバランスの取れた、といってもそのバランスがとてつもなく高い水準でまとまっているシュウなのでフィアの速度に全く着いていけない、ということはない。

さすがに速度で勝ることは出来ないため一方的な戦いにはならないのだがフィアの分が悪いのも間違いない。


「ちょ、シュウさん何でうちより早いんすか」

「別にフィアより早いわけじゃないよ。フィアの動きを予測して動いてるだけだよ」

「むう、なんかズルいっす!」


模擬戦を行いながらも会話する余裕がある当たりフィアも順調に強くなっているようだ。

出会った最初の頃など模擬戦をする度に体力を限界まで使い果たしていたためとても会話を直ぐにできる様子ではなかったのだ。

それから比べると僅かでも余裕を持っている今に至るまでの成長の後が見れて取れる。


「ズルいわけじゃないよ。フィアも俺の動きを予測して動けばいいんだ」

「やってやるっすよぉ。・・・そこっす!!」

「はい、残念」


早速とばかりにフィアがシュウの動きを予測して攻撃を仕掛けてくるが、その予測結果はシュウが敢えて見せた隙の結果であり、そこに誘い込まれたフィアの攻撃はアッサリと躱され峰打ちをもらっていた。


「ぐぬぬ・・・」

「フィアの素直さは美点だけど、もう少し相手の裏を読むことも覚えないとね」

「・・・難しいっす」

「ガルムに着くまでまだ時間はかかるしその間に訓練しよう」

「はいっす!」

「主殿、我も混ぜて欲しいのじゃ」


フィアの悪いところを指摘しているとカエデが割って入ってきた。

ちなみにカエデも大会には参加しない。

というか出来ないのだ。

大会の参加資格は冒険者ギルドの登録可能年齢と同じで15歳以上なのだ。

実年齢は違っても見た目が少女のカエデでは参加を見てもらえないのである。

最初こそ拗ねてしまったカエデだがシュウが必死に(なだ)めることでようやく機嫌が直ったのだ。

大会には徒手空拳(としゅくうけん)で戦う者もいるかもしれないのでカエデの協力はありがたいため、勿論相手をしてもらう。


「あ、カエデちゃん。次はうちもお願いするっす」

「任せておくのじゃ」


王都にいる間にカエデへの接し方が元に戻ったフィアもカエデとの模擬戦を申し出る。

3人が代わる代わる戦う様子をティアナは少し離れた場所から見ていた。

大会は基本的に飛び道具禁止な上に、もとより近接戦闘を得意としていない彼女は最初から大会に参加するつもりはなかった。

なので今は参加するシュウとフィアのバックアップに徹するつもりでいた。

とは言っても特に何かするわけでもないのだが。

それでも出来る限りのことはするつもりなのでシュウたちには遠慮なくなんでも言ってほしい、と伝えてある。

その言葉を受けてシュウとフィアは痛く感動し、素晴らしい仲間に巡り会えたことに感謝していたりする。


ちなみにティアナ同様大会に参加しないリエルだが、夕飯を食べ終えると同時に寝入ってしまっているため今は訓練に不参加なのであった。

こちらは正体が女神とはいえその様は物凄く人間臭いのであった。


第4章が開始となりました。

と、ここで本当に投稿がストック分に追いつきました。

時間があるときに書き溜める予定ですが、突然更新できない日があるかもしれません。

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