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魔法の衰退した異世界で魔法剣士をやります  作者: サムガリン
第03章_やりたいことをします
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第19話_薙ぎ払え!です

今回やや無理やりな展開となっております。

ご都合主義展開が嫌いな方はご注意ください。

「おい、ヴァレス。あれ何に見える?」

「・・・答えたくねぇなぁ」


魔族2人がカエデを見上げながら話している。

本来であればドラゴンを目の前にしてそんな余裕を持てるものなどそういないだろう。

やはりこの2人は相当の実力を持っているのかそれとも混乱の局地にいるのか。

そしてこちら側にも呆然としているのが一人。


「 」

「フィアさん。一応敵が目の前にいるのですから意識は保っておいてください」

「はっ!すいませんっす!!・・・ってそうじゃなくて!」

「どうしたんですか、いったい」

「どうしたんですか、じゃないっすよ!どうしてそんな冷静でいられるんすか!?ドラゴンすよ、ドラゴン!!ドラゴンがカエデちゃんでカエデちゃんがドラゴンで・・・」

「あぁ、そのことですか。どうやらシュウもカエデさんも本気のようですね。私も出来る限りのことをします」

「うちも頑張るっす!・・・ってだからそうじゃなくて、どうしてティアナさんは平然としてられるんすか!?」

「まぁ、知ってましたし」

「えっ、いつの間に!?」

「えーっと、ラグスでシュウがカエデさんと戦ったその日の夜に」

「なんでうちには教えてくれなかったんすか!」

「だって酔って寝てしまってましたし」


シュウは背後で繰り広げられている2人のやり取りを聞きながらそういえば未だ教えてなかったな、と考えつつも魔族の方を油断なく見つめていた。

完全に思いつきでカエデに元の姿に戻るように言ったのだがその効果は絶大であったようだ。

軍勢の全てが呆然とカエデを見つめていた。

それもしょうがないだろう。

魔法が使えようが使えまいがドラゴンという存在はそれほどまでに強大なのだ。

・・・自分の仲間にも絶大な混乱をもたらしていることには目をつぶっておくことにしたシュウである。


「さて、まだやるかい?」

「お、おぉ。こ、このドラゴンはあの小さい女の子なのかぁ?」

「そうだよ。昨日お前たちにやられたことを根に持ってるから逃げるなら今のうちだぜ?」

「は、はは・・・。ドラゴンと戦えるなんて俺様もついてるぜぇ!さぁ、やろうぜドラゴンさんよぉ」


言うが早いかヴァレスが自分の剣を抜き放ちカエデに斬りかかっていった。

かつてシュウが同様に刀で斬りかかった時は全力の身体強化と武器の強化を行い、かなり弱ったカエデをようやく斬り裂くことが出来たのだが、今のカエデは全快状態だ。


『この状態になれば貴様ごときの攻撃なぞ効かん』

「なぁ、嘘だろぉ!?」


ヴァレスの攻撃はいとも簡単に弾かれた。


「ヴァレス、ドラゴンに物理攻撃は効かん。魔法で攻めろ!」

「・・・そぉいえばそうだったねぇ」


ローブの人物がヴァレスに対してアドバイスを与える。


『ふむ、確かに剣よりは魔法のほうが厄介じゃのう』

「クハハハ、じゃあこれでも喰らいなぁ」


アドバイスに従いヴァレスが魔力を練り上げ周囲の地面を塊にして飛ばしてきた。

元はそのへんにあった土や石とは言え魔力によって操られることによりそれは魔法として充分な威力を発揮する。

普通であれば、という言葉がつくが。


『・・・その程度か?』

「嘘だろぉ」


カエデの体表に当たった瞬間大した効果も発揮出来ず魔法は力を失ってしまう。

予想外過ぎる出来事にヴァレスだけでなくアドバイスを与えたローブの人物も絶句しているようだ。


『そもそも我らドラゴンは魔力を喰らう存在じゃ。この程度の魔法に込められた魔力など一瞬で吸い付くせるわ』

「おいおい、どうやって倒せばいいんだよぉ・・・」

『やるなら主殿以上の魔法をぶつけてこんかぁ!』


厳密に言えば念話であるカエデの叫びだが魔族の軍勢は衝撃をぶつけられたように後退った。


(そういえばカエデに雷槍(らいそう)を当てた時もすぐに完全な効果を発揮する前に魔法が消えたよなぁ。あの時は上手く制御できなかったからだと思ったんだけどそういう仕組だったのか)


本来の姿に戻ったカエデが予想以上に強すぎたので最早傍観モードである。


(というか俺よくカエデに勝てたよなぁ・・・)

『それはの、主殿』

「うおっ、俺声出してた?」

『いや、これは念話だから声にせんでも言いたいことは伝わるわい』

「そ、そうなんだ。というかこっちと話してて大丈夫なのか?」

『問題ないわい。それであの時なのじゃが、そもそも我は空腹、つまり魔力が不足していた状態だった。そして主殿の強力な魔法を連発で喰らい弱っていた所にあの雷じゃ。さすがの我でもあれは喰らい尽くせんわ』

「そうなんだ。それで魔族の魔法はどんなもん?」

『うーむ。確かに強力だが主殿には負けるのう』

「でも油断しないようにね」

『わかっておる。それに約束もきちんと守るぞい』

「それでよろしく!」


会話を区切るとカエデは凝りもせず魔法をぶつけている魔族の方へ向き直るとおもむろに口を開く。


「おぉ、ブレスを吐くつもりかい?でもただ炎を吐くだけじゃあ俺様たち魔族には効かないぜぇ」

『確かにただの炎ではこの軍勢が本気で防御壁を張れば我のブレスであれば防げるだろうの』

「そうだろぉ。そっちの攻撃をしのぎつつデカイ魔法をぶつけてやるぜぇ」

『確かにそれはドラゴンを相手にした場合の正攻法じゃ。・・・以前の我であれば有効だったであろうな』

「へ、強がり言ってられるのも今のうちだぜぇ」

『どちらが強がりかのう。では行く・・・ぞ!』


キュン・・・ボッ ギャアアアァァァ


カエデが宣言した瞬間、カエデの口からは炎ではなく赤い光、としか表現できない何かが飛び出し魔族の障壁を突破、地面に着弾しクレーターを生成した。

それに伴い着弾地点付近にいた魔族が吹き飛ばされ少なく見ても10人以上が戦闘不能に追い込まれていた。

それを何の反応も出来ず見ていたヴァレスが口を開く。


「・・・おいおい、今のはなんだぁ?」

『お主が言っておった通り我のブレスだ。しかし思ったより威力があったの。危なく死人を出してしまう所だったわい』


カエデの言うとおり魔族側で派手に吹き飛んだ者はいても死んだものはいない。

これはシュウとカエデが小声で話していた時に言われたことで可能な範囲で死人を出さないことを言明されていたのだ。

仲間の命が危ない時はその限りではないのだがこの状況になってはその心配がない。


「なんだよぉ、なんでだよぉ。俺様たち魔族は魔法が使える最強の一族なんだぁ。それがドラゴンとはいえたった1匹にぃ」

『お主らの敗因は自分の力に溺れ鍛錬をしなかったことだろう。その証拠に見ろ。お主の仲間たちはたったの一撃で気絶するか逃げ出しておるではないか』

「うるさいぃ!そもそも何でドラゴンが人間と一緒にいるんだよぉ」

『それは我が主殿と戦い負けたからじゃ』

「はぁ!?お前に勝っただとぉ?」

『そうじゃ。主殿は我と単身戦い強力な魔法で我を地に伏せさせたのじゃ』


カエデの言葉にヴァレスはシュウの方を見てきた。


「お、お前がそこまで強大な魔法を使えるだとぉ。ふざけるなぁ!」


どうやら魔法に付いては相当の自信があるようだ。

その点について自分たちより優っていると言われたヴァレスが憤り標的をシュウに変えてきた。

剣を抜き放ちシュウに襲い掛かってくる。

それに合わせてシュウも刀を抜き迎撃する。


「カエデ!あと皆も魔族の軍勢を抑えて!俺はこいつを何とかする!!」


実際カエデへの攻撃を見ていると一番強力な魔法を放っていたのはヴァレスなのだ。

カエデ以外で相手が出来るとすれば自分だけだろう。

こちらに向かってきてしまった以上カエデのブレス、というか最早レーザーと言うべき威力なので攻撃は難しいだろう。

そのためシュウが相手をするしかない。

カエデのドラゴン化でこちら優勢になりつつあった戦闘だがヴァレスが調子づくと厄介なため何とか抑えておきたいシュウである。

昨日は押されっぱなしだったが今日は最初から覚悟を決めているので遅れを取るつもりはない。


「お前を倒せばドラゴンより強いってことなんだろぉ。俺のためにさっさと死ねぇ!」

「誰が死ぬか!さっさと諦めて帰れ!!」


こうして昨日のリベンジマッチが開始されたのであった。


カエデ無双でした。

レーザーを撃ちだすのは登場時から考えていたのですが登場があまりに急となり反省しております。

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