第11話_検証します
一昨日、1話飛ばして投稿していたことに気づいて第09話を割り込み投稿掛けたので、昨日は新着表示されませんでした。
もし、9話を読んでいない方がいらっしゃればそちらから読んでいただけるとありがたいです。
「えーと、落ち着いたか?」
「ええ、なんとか。見苦しいところをお見せしました」
なんとかティアナを落ち着かせたシュウは先程見たティアナの魔法と自分が火を出した時にしたイメージについて考えた。
(どちらも見た目は火だった。
でもティアナのはロウソクについた火のようなゆったり感じだったよなぁ。
それで俺のはガスバーナーをイメージしたから形もガスバーナーのそれっぽかった。
・・・そういえばティアナの火はどこか違和感があったような?)
「ティアナ、悪いんだけどもう一度火の魔法を見せてもらえないか?」
「いいですけど・・・あなたがすごい火力の火を出したあとでは出しづらいですね」
「頼むよ。俺の考えが正しければティアナの火魔法も威力が上がるし」
「火よッ!これでいいですか!?さぁ、威力の上げ方を教えて下さい!!」
「ち、ちょっと待ってね?」
再び興奮し始め、口調が怪しくなってきたティアナをなんとか宥め、シュウはティアナの火魔法を観察する。
(ふむ。確かに見た目は火のそれだけど全く揺らぎを感じないな。
それに火の色にムラもない。なんというか作り物みたいだな)
「ありがとう、ティアナ。もう消してもらってもいいよ」
「そうですか?では威力の上げ方を教えて下さい」
「えっと、もう少し待ってね」
シュウは再度自分で火魔法を使ってみる。
ただし今度はティアナの火魔法と同じ位の見た目になるように酸素の供給を調整するイメージで行う。
先程と同様に成功し、威力は控えめだが熱量は本物の火と同等である。
(よし、ここまでは成功。あとは実験だな)
シュウは自分の指先で燃える火を観察し、息を吹きかけてみる。
火は揺らぎ色も一定ではなく普通に燃える火と同じであった。
試しにとそのまま空気の供給量を多くするイメージをしてみる。
(お、途中でイメージを変えても結果が変わるのか。あとは・・・)
火を消してから検証の仕上げにティアナに対して質問する。
「ティアナ、君は火魔法を使うときにどんなイメージをしてる?」
「どんなイメージって普通に火を思い浮かべてますよ?あの形と色と熱を。
形と色は見た目で再現出来ますが、熱に関しては本物の火に熱くて触れないのでイメージしづらいんですけどね。
あなたはどうやってイメージしてるんです?過去に火に包まれたことでも?」
「あるわけないだろ、そんな恐ろしい経験!」
「それではどうやってそれほどのイメージを!?教えて下さい!さあ、さあ、さあ!!」
あまりの剣幕にこの子興奮するとずいぶん性格が変わるなぁ。こっちが素かな?などと現実逃避しつつもティアナの質問に答える。
「えっと、まずは指先に燃える火をイメージして、その後空気を供給するイメージするんだ。
さっきも言ったけど、空気の中には物が燃えるために必要な物の例が酸素ってやつ。
ティアナのイメージだと形はそれっぽく出来るけど熱量には限界があるでしょ?
俺のはイメージだけで燃やしてるだけじゃなくて実際の燃焼と同じようにしてる点が違いになるんだと思う。
熱の差はそれが原因かな」
そこまで聞くとティアナは崩れ落ちた。
「そ、そんな。私が必死でやってきたイメージが間違っていたというのですか」
「そんなにショック受けなくても。それに最初は俺に威力の上げ方を教えてほしいって言ってたじゃないか。
そこで違う方法を示される可能性もあったんだからそんなに落ち込まなくても・・・」
「魔力のつぎ込み方や効率だと思ってたんですよ。
それがまさかイメージが違っていたなんて・・・
魔法が使えるまでイメージを練り込むのにどれだけ大変だったと思っているのですか。
そうですか、イメージですか」
「えっと・・・ごめん?」
自分が謝ることなのか疑問に思いつつも一応謝罪してみるのは日本人の悲しい性か。
「いえ、いいのです。それよりあなたの魔法イメージをもっと教えて下さい」
「いいけど最初に比べると性格がだいぶ変わったね?落ち着いた雰囲気だと思っていたけど」
「ッ!?ごめんなさい!冒険者っぽくクールにと思っていたのだけれどたまに昔みたいに戻っちゃうんです」
「普通の方でいいと思うよ?さっきまでの方が素っぽくて可愛かったし」
「ッッ!?そ、そんなことより魔法のイメージを教えて下さい!!」
「あはは、わかったわかった」
顔を真赤にしながら急かしてくるティアナをシュウは可愛いと思いつつも魔法のイメージについて話し始める。
一応シュウの名誉のために言っておくと特に下心があっての発言ではなく純粋に思ったことをそのままの発言だった。
シュウはまず火の魔法について詳しく説明した。
「いいかい?まずは指先に火を灯すイメージだ。
これはティアナがさっきやっていた通りで問題ない。
問題はこの後だよ。俺の場合は火の根本から空気を吸引させる感じでイメージしてる。
吸引させた空気がそのまま燃えて火になるイメージ。
で、その形をなるべく明確にするんだ。ゆっくり燃えるか激しく燃えるか。
その形によって吸収させる空気の量を変えるようにする。
これだけだよ?」
厳密に火が燃える原理は違うと分かっているが大体のイメージで魔法が発動し、威力も現在のどの火魔法より強いのでこれでいいか、と考える。
ティアナは説明を受けながらも必死にイメージを自分のものにしようとしているようだ。
指先に灯した火を凝視しながら空気を取り込むイメージを試行錯誤しながら行っている。
(さて、ティアナの方は何か聞いてくるまで放置でいいかな。しかし、思ったより魔法って簡単なんだな)
ティアナが他人の思考を読めるのであれば即文句を言われるようなことを考えつつシュウは自分の魔法をさらに検証してみることにした。
(さっきは指先からだけだったけど今度は掌から出してみようか。ただ燃やすだけじゃなくて球状にして火球にしてみよう)
「・・・火よっ!」
そうしてシュウの掌から火球が生まれる。
(ふむ、これも出来たか。じゃあ次は、と)
掌に生まれた火球を少し離れた位置にある少し大きめの岩に向けて飛ばすイメージをしてみる。
すると火球はシュウの元を離れ岩に向けて飛んでいくが、着弾と同時にフワッと広がり表面を多少焦がす程度で消えてしまう。
(うーん、これでも火傷程度は負わせられそうだけどもうちょっと威力が欲しいな)
再度火球を生み出し先程やってみたのとは別のイメージで飛ばしてみる。
ドンッ!
シュウの手を離れた火球は岩に着弾すると爆発を起こして消える。
岩の方は形を保ってはいるものの大きくえぐれており火球着弾の威力を物語っている。
(うん、満足!でも威力は調整しないとモンスター相手にはオーバーキルかもな)
と自分のやったことのこの世界での異常さには気づかず、満足気な表情を浮かべていると指先に火を灯す練習をしていたティアナが呆然とした表情から目をキラキラさせながらシュウへと近づき、
「もちろん今のも教えてもらえるんですよね?」
「あー、うん。指先の火のイメージが出来てからね?」
「ではこれからしばらくお願いしますね」
いつのまにかしばらく練習に付き合うことになっていることに苦笑しつつも了解するシュウ。
お互い教える側が逆転していることには特に触れないようである。
現代知識と魔法を組み合わせたら凄いことになるというテンプレに沿っています。
ただ、作者に知識が不足しているのでご都合主義の部分が大半です。




