第09話_ランク昇格試験を受けます
すいません、ミスって1話飛ばして投稿していました!
昨日第10話を読まれた方々、申し訳ありませんでした。
ティアナから魔法について大演説を聞いた翌日の朝一でシュウは無事依頼の達成をギルドに報告出来ていた。
その際に昇格試験を受けるかどうか聞かれてもちろん受けることを選択したのであった。
日程としてはちょうど午後から受けれるということで昼過ぎにギルドに顔を出すように言われたのだ。
昼食を食べた後ギルドに行くと試験を受ける者はギルド裏手の訓練場に行くように案内される。
この訓練場だが冒険者が自身の鍛錬に使ってもらうためにに無料で開放されている。
しかし未だ街中での依頼しか受けられない上訓練と言ってもなにをすればいいのかよくわからないのでシュウはこの訓練場を使ったことが無かった。
ちなみにシュウを保護したアラン達草原の狼だがシュウからお願いされればこの辺の訓練も受け持つつもりでいるがシュウが遠慮して何も言わないのでFランクに昇格して街の外に出るようになってから声をかけるつもりでいたりする。
アラン達はあまり深く考えたりしない性格だが一度決めたことに対する責任感は強いのである。
さて、訓練場に初めて入ったシュウだが、自分以外の受験者を見ながらも今から行われる試験を少し楽しみにしており大事なことまで考えが及んでいなかった。
それは試験内容に模擬戦があるということである。
前日ティアナと話しているうちに試験の内容についても教えてもらっていたのだがその他の魔法の話が濃すぎて記憶に残っていなかったのだ。
そうしていると試験官らしき人物が訓練場に入ってきた。
「よし、全員揃っているようだな。それでは試験を始める前に内容について説明する」
試験官の説明によると試験内容は主に3つ。
ひとつは冒険者として街の外で活動するための知識を得るため講習を受けること。
もうひとつは訓練場内を走って周回し、いざというときのため体力を測定すること。
そして最後の一つが試験官との模擬戦である。
ステータスである程度は把握できるが、それが実戦で活きるかどうかは別問題なのでそれを見るということであった。
シュウはその説明で模擬戦の事を思い出し今更ながら焦り始める。
(あ、ヤバイ。模擬戦なんかやったことないぞ・・・)
チートな能力こそ持っているもののシュウは日本で普通の高校生をしていたのだ。
いざ戦えと言われてすぐ出来るわけがない。
最悪今回は落ちることを覚悟しつつ出来る限り頑張ろうと気持ちを切り替えるのであった。
最初の講習だが、これは試験というよりも街の外では気を抜くな、という警告のようなものであった。
次の試験の体力測定は装備をつけたまま訓練場を10周して走りきれば合格というチートな身体能力を持っているシュウにとっては簡単な部類である。
この2つは短期的な戦闘力しか持たない冒険者が街の外に出てモンスターとの戦闘で持久戦の結果力尽きることを最低限防止するための試験でもある。
シュウはこの2つを特に問題なくクリアした。
さて、問題の模擬戦である。
これはいくら知識と体力を持っても冒険者として戦う力がなければ自分の身だけでなく周囲も人々も巻き込みかねないので昇格試験としては一番重要な項目である。
重要な項目だが試験としては難しい内容ではなく、木剣をしようし試験官と1対1で戦うのみとなっている。
ただし、試験官も元冒険者でありFランクに上がろうと試験を受けるような駆け出しには勝つことは難しいので、試験官に戦う力があると判断されればそれで合格である。
さて、試験が始まると他の受験者が順番に試験官と戦っていく。
木剣を使っているため受験者は遠慮なく試験官に攻撃していくが試験官は躱すか軽く受け流してまともに当たるようなことは一度もない。
どうやら試験官は自分から攻撃はしないようだが、受験者の攻撃を受け流しながらもアドバイスをしているようだ。
受験者がアドバイスを受けてそれを実践し、更にアドバイスを受ける。
そうして何度か繰り返すと試験結果を聞かされるようだ。
ここまでまで残ってこれた受験者だとこの内容で落ちることはほぼないようだ。
駆け出し冒険者が受けれる依頼の範囲で強いモンスターと戦うようなものはない。
なので本当に最低限戦う力を示せれば合格となり、あとは冒険者各自の努力次第ということのようだ。
(俺はその最低限があるのかどうかも怪しいんだよ)
シュウの不安はなくならない。
しかしシュウの順番がきてしまい木剣をもって試験官と対峙する。
「さて、お前で最後だな。よしかかってこい」
(とりあえず今出来る全力で行こう。そして次頑張ろう)
後ろ向きな思考で試験官に向かっていく。ただし全力で。
ここに来て試験官が初めて焦ったような表情を浮かべる。
シュウはほかの能力の残念さで少し過小評価しているが女神からもらった身体能力は紛れも無くチートレベルなのである。
試験官としても少し体力のある新米だな、程度の認識だったがここに来て大きく考えを改める。
体の動かし方や太刀筋はメチャクチャだがその速さが異常なのだ。
完全に身体能力任せの一撃。
試験官はこの模擬戦中初めてまともに防御することを選択した。
だがそれは完全に正解とはいえず、多少油断していたところから剣を合わせるまではなんとかなったが速さの乗った攻撃であったため完全に止めることは出来ずに体勢を崩されてしまう。
しかし元冒険者としての意地か単なる反射か、崩された体勢から木剣を振るう。
そう、これまたこの模擬戦中初めて攻撃を行ったのだ。
その攻撃に対しシュウはもちろん何も出来ない。
正確格には何も出来ないわけではなく、攻撃が来ていることはわかっていたし、体も反応できていたのだがあまりに一瞬のことでどうすればいいか分からず固まってしまったのだ。
内容はどうあれ何も出来ないので結果は胴体に木剣を叩き込まれることには違いなかった。
「ぐっ」
「あっ。す、すまん。いい攻撃だったのでつい反撃してしまった。大丈夫か?」
「いててて。大丈夫です。攻撃が来ることは分かったんですがどうすればいいか分からなくて体が固まっちゃって・・・」
「ほう、俺の攻撃が見えたの言うのか。中々有望そうなやつだ。よし、お前も合格だ」
「まともに攻撃受けちゃったんですけど良いんですか?」
「あぁ、というかそもそも俺は攻撃しないつもりだったからな。
お前は体の動かし方こそメチャクチャだがそれでも最初の攻撃は素晴らしかった」
「いやぁ、必死だったので自分のどこが良かったのかよくわからないんですよね」
「ふむ。ギルドでは駆け出し冒険者向けに戦闘訓練を行っている。
お前さえ良ければ受けてみるといい」
「ほんとですか?それなら是非受けさせていただきます」
「うむ。その時は俺がお前の相手をしてやろう。
正直に言うとお前の攻撃に対してギリギリだったのでな。
俺自身も鍛え直そうと思ったんだ」
試験官から何やら高評価をもらえたがシュウとしては貰い物の力であることはわかっているし、まともに防御できなかったという事実もあるので素直には喜べない。
しかし合格は合格なのでシュウのランクがGからFに上がったのだった。
それと同時に今まで木製だったギルドカードが銅のものと交換になった。
どうやらランクが一定まで上がるとカードの材質が変わるらしい。
こうしてシュウは無事に街の外での依頼を受けれるようになりティアナとの約束で魔法を教えてもらうこともできるようになり、本格的な冒険者生活のスタートとなる。
この後シュウはアランたちに昇格を報告してまたしても奢りで宴会を開いてもらうことになり、早く稼げるようになってお礼をしたいという気持ちを強めたのは言うまでもない。
無事にランクが上がりました。
戦闘描写は初めてで読みづらかったらすいません。




