顔から産まれた男
初投稿ですが、思い付いたので、書きました。お恥ずかしい限りです。どうか読まないでくれると、嬉しいです。
橘邦夫は今日も朝早く起きて、鏡に映る自分を見た。7歳から続けている彼独自の習慣である。非常に美しい顔立ちで、生まれてきた彼は、現代の光源氏だと邦夫の母は彼を溺愛した。
今日は、会社面接で、いつもより引き締めていかねばならないと、ネクタイが言った。
ズボンは俺には微妙なシミがついているから、そいつを履いていけと言った。背広はバッチリ埃も付いていませんぜと自信満々に言った。
衣類から祝福される事から彼の1日は始まるのだ。
面接が始まって、邦夫は礼儀良く応じていると、面接官のおじさんが、厭らしい目を向けてきた。女性の面接官も邦夫にその視線を浴びせる。早速邦夫におの顔に見惚れたのだ。
当然内定を貰えたが、邦夫はそれを破り棄て、首を吊って死んだ。
白紙の遺書が、残っただけだった。
いう事があれば言ってください。所詮、道楽ですから。