犬を飼いに
あまり興味がなさそうな兄だけど、やっぱりというか、自分がお金を出すということになれば話は違うようだ。
兄の車に乗せてもらい、私も一緒にペットショップへと行く。
入るなり、すぐに兄は子犬コーナーに駆ける。
実は私の誕生日プレゼントとして、子犬を飼ってもらうことになったのだ。
両親から許可を得るとすぐに私は兄に言った。
ため息交じりの兄であったが、親が許すのであれば、ということと、ちゃんと世話をするということで、兄が買うことを許してくれた。
「ほら、ここから選べよ」
そういって私に見せてくれたのは、いろいろな犬種の子犬だ。
その中で、ひときわ目を引いたのは、大きな白い犬だ。
「くばーず?」
「ああ、クバーズか。もともと東欧の生まれらしいな」
兄が私が目を留めてつぶやいたことに反応して、ちらっと説明書を見ながら話す。
「ハンガリー生まれなんだ」
私が携帯で検索すると、すぐに出てきた。
それによると、寿命はだいたい9~12歳。
番犬にもってこいの犬種らしい。
「いいんじゃないか」
値段を見て、財布を確認して、それから兄が言った。
「じゃあ、この子にする」
私は兄に言うと、私の気が変わらないうちに店員さんを呼んだ。