100円玉
某SNSに日記として投稿したら読者の方に
『短編小説みたいだね』
と言われたのを思い出して初めて投稿してみました
さっき知らない街で100円玉を拾った
待ち合わせの時間まで1時間あったので降りて駅を探索することに
なかなかの田舎で周りには気軽に入れる店もなく参っていたところに一軒ポツンとあった自営のカフェに入ってみた
そこでさっきの100円玉をポケットに入れようと手を突っ込んだらタバコをどこかに落とした事に気がつく
最近はタバコに対して執着してなかったからこれを気に止めようと思った
前の俺なら
『100円拾ったと思ったらタバコ無くしてた…俺ってイイ事が起こると必ず悪い事が起きるんだよな…』
だったけど今は
『100円を拾ったおかげでタバコを辞められるなんて今日はいい一日だ』
と捉えられる事が出来た
店内に流れるBGMが小気味よく聴こえてくる
全ては捉え方次第、どんなとこにヒントがあるか分からないから日々の生活って一瞬足りとも気が抜けないんだなーとか改めて思いながらポケットから100円を取り出して眺めてみた
俺の生まれた年が100円には刻まれていた
これも何かの縁なのかとか思う
もしかしたら俺みたいにこの100円を拾うことによって何か良い事が起きる人がいるかもしれない
それは俺と同じようにタバコを止めるキッカケかもしれないし、小学生だったらお菓子でも買えばいいし
幸せのおすそ分けってわけじゃないけど、わざと100円を落としてみることにした
拾った人に幸せがありますようにと願いながら
店を出て100円を放り投げた
100円は転がって排水溝の入口に入っていった
それを見て俺はすぐにタバコを買った
サイフの中の小銭がちょうど100円足りなかった
生活の中で起こる些細な出来事に意味を見出だす事は自分の生活レベルの向上に繋がっていくと思いますが結局、意味を見出だすのは自分だからどうしても都合良く捉えてしまいがち(少なくとも自分の場合は)
些細な事ですが、そうした自分への戒めの意味も込めて日記として更新したのが今回の作品です