Eルート 側面からの攻撃
◆ Eルート《紅の道》
選択:側面からの反撃
エルドは刹那、直感に従った。
正面から炎撃を受ければ命はない――その確信が、彼の体を自然と横へ跳ねさせた。
右足を蹴り、炎撃の発射軌道から外れ込む。
背後で広間が炸裂し、石床が真っ赤に焼けただれる。
だが、エルドの意識は極端に研ぎ澄まされ、恐怖すら薄膜の向こうに隔てられていた。
魔獣 《ガルラル・ハウンド》の側面が開く。
黒い甲殻の継ぎ目、脈打つ赤い光。
導きの欠片が足元で淡く揺らぎ、まるでそこが“弱点”だと指し示すようだった。
エルドは息を吸い、剣を閃かせる。
刃先が甲殻を裂き、火花が散った瞬間――魔獣は低くうめき、たたらを踏んだ。
好機は、短い。
エルドは二歩、三歩と踏み込み、体重を乗せた連撃を叩き込む。
甲殻に傷が刻まれ、赤い光が濁ったように脈動する。
咆哮とともに魔獣は巨体を揺らし後退したが、その動きには明らかな乱れがあった。
そして――
ガルラル・ハウンドはついに片膝をつき、広間に落ちる影が揺れた。
だが、完全には倒れていない。
あくまで「道を阻む力が弱まった」だけだ。
エルドは剣を構えたまま、荒い息を整えた。
その足元で、導きの欠片がふたたび脈を打つ。
祝福ではない。
注意の鼓動だった。
広間の奥――
赤黒い霧が晴れ、その向こうに別の何かが動いた。
まるで「次の段階」が始まる合図のように。
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◆ 選択肢
❶《番獣の影》を調べる
ガルラル・ハウンドの背後に落ちている影がうごめいている。
それは魔獣が“守っていたもの”なのか――あるいは別の試練か。
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❷《赤黒い霧の奥》に進む
霧が裂け、新たに現れた通路は、紅の道の“本当の試練”に続いているようだ。
温度が下がり、逆に不気味な静けさが満ちている。
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❸《倒れた魔獣に止めを刺す》
弱ったとはいえ魔獣は祠の守護者。
止めを刺すことで何かが“解放”される可能性があるが、危険を伴う選択。




