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エルド奇譚:迷宮の祠と真名の石  作者: VIKASH
第六の試練

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「銅」―《青銅の錆びた戦道》

◆ 正規ルート ― 「銅」


青銅(せいどう)(いくさ)(みち)



 足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

 霧は薄れ、代わりに金属の匂いと、古い血の記憶が肺を満たす。

 青銅の道は荒れ、無数の刃痕と盾痕が刻まれている。

 華やかさはない。だが、確かに「進め」と告げていた。


 散乱する剣、砕けた盾、歪んだ鎧。

 それらは敗者の遺物ではなく、通過者の証だった。

 道そのものが、戦いを肯定している。


 進むにつれ、青い錆が淡く光り始める。

 地鳴りのような振動が足元から伝わり、壁に刻まれた古文字が反応した。

 剣は力を、盾は選択を、鎧は覚悟を――

 それぞれが、別の未来を示唆している。


 突如、道が途切れ、円形の闘域が現れた。

 中央には、低く構えた人型の影。

 水色の光を放つ装甲は滑らかで、関節は静かに稼働している。

 赤い眼光が一点に収束し、視線が心臓の奥を射抜いた。


 威圧でも敵意でもない。

 直接、内側へ響く声。



『敵か味方か? 武器を選べ』



 剣、盾、鎧――

 散らばる三つの影が、同時に微かに震えた。

 青銅の戦路は、ここで真の意味を露わにする。


 だが、これは決着ではない。

 選択は、まだ始まったばかりだ。



---



◆「青銅剣」ルート


 青銅の刃に手を伸ばした瞬間、闘域の空気が鋭く張り詰めた。剣は重く、だが扱いにくさはない。幾度も握られてきた形が、自然と腕の動きを導く。歩を進めるごとに床の紋様が反応し、過去の戦痕が淡く発光する。剣を選ぶことは、進行を止めない意思そのものだった。回避ではなく、突破。防御ではなく、切り開く覚悟。刃はまだ振るわれていないが、空間はすでに戦いの位相へ移行している。剣先の向きが、次の局面を定義しつつあった。



---



◆「白銅盾」ルート


 白銅の盾は、想像よりも軽かった。構えた瞬間、闘域の圧力が分散され、周囲の情報が鮮明になる。床に刻まれた裂傷、壁に残る衝突痕、鎧の破片が示す方向性。盾は受け止めるための道具ではなく、判断を遅らせるための余白を生む。前に出るのではなく、崩れを許さない姿勢が空間を安定させる。攻勢はまだ始まらないが、流れは確実に制御下へ置かれていく。盾の角度が、選択肢の配置を静かに組み替えていた。



---



◆「ニッケル鎧」ルート


 鎧は体を覆うと同時に、感覚を変えた。外界の衝撃が減衰し、内部では脈動だけが明瞭になる。動作は遅くなるが、安定性は増した。鎧に刻まれた微細な線が呼応し、闘域全体と同調を始める。耐えるためではなく、長く立ち続けるための選択。剣や盾が局所を変えるのに対し、鎧は時間の流れそのものを引き延ばす。消耗と継続、その両立を前提に据えた進行が始まり、環境は持久戦の相を帯びていく。

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