「軸」―《すべてを貫く基準の確立》
◆「軸」ルート
―― すべてを貫く基準の確立
第三の枝は、曲がらなかった。
斜めにも逸れず、金にも影にも寄らず、ただ一本の線として、大樹の中心を貫いて伸びていく。分岐を内包した王家の構造は、その瞬間、静かに再編された。多様な枝は消えない。だが、それらはもはや互いに迷走しない。すべてが、この一本の“軸”を基準として位置づけられる。
軸は、正しさを一つに還元するものではない。
むしろ、それぞれの違いを測るための座標となる。
金の枝は、守るために。
影の枝は、耐えるために。
第三の枝は、変わるために。
それらは同時に存在しながら、決して同一化されない。
ただ、どの選択がどの未来へ通じるのかを、世界は初めて明確に認識できるようになる。
王家は、完成したのではない。
迷いを失ったのでもない。
ただ、“迷い方”を得た。
軸が示すのは答えではなく、距離であり、方向であり、重みだった。
一歩踏み出すごとに、どれほど世界を変えるのかが、誰の目にも見える形となる。
その透明さが、王を神話に変えることを防ぎ、同時に、王を逃げ場のない存在へと変える。
この世界では、選択は曖昧にできない。
だが、消されもしない。
すべての枝は残り、すべての可能性は保存される。
ただ、それらは“どこへ向かうか”を常に照らされながら、伸び続ける。
大樹は静かに安定する。
揺らがないのではない。
揺らぎが、構造として制御される。
王家はもはや、運命に翻弄される存在ではない。
かといって、運命を支配する存在でもない。
未来は開かれている。
しかし、その重さから逃れる道は、どこにもない。
世界は、前へ進むことを選んだ。
迷いを抱いたまま、だが、決して見失わずに。
《アナザーエンド》




