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怪しい人物

 金曜日の午後。生徒会としての初めての委員会が行われた。通常は学校の行事などの運営や、運営会費の予算や管理などを行うが――前回同様、私達は今回もルパート先輩の話をしていた。


「ルパート君を襲った犯人の目星はつきましたか?」


 マルク先輩は、ルパート先輩のことが心配なのか目に涙を溜めながら殿下へ聞いていた。


「まだ何も……。先輩も混乱されているのか、事件前後のことは何も覚えていないというのです」


「え? ルパート君は、まだ学校にいるの?」


「ここだけの話ですが、体調が良くなるまで寮とは別の部屋に匿われています。移動できるまで回復したら、伯爵邸の者が迎えに来ると聞いていますが――警備上、場所を教えるわけにはいきません」


「いや、無事ならいいんだ。あの――もしかして、私達も疑われてる?」


「そんなことはありませんが――ルパート先輩は、ああ見えて学年委員で成績も優秀です。誰かに襲われたのなら、気を許している相手なのではないかと思いまして……」


「私なんだ……」


 マルク先輩と殿下が話していると、隣でそれを聞いていたルメイル先輩が呟いていた。


「え?」


「ルパート君に、庭に不審人物がいるって言ったのは――まさか、襲われるなんて思ってもみなくて……」


「ルメイル先輩は、なぜルパート先輩が庭で襲われたと思ったのですか?」


「だって、放課後に三人で調べてたじゃないか」


 ジルの質問に、ルメイル先輩はたじろいでいた。


「……あくまで調査の一環で、庭で襲われたわけではありあません」


「そうなのか?」


「まだ何も分かっていないので、それ以上は何とも……」


 殿下がそう言うと、マルク先輩は殿下へ調べたことを報告していた。


「不審な動きをする先生を見たという人は、いませんでした。ただ星読みの先生であるロゼッタ先生が夜中に屋上で何かをやっていたという目撃情報がありました。大方、星を見ていたものと思われますが……」


「ロゼッタ先生か――屋上からだったら中庭を見渡せるし、何か見ていないか聞いてみようか」


「殿下、それなら教頭も怪しいですよ。夜中に見廻りと言って、校舎を見て廻っているそうです」


 ルメイル先輩の話に殿下はうなずいていた。


「教頭先生から話を聞くのは、少し難しそうだけど――明日にでも二人に話を聞いてみようか。マルク先輩、ルメイル先輩、ありがとうございます。引き続き調査をお願いします」


「分かった」


「ルパート君は友達なんだ。当然だろう」


 二人の話が終わったところで、春に行われる行事の話に移り、委員会らしい話がはじまったのだった。




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