表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/81

図鑑

 アンナは丸い円盤の魔術具を覗くと、魔術具の横についているボタンを操作して何かを確認していた。


「そう、その花の図鑑を借りたいんだ。もともと、学年委員で花壇を作ろうかみたいな話があってね」


「余計なことかもしれませんが――それは、園芸委員のお仕事では?」


「……」


「他の生徒から新種の花を卒業生に送りたいという意見があったのよ。これは、ここだけの話なんだけど入学式のフラワーシャワーに感激した一年生がいてね。二年生が卒業するときに内緒で作って送りたいけど、園芸委員が委員会で作っていたら二年生にばれるからって言われて、私達が作ることになったのよ」


「そう。分かったわ――ちょっと待ってて。近くにあるから、取ってくる」


「ありがとう」


 私がお礼を言うと、アンナは笑っていた。殿下の嘘も大概だったが、私の説明も訳が分からなかったと思う。


「殿下……」


「すまない」


「いえ、結果的に借りられることになって良かったです」


 ジルの無言の攻めに屈した殿下は私達に謝っていた。ルパート先輩を助けるための嘘だから仕方がないとは思いつつも、少しばかり罪悪感を感じてしまう。


「お待たせ。この本だけど――殿下のカードでよろしいですか?」


「ああ、よろしく頼む」


 文学の授業の時に作ったカードを殿下がアンナに手渡すと、アンナはカードをカウンターの中にある魔術具に本を翳していた。黄色と青の円盤が横並びに置かれており、黄色い円盤のような道具の上に翳すことによって、貸出登録完了になるようだ。


「はい、完了です。貸出期間は2週間ですから、期限内に必ずかえしてくださいね」


「分かった、ありがとうアンナ」


 殿下がそう言うと、アンナは顔を赤くしていた。


「いえ……」


 殿下は普通にしていれば、かっこいいんだけどな──などと、その時の私は失礼なことを考えていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ