情報の制限
「先輩。お気持ちはありがたいのですが、いろいろと事情が――犯人にばれるわけにもいきませんし、私達も秘密裏に動かなくてはならないのです」
「生徒会で、事件解決するんだろう?」
「はい――ですが、私たちで必ず探し出してみせます。危険なので、先輩方は出来れば情報を集めていただけると……」
「危険って――私たちは先輩なんだぞ? ああそうか。魔力700と800と1000超えだっけか? 私達では力不足だと……」
「そうではありません。ここだけの話ですが、犯人は教員の可能性が高いということが分かっています。私達が怪しい行動をしていれば、犯人は警戒して鳴りを潜めてしまう可能性があります」
「教員って――さすがにそれは……」
「校長先生も、そう言ってましたし、目的が分からない以上、また近い内に被害者が出ないとも言いきれません。大勢で調べるわけにもいかないので――相手を油断させるためにも、お願いします」
殿下がルメイル先輩に頭を下げると、先輩は頭をかいていた。
「しかたないな……。手伝えることがあったら言ってくれ」
「もちろんです」
「副会長の件は了解した。また――金曜な」
「お願いします」
そう言ったルメイル先輩は、部屋を出て行った。
「ちょ、ちょっとルメイル君! お役に立てるかは分かりませんが、私も副会長をやらせていただきます」
マルク先輩は、あたふたしながらルメイル先輩を追いかけるように去って行った。
「アーサー殿下? 犯人は二人って言ってなかった?」
ジルの質問に、アーサー殿下は悪い笑みを浮かべていた。
「彼らが容疑者から外れた訳ではありませんからね。手の内を全て明かすわけにはいきませんよ」
「うわ、絶対に敵に回したくない相手だわ」
「ねえ、図書館へ行ってみませんか? マルク先輩はルパート先輩が図書室へよく行っていたと言ってましたし……」
「そうだね、今日はもう遅いから明日の放課後にでも行ってみようか」
明日の約束をして、生徒会の集まりは解散したのだった。




