生徒会
放課後になると私とジルと殿下は委員会へ向かった。私達三人が部屋へ着くと、マルク先輩とルメイル先輩は既に部屋へ来ていた。
「ルメイル先輩、マルク先輩。急な招集に応じていただき、ありがとうございます。実は校長先生から委員会についての指示がありまして……」
「ああ、聞いているよ。何でも学年委員を学校単位の委員会にするとか何とか――ルパート君が休養すると聞いて驚いたよ」
ルメイル先輩は少し不機嫌そうにしていたが、殿下の話を聞いて肩をすくめていた。
「そうです。校長先生は、学年ごとに取りまとめていた学年委員を一つにまとめ、役職を会長1名に副会長2名。それから書記を2名にしてくれと――そう仰っていました」
「会長って――誰がやるんですか?」
マルク先輩の質問に対して、アーサー殿下が手を挙げた。
「私にやらせてください。ルパート先輩のこともありますし、ここは王族の私が責任をもってやり遂げます。先輩方には、副会長をしていただけると助かります」
「待ってくれ。私は何もしらないんだ。ルパートは? 何があったんだ?」
ルメイル先輩は、混乱していた。確かに、急に生徒会をやります。あなたは副会長でお願いしますと言われて、「はい、そうですか」とはいかないだろう。
「ルパート先輩は休学しています。事情があって、居場所は教えられませんが、復学するのに時間がかかると校長先生は仰っていました」
殿下がそう言うと、マルク先輩は顔を曇らせた。
「やっぱり、事件に巻き込まれていたんだ。イーリスさんから一命は取り留めたと聞いて安心していましたが……」
「マルク先輩、もう一度お聞きしたいのですが、ルパート先輩は普段どのような場所へ行くことが多かったですか? あと、親しくしていた方がいればお聞きしたいのですが……」
「それは――なんとも言えないですね。よく図書室には一緒に行って勉強したりしていましたが、それ以外は私生活で顔を合わせることもなかったですし……。交友関係も広く浅くといった感じで、私達以外で深く付き合いのある人がいるようには見えませんでした」
マルク先輩がそう言うと、ルメイル先輩は青ざめていた。
「もしかして犯人は、この学園の中にいるのか?」
「……」
私達一年生の3人が押し黙っていると、ルメイル先輩は肯定の意だと受け取ったようであった。
「そんな。ルパートはいい奴で、何かで恨みを買うような奴じゃない。本当に貴族なのかと疑うほど、裏表のない性格なんだぞ」
「ええ。ですから、先輩は何か見てはいけないものを見てしまったのではないかと思っています」
「何かって?」
「それは分かりません。考えてはいるのですが、どれも憶測の域を出ない話ばかりで……」
「犯人を探そう」
「え?」
「ルパートの仇を討つんだろう?」
ルメイル先輩の言葉に私達3人は顔を見合わせたのだった。




