選んだ楽器
「この楽器かわいい」
そう言いながら、エリーとアンナはクラリネットを手に取っていたが、アーサー殿下は何故かシンバルを手にしていた。
「殿下、それにするのですか?」
ジルは信じられないものを見るような目つきで、殿下と殿下が手にしているシンバルへ目を向けた。
「バイオリンを城でずっと習っていたからね。何か違うものをやってみたいと思ったんだが……」
「殿下、どうせならトランペットかアルトサックスにしませんか?」
「それだと、みんなで奏でた時に面白くないだろう?」
「え? そんなことするんですか?」
「しないのか?」
「……」
「上達したら、そうしてみるのも悪くありませんね」
私がジルをフォローするように言うと、殿下は悩んだ末に楽器をホルンに決めていた。
「そう言えば、アリーは何にするか決めたの?」
「私はこのフルートにしてみます」
「フルートか…。いいね、何だかアリーっぽい」
「テルミンもいいなと思ったのですが、みんなで合わせるのならフルートの方がいいかなと思いまして」
「結局、みんなで演奏するのは決まりなの?」
ジルが驚いていると、ハンスとジョージが言った。
「いいじゃん。上達したらみんなでやろうよ」
「まじか……。そんなつもりで選んでないんだけど」
「賛成!」
話を聞いていたのか、エリーとアンナも殿下の話に同意していた。
「ご愁傷さま」
ケントはジルの肩に手を置くと、呟いていた。ジルは肩を落としていたが、私はみんなで演奏するのは楽しそうだなと思った。
「みなさん、楽器は決まりましたか?」
「はい! 先生」
「座学でも説明しましたが、もう一度みなさんが選んだ楽器について説明したいと思います」
そう言ったフレーベ先生は教壇に立つと、楽器についての説明を始めたのだった。




