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魔力の暴走

「つまり、私の身体がもともと魔術陣に影響されやすい身体みたいで、魔力を魔術にして魔法を使えるようになるところに至るまでの過程で、何らかの理由で魔術陣が妨害していたみたいなのよ。しかも、竜族の封印と大陸全土の封印、どっちも影響してたみたい」


「えー、じゃあ、アリー使えるようになったんだ。見せてみて」


「まだ、ファイ・フランメしか出来ないわよ?」


「うん。見てみたいな」


 ジルの要望に応えて、私は手の先にこの間と同じようなイメージで、火魔術の呪文を唱えた。


「ファイ・フランメ」


 すると、前回と違って今回は、指先から大きな炎が出た。驚いた私は、慌てて消そうとして手を横に振ってしまい、殿下とジルが慌てていた。


「アリー、消すのは出来るだろう?」


「忘れた!」


「アリー、授業でやっただろう? ディセルダ! それで炎を止めることが出来るから」


「ディ、ディセルダ!」


 私が叫ぶように呪文を唱えると、燃えていた炎は一瞬にして消えていた。気がつくと、いつの間にか傍にはヴィーが立っていた。


「アリーが丸焦げになる前に、呪文を唱えてくれてよかったよ」


「な、なんで魔術があんなことに……」


「この間は、封印が解けたばっかりだったし、身体も魔術に馴染んでいなかったからだろう。もう、アリーの魔力は使おうと思ったら、全部使えるから気をつけて」


 ヴィーの言葉にうなずくと、ヴィーはペンダントの中へ戻っていく。


「アリー、大丈夫?」


「ジル、殿下、ごめんなさい」


「いや、失念していた。私も小さい頃は、大きな魔力に苦労して、なかなか魔術をうまく使うことが出来なかったんだよ」


 殿下は私を避けようとして転んだのか、床に倒れていた。ジルが床にうずくまっていた私を手で引っ張り上げながら立ち上がらせると、私も殿下に手を差し伸べて手を引いた。


「アリー、魔力が多いと魔術を使うのが大変みたいなんだ。俺は無詠唱で出来たから、そんなことはなかったんだけど……。頑張って?」


「そうだな。これからは魔術を学べるのだからな。学べることはいいことだ」


 ジルと殿下が気遣いながら私の方を見ていた。その笑いは、何だか私を馬鹿にしているようにも見えて少し腹が立ってきた。


「練習して、私もすぐに追いついて見せるんだから!」


 私が言った言葉に、二人は顔を見合わせ、苦笑いをしていたのだった。




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