話し合い
殿下の食堂へ行くと、そこにリンデさんの姿は見えなかったが、イーリスさんがドアの前で待機していた。
「リンデはルパート先輩のところ?」
「はい。ルパート先輩の護衛を交替でしております」
イーリスさんは、殿下の言葉に敬礼をしてから話していた。真面目な性格のためか、私達が食事をしているときも、ドアの前に立っていた。
「イーリスさん、昨日は運んでくださって、ありがとうございました」
「いえ、あの時は急いでましたし――殿下とリンデと3人で慌てていて、何が何だか分からないまま運び出したのですよ」
ジルの話にイーリスさんは慌てていた。
「それでは鍵はイーリスさんが返してくれたのですか?」
「いえ、それはリンデが――というか、今も持ってるかもしれませんね。返す暇もありませんでしたから」
「そうか……。私が返しに行ければよかったのだが」
「いえ。殿下もかすり傷でしたがケガをされておりましたし、掃除でケガをしたと、校長先生が他の先生へ言ったみたいでしたよ」
「掃除でケガ……」
「俺達、どれだけ間抜けなやつだって思われてるんだろ」
ジルが首を横に振りながら自嘲していた。
「話が変わるけど、今日は放課後に委員会を開こうかと思うんだ。急だけど、ルパート先輩のこともあるし、学年代表についても早めに話し合っておいたほうがいいと思うんだ」
「そうですね。マルク先輩も色々と気にしていらっしゃるでしょうし――もう一度、二人に話を聞いてみましょう。何か分かるかもしれませんわ」
アーサー殿下の話に私とジルが賛成すると、話は自然と私が魔術を使えるようになった話へ移った。
「それにしてもアリー、魔術を使えるようになって良かったね」
「ええ、ありがとうござます」
アーサー殿下がジルに、昨日の話をジルに説明するとジルは混乱していた。
「えっ、大陸全土に魔術陣がしいてあって、それが人体に影響していた?」
殿下が話をかいつまんで話していたせいか、いまいち意味が分からなかったようである。




