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竜使い

「狭いですね」


「もともと、貯蔵庫だったのだろうか……。何もないが、暗くてよく見えないな」


 殿下がそう言うと、ペンダントからヴィーが出て来た。


「よければ案内するよ」


「ヴィー、ありがとう」


「アリーは気づいてないようだが、われは命令されれば動く。そういう契約を、この間は交わしたんだぞ?」


「まさか、従属契約をしたのか?」


 アーサー殿下は、驚いた顔をして聞いていた。ヴィーは、ため息をつくと殿下へ言った。


「人間とする契約なんて、それくらいしかないだろ? こんな場面でも、われを頼らないとは、いくら何でも傷つくぞ」


「ごめん、ヴィー。頼りにしてる」


「今さらだな」


「1000年ぶりに復活した竜使いか――興味深い。それにしても暗くて先が見えないな」


 ジルの言葉にヴィーが言った。


「今日習った火魔術を使ってみてはどうだ? ここなら、火事だと思われないだろう」


 学園内での魔術の使用は、身に危険が迫ったりしない限り、禁止されていた。校則で禁止されているのにも関わらず、それでも使ったりする人もいる……。聞くところによると、常識の範囲内なら使っても構わない、というのが暗黙のルールになっているらしい――というのも、魔術学園に入学する際には、人間性も重要視されているため、願書提出に3人以上の推薦人が必要なのである。


「ファイ・フランメ」


 ヴィーにそう言われて、殿下とジルは火魔術を使って素早く指先に炎をつけていた。


「……ファイ・フランメ!」


 私も同じようにして炎をつけたが、炎が安定せずに消えてしまった。


「アリーは力みすぎだ。もう少し慣れないと――ってか、まだ何か引っかかってるな……。もしかして大陸魔術か。少し厄介だな」


「厄介って?」


「話すと長くなるし、今は先に進んだ方がよかろう」


「分かったわ」


 私はうなずくと、ジルと殿下に続いて、洞穴のような洞窟の中を進んでいった。




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