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本日の委員会

 次の週の週末。放課後に初めて委員会があった。今日は初回ということもあり、自己紹介だけで委員会が終わるということだったが、二年生の学年委員代表は個性が強かった。


「諸君、私がシシリア伯爵家のルパート・シシリアだっ」


「よろしくお願いします」


「君たちと同じ学年委員になれたことを誇りに思う。二年の学年委員代表は私だから、何か分からないことがあれば、私に聞いてくれて構わない」


「ありがとうございます」


「わが伯爵家は、イチゴが採れる。近くに来た時にはぜひっ、立ち寄ってくれたまえ!」


「ありがとうございます」


 こんな調子で話が全然前に進まなかった。話が長いというか何というか、余計な話が多かった。これは――テドラ国では、あるべき貴族の姿なのだろうか……。


「社交辞令だからね。あまり気にしないで」


「……はい」


 こっそり耳打ちしてくれたアーサー殿下の言葉に私はうなずいた。ヴィーと出会ってから、学園は平和だった。やはり、この間の地面が揺れていたのはヴィーの封印が原因だったのだろうか。


「それでは、自己紹介をどうぞ!」


「二年生のマルクです。よろしくお願いします」


「二年生のルメイル・ハドソンです。よろしくお願いします」


 挨拶をした他の学年委員二人は男性だった。二人とも、ルパート先輩の挨拶にどうしたらいいのか分からずに困っているようであった。私達一年生も挨拶をすると、得意魔術や属性を言おうとルパート先輩は言い始めた。


「ルパート先輩、私達はまだ基礎魔術を始めたばかりです。得意な分野はこれから見つかるかもしれませんし、今日は簡単な挨拶だけでよろしいかと思われます」


 この時ばかりは、アーサー殿下が王族であることを感謝した。アーサー殿下にこう言われては、ルパート先輩も引き下がるより他ないだろう。


「アーサー殿下がそう仰るのならっ、続きはまた今度に致しましょう。今日は、貴重な時間を割いて放課後に来てくれてありがとう。また来週やろう!」


「ええ。必要があれば、また開催しましょう。私たち学年委員は、生徒のための委員会です。今度、委員会をやる時は学園内の改善点など、何か議題を持ち寄って開催しましょう」


「さすが殿下! 承知いたしました。必ずや私が学園内の問題点を見つけ出してみせます」


「頼もしいな。次回を楽しみにしているよ」


 そう言った殿下が席を立ったので、私達もそれにつられるように席を立ち、委員会の部屋を出た。


「いいのか。あの先輩、何か問題点をあぶり出そうとしてたけど……」


 ジルが不安そうにアーサー殿下へ尋ねると、殿下は爽やかな笑顔を浮かべてジルへ答えていた。


「二年生と一年生の部屋は離れている。こちらに害がなければ問題ないよ」


「そういうもんですか……」


「調べてもらって、魔術薬のことが明るみになれば、それはそれで助かるし」


「自分の手は汚さないってことですね。なるほど、勉強になります」


「ジル。私が動くと目立つし、相手が警戒するだろう? 先輩を頼れるときは、先輩に頼っていいと思う。あれで、ルパート先輩はいい人なんだよ」


「そうですね。俺は殿下と同じ学年で良かったと思っています」


「嬉しいね。今日も手伝ってくれるの?」


「え? 今日も掃除ですか?」


「よろしく。今度、何か奢るからさ」


 最終的に、私達は委員会が終わった後にアーサー殿下の掃除を手伝うことになったのだった。




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