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 放課後になって、私達は殿下の食堂へ来ていた――たぶん、暗殺未遂事件があって、学園側が殿下のために用意してくれた個室なのだろうが、部屋に名前がないため、私とジルはお昼ご飯を食べる部屋を勝手に『殿下の食堂』と名付けていた。


 今日は金曜日の午後なので委員会がある予定だったが、中止になったため殿下の食堂へ来ていた。


「アーサー殿下、先程のジョージの話から察するに、何かが鉱山の近くに封印されていたけれど、崩落事故がきっかけで封印が解けかかっているという話だと思われるのですが――」


「そうだね。私も気になっていて――このまま放置したら、何かが起きてしまうような気がしている。誰かが調査へ向かった方がいいとは思うが……」


「殿下、おやめください──もしどうしても行くと言うのなら、私をお連れください」


 騎士のイーリスは必至だった。殿下に詰め寄ると、絶対に行くなら自分を連れていけという、無言の圧力を殿下にかけていた。


「心配しなくても、どこかへ調査へ行くときは、必ずイーリスを連れて行くよ」


「殿下、ありがとうございます」


「それにしても、封印か……。一体何を封印したんだろうな」


「魔獣じゃないか? 地下で見た薬瓶は魔獣をおびき寄せる魔術薬だったんだろう? 誰かが学園内に侵入して、おびき出そうとしているんじゃないか?」


「じゃあ、何で実験室で作って置きっぱなしにしたの?」


 私の質問にジルは肩をすくめながら答えた。


「誰も来ないと思ったんじゃないか? 部屋の鍵は先生しか使えないし、瓶を持ってる方が危険だって思ったんじゃない?」


「もう一度、実験室へ行ってみるか? 何か分かるかもしれない」


「そうですね。何か見落としているかもしれませんし」


 私がそう言うと、殿下が立ち上がりイーリスを見た。


「地下にある実験室へ行く。ついて来てくれ」


「はっ!」


 私とジルを含めた4人で、少し前に掃除に行った地下の実験室へ向かったのだった。




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