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友達

「助かりました。ありがとうございます」


 中庭まで来ると、ジルはアーサー殿下にお礼を言っていた。


「いや、あれだけ騒がれたら誰だって嫌だろう?」


「アーサー殿下が860だと聞いて、驚きました」


「私も驚いたよ。昨年、測った時は750だったんだ。110も上がって自分でも驚いたよ。それにしても、780で魔術が使えないなんてそうとう辛いんじゃない?」


 アーサー殿下は、私を心配するように顔を覗き込んでいた。心配そうな緑色の瞳にドキリとしてしまう。


「体調が悪いと感じたことはないんです。ただ、医者からは余命2年だと言われていて……。ええと、医者が言うには魔素機能過剰蓄積型という病気だそうです。魔素回路低下による魔機能不全が原因だそうでして……」


「もしかして、治療法を探すために王国へ来た?」


 私がアーサー殿下の言葉にうなずくと、彼は顎に手を当てて考え込んでいた。


「知り合いにいい治療法がないか、それとなく聞いてみるよ」


「ありがとうございます」


「あまり期待はしないでくれ。医学にそこまで詳しくはないんだ……。学年委員をやってくれるって言ったからね。私にも少しは協力させて欲しい」


「ありがとうございます、アーサー殿下」


 気がつけば、隣でジルが頭を下げていた。殿下が協力してくれるのなら、百人力だ。


「私は友達を助けたいだけなんだ。だから、そんなに気にしないで――そうそう、委員会なんだけど1週間に1回、金曜日の放課後に集まりがあるんだ。そこで2年生の学年委員と1年生の学年委員で話し合ったりするんだけど、それには必ず出席して欲しい。それ以外には特にないかな? ないから、時間がある時は、一緒に勉強したりしよう?」


「いいですね、私は構いませんわ。ジルは?」


「賛成です」


「アーサー殿下、改めてよろしくお願いします」


「ああ、よろしく」


 そう言った殿下と私達は固い握手を交わしたのだった。




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