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第十二章【時の決闘 ― アンブラ vs ユウ】


ユウの肩に置かれた冷たい幽霊の手が、さらに重くのしかかった。

まるで、長い年月そのものが彼の背に沈み込んでいくようだった。


ほとんど動けない。――理解した。


ユウ:「……重力じゃない。時間を使ってる。俺の“未来”を凍らせてるんだ。俺の体だけが“先”に進めない。世界は動いてるのに、俺だけが置き去りだ……」


アンブラ:「正確だが無意味だ。お前は私の時間流の中に囚われた。このダンジョン自身の時間線を使って、お前を遅くしている。時の理そのものに逆らうことなどできぬ。」


ユウはベクトル操作を試みた。しかし、何も動かない。

押し潰しているのは圧力ではない――“時間”そのものだった。


彼は手にした光る《双響核デュアル・レゾナント・コア》を見つめた。

高周波と低周波――火と氷。


(ユウの思考)

「アンブラの力は“時間の速度”を曲げている。俺のコアは“相反する二つのリズム”。もしその二つを完全に打ち消し合えば、“変化しない定数”が生まれる。時間が速くも遅くもなれないなら……止まるしかない。」


ユウ:「お前の理には逆らえない。だから――俺だけの理を作る。」

彼はマナをコアに注ぎ込んだ。(双子の番人の核)



【アーキヴム:警告 ― 局所時間錨ローカル・タイム・アンカー生成検出。失敗率:58%。マナ残量:68%。】

《スキル:共鳴崩壊レゾナンス・カスケード》――錨設定:局所時間率――起動。




世界が歪む。

そして――パキンッ!

押し潰すような重圧が消えた。ユウは再び動ける。



アンブラ(驚愕):「あり得ぬ! ゼロ・フロウ・フィールドを作っただと!? 自分だけ“時間の外”に出た!? 私の法を逸脱したというのか!」



ユウ:「違う。壊したんじゃない。“変化しない定数”を作ったんだ。

お前が頼るのは“時間の変化”。俺が作ったのは“変化しない世界”だ。」



アンブラの体が幾重にも分裂し、無数の残像となって揺らめく。


アンブラ:「動けても無駄だ! 貴様は幻を追うだけ! 全方向に広がる私の残響に触れられるものか!」


ユウ:「お前の幻は“ノイズ”だ。だが本体だけは……熱を発してる。

千の偽物の中に、一つだけ“本当の鼓動”がある。」


彼の姿が霞み、空気を切り裂く音が響いた。




【アーキヴム:目標との距離、衝突圏内。監視者、時間跳躍の準備中。即時交戦を推奨。】


《敵スキル:クローナル・シフト!》

アンブラが時の流れを飛び越えようと、姿を溶かしていく。




ユウ:「逃がさない。」

《新スキル創造:テンポラル・ロック》

効果:対象が“移動しようとしたその瞬間”を固定する。




アンブラの溶けかけた姿が、時間の崩壊空間の中で完全に静止する。



アンブラ:「貴様……私の“時間残滓”を利用して封じたのか……!?」


ユウ:「お前が理を破ったから――俺が書き換えた。」




影をまとったドーンラインを振り下ろす。

アンブラの核を断ち切った瞬間、蒼紫の光が爆ぜ、

空間の闇が剥がれ落ちていった。




【モンスター撃破】

【コア獲得】:《ヴェイルド・クローナル・コア》

【スキル獲得】:《テンポラル・ロック》

効果:対象の時間状態を最大5秒間固定する。



ユウは膝を組み、静かに座り込んだ。そして――“不可能”をやろうとした。

三つの理を、一つに融合する。




ユウの前に、三つの光るコアが浮かぶ。

紅、銀、紫――。



「三つの核……三つの理。周波、質量、そして時間。

これを……一つにできれば――」



【アーキヴム・システム通知:絶対法則融合アブソリュート・ロー・シンセシス

必要要素:

双響核デュアル・レゾナント・コア》――火と氷、周波数を制御。

安定質量核スタビライズド・デンシティ・コア》――質量と慣性を支配。

隠時核ヴェイルド・クローナル・コア》――時間流を操作。

成功率:18%。

警告:失敗時、コア完全崩壊の恐れあり。


「18%……十分だ。まずは基盤を安定させる。」


【融合工程1:双響核の安定化。目標:完全な一定リズム。】


紅のコアにマナを流し込む。

火と氷が悲鳴を上げ、激しくぶつかり合う。

ユウはそれを押さえ込み、ただ一点に集中した。



次は、二つの対立をぶつける段階。


「質量は静止を望む。周波は振動を望む。……“止まる”と“揺れる”が共存する点を見つけろ。」


【融合工程2:安定質量核を導入。混沌(周波)と慣性(質量)の融合。衝突度:極限。】



銀の核は、まるで山そのものを圧縮しているような重みだった。

ユウのマナは歪み、軋みながら反発する。

彼は歯を食いしばり、力ではなく“理”そのものを押し込んだ。



二つのコアが激突し、光と闇が半分ずつ混じった球体が生まれる。

ユウの身体が悲鳴を上げ、精神が限界に近づく。



【融合工程3:隠時核を導入。安定物体と時間流の融合。最も不安定。今すぐ流れを制御せよ!】



紫のクローナル・コアが激しく震え、周囲の時間が伸び縮みする。

ユウの視界がめちゃくちゃに揺らぎ、叫びながら限界を超えた。



――あの時の気づきを思い出す。

「俺は自分の体に安定した時間境界を作ったんだ。

なら……“時間”を押し込むんじゃない。“物体”のほうを“時間ゼロ流”に固定すればいい!」


彼は全マナを解放した。

三つの理が咆哮し――

次の瞬間、すべてが真白に溶けた。



「――これが《三位核トライアンヴィレイト・コア》……鍛成完了。

あとは……俺と一体化するだけだ。」


《黒穴スキル:コア吸収》



【アーキヴム:三位核トライアンヴィレイト・コア

新究極スキル解放:《絶対法命アブソリュート・ロー・コマンド》】


【新スキル習得:】

《テンポラル・ロック》:原理・時間制御。対象を現在の瞬間に固定し、行動を停止させる。

重力反転グラヴィテイショナル・インバージョン》:原理・質量制御。重量の方向を即座に反転させ、防御を圧殺や跳躍へ変換可能。

共鳴崩壊レゾナンス・カスケード》:原理・周波制御。相反するエネルギーを安定定数に強制変換し、自身を安定化、または敵のエネルギー署名を崩壊させる。


【新究極スキル:《絶対法命アブソリュート・ロー・コマンド》】

効果:時間・質量・周波――いずれか一つの“絶対法則”を60秒間、限定領域内で発動。

あらゆる環境効果を上書きし、支配する。


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