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ひととま  作者: 珈琲
第二章
69/104

2-18

ピィィーーーーヒョリーーガガガガガ…



「あ。FAX…うるさいよね。毎回毎回」

団長リオは、この音が苦手なので耳を塞いでいる。


ベリベリベリ…

「第二のトーマス団長からですね。……魔石が小さすぎて全然集まらない様で、余剰分が欲しいそうです。

お可哀想に……」

副団長のアルバートが読み上げた。



「長文だとメールはめんどくさいからね。郵便だと遅いし…。

じゃあ、こっちの魔石はもう十分だから…南に行って手伝ってあげますか。

ここで集めた分持ってって貰って、足らなければ現地で狩ってきてもらって。」


「第四の車が途中で寄るみたいですよ。

遠いから大変ですね」



「うちはまだ結界自体は張れてないから、人員あんまり割け無いけどさ。

明日いっぱいはかかるかな。

行くの嫌がる人多そうだしなぁ……」

腕組みしながら、団長は考えている。


「温泉で釣るか」


「あーー。南は有名な温泉ありますね。

今は観光客もほとんどいないでしょうし、餌にするには悪くないですね。

下手したら数ヶ月……?」

副団長も同調した。


「いや、アルバートも行って。責任者いないと困るから。あと、運転も」


「あ。まじすか」



「ねぇユキ、行こうよ!俺行ってみたい!温泉入ってみたい!!」


「は?」

「え?!」

「ロ、ローラン様…それは……ちょっと…」

みんなしてローランを見た。



「アルバートいるでしょ、ユキもいてさ、第一も第四もいる。ストロフと新しい護衛も連れて行く。

普段より全然安全だね。

自分の国なのに、何も知らずに死ぬ方が嫌じゃない?大人しくしてるからさ」



団長、副団長、ユキは黙ってストロフを見つめた。



「ゴホン。えー、今は確かに落ち着いているのかもしれませんが、気の緩みが一番危ないのですよ!ローラン様!それに、護衛がいるのに死ぬと簡単に言わないでくださいませ!」

三人の視線が刺さっているストロフは、咳払いをし、ローランを諌めた。


「それはごめん。でも温泉てさ、足に良さそうじゃない?」

ローランは右足をさすりながら言った。


「まぁ…それはそうですが……」

ストロフは言葉に詰まってしまった。



「お言葉ですが、アルバートやユキは人数に数えないでいただけませんか。人員は普段より増えますが、仕事です。

行くのであれば、あくまでお忍びでの療養。

別行動と認識していただきたいですね」

やれやれ…と呆れながらもリオが許可した。


「ちゃんと城の方にも報告してくださいね」

アルバートも続いた。



「ありがとう。ストロフよろしくね。

でも、この中で一番弱いのが俺の護衛だなんて、笑えないね」


「……精進します」

ストロフは首元をさすりながら、他にも何も言える事は無かった。



ーーー


第四騎士団にも第二騎士団から、魔石よろしくFAXが届いていた。


「途中で第一のとこで余剰分貰ってきてってさ。

とりあえず一班と三班でよろしく。班長にはもう言ったからさ。

ノアもちょっと体動かしてきな。

……ってねぇ、聞いてる!?」



「……はい」

ハルに抱きついたまま寝落ちしたのを見られたのが恥ずかしすぎて、ノアはソファの裏に隠れて縮こまっていた。


ハルはソファで三角座りをし、毛布を頭から被っている。


「まぁね、子供の時からよくあることだけどね。恥ずかしいとか無かったよね。いや、まだ十四だから子供か。

そうだよ、私まだ子供じゃん。そう、子供。

ノアはあと半年もしないで大人だけど、私はまだ一年以上猶予のある子供。

だから恥ずかしいとかそれは大人になってから考えれば良いんだよね……今じゃない…」

毛布から何かぶつぶつと聞こえる。



「ハルもね。一斑だから一緒に行ってね」


「はい…」




「まぁ気にすんなって。気分落ち着いたならいいじゃん。他の人には見られてないんだしさ」

副団長が声をかけた。



「はい、もう解散!さっさと部屋戻って寝ろ!

ここで寝られたら他の人入れないし業務に支障がでる。

明日朝六時、駐車場集合。本部の三班と合流して行く。以上!」

パン!と手を叩き、二人を帰らせた。


とぼとぼと、会議室を出た二人。

「ハル、ごめんね…」


「んー。私も寝ちゃったし…ごめんね」


「団長がちょっと、ヒスイと似てる空気感出すから悪いんだ」


「気が緩むやつだね。寝れそ?」


「んーー…わかんない。結構スッキリ寝た気がするし。ハルはちゃんと寝てね。おやすみー」


「少しでも寝てねー。じゃねーおやー」



部屋へ戻っていった。





ハルはシャワーを浴びて、ベッドにごろり。

床が濡れてても、今日は気にしない。

一人だし。


春の入団式前に、三班と四班が綺麗になった本部に引越ししてて、部屋がたくさん余っているので今は一人部屋。

団長がこっちにいるから、多分こっちが本部かもだけどね。


レモいたら相談できたかも?

いや、話長くなりそうだから危ないね。


今日の事は一人で考えたら沼るやつかな。

今度アキに相談してみよ。


結局、髪も乾かさずに眠った。


郵便物に風魔法かけて飛ばすと、郵便物同士の衝突事故が多発したから今はNGだよ。


補足:お引越しはたいしたイベントないので自己完結してました。すみません。


ほんの一言だけ、ちょろっと訂正しました。

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