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焼きたてのパンを並べ、7時のオープンからいい感じに売れていく。ご近所さんは、
「今日はパン少ないね」
「またハニーバターロール焼いてね!」
「あんこ入りもお願いね」
少なくて色々言われてしまった!
「ちょっと朝から忙しくてね。あんまり準備できなかったのよー。明日は定休日だから明後日からまた頑張るわ!」
ほぼほぼ店内のパンが売り切れたお昼すぎ。
エリックが起き、子ども達も目をこすりながら「お腹空いたー」「おはよー」と起きてきた。
エリックが客間を覗くと、2人ともまだ眠っていた。
ユウカはお昼にパンとナポリタンを用意してくれる。
食後にハルが客間を覗きに行くと、ノエルの方が先に目を覚ましていた。
ぼーっとしながら、
「…ここってどこ?助けてくれたんでしょ?ありがとね」とにっこり。
森では月明かりで銀色に見えていた瞳も髪も、淡い水色だとわかった。
(これはイケメン!お母さん好きそう!)
「イ………起きてよかった!ここは…ウチだよ!!」
ちょっと焦った。
……。
「…そうだね。天井あるもんね。家だよね」
「あ、ごめん、違くてさ。ウチなんだけど、どこっていうか…んーー、とりあえずお父さん達呼んでくるね!」
慌てて部屋を出て、みんなに声をかける。
「ねー、起きてたよー!!」
「…なるほどな…」
「……」
ヒスイは意識は戻っていたけれど、なんか動いてはいけない気がした。