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少々文字数増えました。
焼きたてのパンを並べ、7時のオープンからいい感じに売れていく。
「今日はパン少ないね」
「またハニーバターロール焼いてね!」
「あんこ入りもお願いね」
ご近所さんから、品数少なくて色々言われてしまった。
「ちょっと朝から忙しくてね。あんまり準備できなかったのよ。明日は定休日だから明後日からまた頑張るわ!」
ニコニコ接客していくお母さん。
ほぼほぼ店内のパンが売り切れたお昼すぎ。
父が起き、子ども達も目をこすりながら
「お腹空いたー」
「おはよー」
と、起きてきた。
テーブルには焼きたてのパン。
お母さんが、昼食の準備をしていた。
父が客間を覗くと、二人ともまだ眠っていた。
食後にハルが客間を覗きに行くと、ノエルの方が目を覚ましていた。
でもまだ、ぼんやりしている様だ。
「…ここってどこ?助けてくれたんでしょ?ありがとね」
とにっこり。
これはイケメン!お母さん好きそう!
そう思いながら返事をしたから…
「イ………起きてよかった!ここは…ウチだよ!!もう大丈夫だからね!」
元気に答えた。
「……うん、家だね。」
「あ、ごめん、違くてさ。ウチなんだけど、どこっていうか…んーー、とりあえずお父さん達呼んでくるから待っててね!」
ハルは慌てて部屋を出て、みんなに声をかけた。
「ねー、二人起きてたよー!!」
「……ふぅん……二人。って言ってたね」
部屋を出るハルの後ろ姿を見ていた。
「……」
ヒスイも意識は戻っていたけれど、なんか動かないでいた。
沈黙に耐えれなかったのか、ノエルが話しかける。
「ヒスイも生きてる?」
「生きてるよ」
「まさか助かっちゃったね」
「だな」
「やっぱり死んだ扱いかな?」
「恐らく…」
…
…
…
「ヒスイは俺の従者のままでいいの?もう自由だよ?」
「お前と一緒で。一人は無理だろう」
「やっぱり?でもさ、外って良い景色だね。監視も無くて息がしやすい」
大きく伸びをした。
「王子なのに苦労人だもんな、お前」
「あの城が異常なんだって。空気が重過ぎるし、監視が多過ぎるんだよ」




