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ハルは家での療養許可が下りた!
お父さんが迎えに来てくれて。
「ちゃんと治ったら城下行きたいなー」
「そうだなぁ。一週間くらい泊まれば研究所に行く時間もあるだろうし。ゆっくり勉強すればいいさ」
「わぁい」
「今回は一人でよく頑張ったなぁ」
頭を撫でられた。
たわいのない話で盛り上がりつつも、ちょっとお父さん落ち着かない様子。
なんだろう?
“ガチャッ”――“チリーン”
「ただいまぁー」
15時過ぎに家に着いたら。
大人二人がヒスイさんに抱きついて泣いてるし、ノアに抱きついてる子もいるし、すごくカオスだ。
「おー!ハルおかえり」
「あ、おかえりー!もう大丈夫なの?」
「うん、まぁ…どうしちゃったかんじ??」
「いやぁ、バレちゃったかんじー?」
「それ大丈夫??」
「どうだろうね?いつかは仕方ないとは思ってたけどさ。ちょっと早かったかな」
「弟さん…王子様だよね…」
王子様が家にいると、逆に自分が一番場違いに思えてくる。なんだか震えますね。
ーー
「皆さまが兄を助けてくださったのですね。感謝しかありません」
団長と副団長が頭を下げる。
「兄様を助けていただいて、ありがとうございます」
ルカ様も頭を下げる。
「頭をお上げくださいませ。楽しく過ごさせていただいてますから」
母ユウカは、イケメンが揃っているのでご機嫌にお茶やクッキーを出している。
「まさかエリックさんの家とは…師匠がこれじゃ、そりゃ強くなるよなぁ」納得の団長。
「いいなぁー。俺も稽古つけてほしいなぁ」
「この話は三人の秘密で頼むよ。ノアの目的は叶えないと、このままずっと王子たちの悲劇が続く。断ち切らないと。今まで通り、普通の態度と評価を続けてほしい」
エリックは頭を下げる。
「頭上げてくださいよ」
団長も副団長も困っている。
「まぁ…他の王子達を殺させないってだけですけどね。先代国王の時代は一人残して皆殺し。その前もかなり死んでる。扱いやすい王子を残しているのかと思いますし。今回も王子は複数人。俺とルカが狙われたし、また次もあるでしょきっと。誰も殺されなかったら、犯人がボロ出すかもって」
「確か何代か前に崩壊しかけたことあったみたいですよね。残りの王太子が大怪我負ったとかなんとか。さりげなく誰かが調整してやりすぎたって事なのかな」
団長は考え込みながら、
「実際は成功してないけど、ノエル第二王太子殿下に対しては成功したと思っているだろうし、次は別を狙うか、再度ルカ第五王太子殿下を狙うか…」
ぶつぶつ言ってる。
「だから俺が内部から犯人探そうかと」
「これ聞いたら協力するしかないじゃん。最低限、班長になれば城に上がっても不自然じゃないしなぁ」
「誰も俺を殺れないくらい強くならなきゃいけないから。それプラス地位って感じですね。不正での地位は嫌だし…贔屓はやめてくださいね。あと敬語も無しで、今まで通りでお願いします。
あと、ルカはしっかり勉強して稽古も参加して、殺されない程度には強くなってくれよ」
ルカの頭を撫でた。
「…はい…」
ちょっと不安そう。
「他に協力者はいないのですか?一人じゃ無理がありましょう。知ってればある程度庇えます」
団長がエリックに問う。
「そうだなぁ…俺の息子、第一騎士団に入団したユキと、救助隊の試験を受けに行ったアキだよ。まぁ受かるだろう」
「ユキは俺より全然強いですよ。俺、ほんと勝てないもん」
「第一騎士団の方には言わないのですか?」
副団長が問う。
「まぁ、バレたら、かなぁ?あまり話が広がったら危ないしな。ノアの身バレが早すぎて」
「仕方ないじゃん。ルカが覚えてるとは思わなかったんだよ」
「ごめんなさい、覚えてたせいで…」
「んー…そう言われるとちょっと複雑…」
そう言って、ノアは自室に入っていった。
だいぶ気持ち悪い部分訂正しました。




