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ひととま  作者: 珈琲
第一章
19/104

18

そこへ団長がやってきた。

王子の無事を確認し、保護したうえで馬車に乗せ、居住施設へ送り届けさせた。


団長もやたらこっちを見てくる。


下に目を逸らす。


近づいて覗き込んでくる。


あーやばい。

アイツの弟、ほんとウゼェ。

今は上司。団長で俺よりえらい人!と自分に言い聞かせる。


「…疲れましたので部屋に戻ってもよろしいでしょうか?」静かに問う。

「明日の昼に会議室まで来い。分かったら部屋に戻れ」

「はい」一礼して、即撤退。


……胃がキリキリ。

同室のグリムは医務室に行っちゃってしばらくは戻らなそう。


よし、防音結界ペタッ!

すぐさまヒスイに電話。

「あ、もしもし?ちょっとどーしよっかなー的な相談ができましてね…」

「ん?どうかしたか?」


ルカにバレたことと、明日の昼過ぎに団長に呼ばれていることを伝える。


「どーしよっか」

「…ちょっとの相談じゃねぇな。エリックさんに電話してみるわ」

「助かるよ」


「もしもしエリックさん。ちょっとご相談がありまして…」

「うん、ちょっとどころの相談じゃないな。今すぐノア呼んでくれ」


ーー


22時過ぎのこと。

グリムには外出するとメモを残し、こっそり窓から出てエリック宅へ。


「た…ただいまぁ〜です〜」

そーっと玄関を開けるノア。


腕組みして仁王立ちしているイカツイ男二人が眼前に現れた!

有無を言わさず石畳のところで、即、正座。

そう、昔からお説教の定位置なのである。


エリックとヒスイ、二人がかりで1時間コース。

スネが痛い。泣きそう。もう立てない。

間違ってないから何も言い返せない!


いつもは三十分くらいで助け船を出してくれるユウカさんは、ハルの病院に泊まり込みで不在。

今の家に天使は居ないということ。悪魔しかいない。俺今日、頑張って戦ってきたんだよ?



「バレたなら仕方ない。まとめて呼んで話すか。明日の昼に団長、副団長、ルカ様を呼んでくれるか。一通り話すのがベストだろう。ルカ様も知ってる仲間がいれば気が楽だろうから」

「弟に渡せばすぐわかるように手紙書いとくわ」


と冷静にまとめられ、説教タイム終了。解散。


「あ……ごめん、痺れて立てない…」

疲れもあって玄関でそのまま寝落ちした。


犯人にバレたら殺されちゃうかもだからね。それを振り切っての入団ですし。そりゃぁキツイお説教タイムですよ。


漢数字に訂正しました。

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