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大会の幕開け

下級生から順に、各クラスの代表選手が入場していく。歓声は次第に大きくなり、僕たち下級生の入場順が回ってくる頃には、その熱気は肌を刺すほどだった。

「次、下級生、《クラス・デ・ゼトランジュ》入場!」

僕たちの名前が呼ばれ、シールドの向こうの闘技場へと足を踏み入れた瞬間、耳をつんざくような凄まじい歓声が僕たちを包み込んだ。それはまるで、熱い風の塊に吹き飛ばされそうなほどの衝撃だった。

だけど、その轟音は、僕の心を萎縮させるどころか、逆に内側からふつふつとやる気を湧き上がらせてくれた。この熱気の中で、僕の剣がどこまで通用するのか、試してみたい。

闘技場の中心に設けられたステージには、全クラスの出場選手が一列に並んだ。僕も仲間たちと肩を並べ、その圧倒的な光景を見渡す。頭上を見上げると、巨大なスフィアがいくつも浮かんでいた。そのスフィアには、観客席のあちこちから角度を変えて、ステージの様子や会場全体の熱気が映し出されている。あんなに大きなスフィアを、僕は生まれて初めて見た。この大会の規模の大きさを、改めて実感した。

そして、そのステージの真ん中に、一人の男が歩み出る。その姿を見た瞬間、会場の歓声はさらに一段と大きくなった。

ゴライアス様だ。この国の**「神将」**の一人であり、武術の国の象徴ともいえる存在。彼の前に立つと、その巨躯と圧倒的な存在感に、誰もが畏敬の念を抱かずにはいられない。

ゴライアス様は、大きな笑みを浮かべ、会場全体を見渡した。

「若者たちよ、今日一日を楽しんでくれ!」

その声は、マナで増幅されているのか、闘技場の隅々まで響き渡る。

「今日は一番楽しんだ者が勝ちだ。大いに楽しみ、大いに発揮してくれ!」

ゴライアス様はそう言うと、少し豪快に笑った。そして、その巨大な右腕をゆっくりと高く掲げ、力いっぱい拳を突き上げた。

ズドン!と、空気を震わせるような音が響き渡り、空に浮かんでいた薄い雲が、その衝撃で一瞬にして散り散りになった。

「開始だ!!」

その一言が、闘技場に響き渡ると、再び会場から割れんばかりの歓声が巻き起こった。

僕も、周りのクラスメイトも、そして他のクラスの選手たちも、その圧倒的な光景と、ゴライアス様の放つ威厳に、全員の目が釘付けになった。まさにこの国を象徴する、最高の瞬間。

いよいよ、大会が始まる。僕の体中に、言いようのない興奮が駆け巡っていた。


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