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夏への日々

月日はあっという間に過ぎていった。アカデミーでの日々は、学業と鍛錬、そしてチーム訓練の繰り返しだ。朝はミスト先生に言われた通りに大地に座り、マナの気配を感じる練習を欠かさない。座学ではこの世界の歴史や地理、紋章とマナについての知識を学ぶ。そして午後は、実践的な武術の訓練や、仲間とのチームワークを高めるための課題に取り組むんだ。

僕のクラス、《クラス・デ・ゼトランジュ》の授業は、他のクラスとはやっぱり一味違う。ミスト先生は、僕らの弱点を補うことよりも、それぞれの得意なことをどう伸ばしていくかに重点を置いているみたいだった。ローディアスの怪力は、ただ力任せに振るうだけでなく、どうすれば最も効率的に威力を伝えられるか、という物理的な訓練に。フィルの速さは、ただ早く走るだけでなく、どうすれば一瞬で敵の死角に入り込めるか、という実践的な動きに。ルーイの知略は、知識をただ覚えるだけでなく、どうすればそれを実際の状況で応用できるか、というシミュレーション訓練に。

そして、僕の剣術。ロゼに教わった剣術は、ミスト先生の指導で、より洗練されていった。先生は、僕がマナの流れを直感的に感じ取ることと、それを剣の動きにどう繋げるかを教えてくれたんだ。僕の剣は、以前よりもずっと、風や水のようにしなやかに、そして相手の動きを先読みするかのように振るわれるようになっていった。体力や力は相変わらずだけど、剣を握ると、まるで僕の体がマナと一体になるような、不思議な感覚がするんだ。

そんな日々が、あっという間に過ぎ去っていった。校庭の木々の葉は、新緑から濃い緑へと色を変え、夏の日差しがアスファルトを照りつけるようになる頃には、アカデミーはすっかり夏の雰囲気に包まれていた。

そして、僕らが最も楽しみにしている、年に二度行われる大きなイベント、クラス対抗戦が、いよいよ始まろうとしていたんだ。下級生になってから約3ヶ月。僕たちは、この夏のクラス対抗戦に向けて、最後の追い込みに入っていた。僕らの《クラス・デ・ゼトランジュ》が、他のエリートクラス相手にどこまでやれるのか、想像するだけで胸が高鳴った。

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