表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて君を魔女にする  〜異能ゼロの俺が、最弱魔法少女を“勝てる形”に組み替える話〜  作者: 蒼久保 龍
一章2部 幻影魔法が背負う過去

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/86

84話 同級生と魔法使いの邂逅

【前エピソードのあらすじ】

作戦会議でクロエの協力者との戦闘方法を確認した俺たちは、真司澪奈と約束した西鉄久留米駅前へ向かう。

 俺たちは福岡を走る唯一の私鉄、西鉄の久留米駅前に来ていた。


 澪奈との約束の場所は、中央改札前だ。


 俺は少しでも動きやすい服装にしようと、上は安物のゆったりとした白Tシャツに、下はジーパン、靴は黒と白のスニーカーを履いた。


 また、肩から下げた黒色のサコッシュには、財布とBB拳銃を入れている。


 一方、フィナは紺色リボン白色のセーラー服に紺色のプリーツスカートを着たいつもの姿、クロエも黒色ワンピースを着たいつもの姿のまま。


「本当、人が多い……、って、え! あれってもしかして仕立て屋さん!?」


 フィナはさっきから、駅のいろんな施設を見て盛り上がっている。

 先ほどから彼女の様子を見ていて、俺はフィナに対し、家の近くの田舎景色しか見せていなかったと気づいた。


「フィナ、油断しすぎ!」


 そう言いながらも、クロエは焼鳥屋さんや牛丼屋、アイスクリーム屋の看板をチラリチラリと見た。

 彼女も駅前は初めてらしい。


「澪奈は……」


 俺はそんな言葉をつぶやきながら周囲を見渡し、スマートフォンを見る。


『着いたぞ』


 メッセージも送ると、すぐに既読マークがついて、返事が来る。


『あ、見えた』


 俺が顔を上げると、澪奈がイヤホンを取りながら片手を上げていた。


 彼女はやや厚めに見える、グレーがかった白色のパーカーに、グレーのスウェットを履いていた。

 そして、スニーカーは黒色と白色のスニーカー。


 ストリート風なキャップを被り、そのキャップには大きな縁のサングラスをつけている。また、白色のスポーティーなポーチを肩からかけている。


 いつも学校で見る、ミニスカートを履いている彼女の印象とは打って変わって、ボブカットが映える、ボーイッシュなコーディネートだ。


「ういーす」


 澪奈は学校で会う時と同じテンションで俺にそう言いながら、後ろの二人を見た。


「とりあえず、改札だと目立つから移動するか」


 俺がそう言うと、澪奈は率直に言う。


「黒いワンピースを着た子が協力相手だとして、そっちのセーラー服の子は何者?」


 確かに、普通はそう見えるのか。


「いやいや、ハルは私の協力者です! そこ、大事!」


 フィナは俺と澪奈の間に割り込んで言う。


「ハル?」


「俺の偽名だ。それに連れが二人いる点についても、移動をしてから話そう」


「あー、そういうこと。片方が今回の」


 澪奈を含め、とりあえず3人を連れて、目的地方向に向けて歩き出す。

 移動の途中、フィナはいろんな場所をキョロキョロと見ていた一方、クロエは澪奈を警戒しており、ずっと彼女の姿を見ている。


「ってか、2人も協力しとるん? いそがしかね」


「まあ、色々あってな。今回のターゲットが、ワンピースを着ている方の協力者なんだ」


 俺がクロエを目線で指してそう言うと、澪奈は「複雑やね」と言った。



 それから、移動中はフィナの街を見た感想以外の会話もなく、文化街商店街の方まで歩いてきた。


 クロエはずっと、澪奈のことを警戒しているらしい。


 澪奈と俺の会話もない。澪奈も魔法使いを警戒しているのか、チラチラと2人のことを見ている。


 文化街商店街から通りを1本入ったやや人気の少ない暗い路地の道脇で、俺たちはようやく立ち止まる。


 月が無い空の下、数本の街灯がその道を照らしていた。


 今日はゴールデンウィークだが、夜が遅いからか、主要な道を外れると人が一気に少なくなる。


 しかし、活気はある。

 やはり、この商店街やその近隣の街並みは夜がメインなのだろうか。


「さて、じゃあ紹介するが、こっちが謎の女、真司澪奈」


「私の紹介、雑すぎん」


 クレームを言われても、これ以上何を紹介しろと言うのか。


「何故か魔法使いのことを知っているから、今回頼らせてもらった。昨日の電話で、今回のターゲットがこの近くに現れると教えてくれたのが彼女だ」


「私、水の魔法使いフィナって言います! よろしくお願いします!」


 ニコッと笑って、無邪気な様子で勢いよく挨拶するフィナ。

 一方、クロエはどこか疑わしいような視線を澪奈に向けてから、俺の方を睨んでくる。


「本当に、俺は澪奈のことをこれ以上知らないからな」


 俺がクロエを見てそう言うと、なんでそんな人に頼ったの? と言いたげなクロエ。

 視線で正論を言われるとは。


「2人とも何歳? 同い歳ぐらいっちゃない?」


「ああ、フィナもこっちのクロエも俺たちと同じ16歳になる年だ」


「それなら全員タメでよかろ? よろしくね、フィナ、それに、あなたがクロエ?」


 クロエは警戒したような様子で言う。


「幻影の魔法使いクロエ」


「まあまあクロエちゃん! ハルの友達だから信用しようよ! ね!?」


「だから信用ならないのよ」


 サラッと酷いことを言う。


「ま、警戒してもらっとうけん、こっちも本音で話すわ。――も可哀想やし……。いや、ここではハルが可哀想って言ったほうが伝わる?」


「ほら、クロエがそんなこと言うからハルが落ち込んだじゃん」


「別に落ち込んではないぞ」


「よろしくね! レナちゃん!」


 フィナは俺のことを気遣うようにそう言いながら、澪奈に右手を差し出した。

 すると、澪奈はその握手の手を取らず、フィナの目を真摯に見つめて言う。


「フィナちゃん、ごめんね。最初に言っておきたいんだけど、えーっと……。私はこの世界の神に支えている者なの。魔法使いなら分かるでしょ?」


 その言葉が発された瞬間、薄暗い路地裏に緊張感が走る。


「やっぱりそんなことかと……」


 クロエは真っ先に警戒モードだ。

 気づけば、彼女は右手に銀の針を何個も持っていた。


 と、フィナは恐る恐る澪奈に尋ねる。


「神って、も、もしかして……、レナちゃんは、神社とかいう施設で仕事をしている人だったり……」


「うん」


 澪奈がそう言うと、フィナは一歩後退りをする。

 何? 巫女は魔法使いにとってまずい存在なのか?


「ちょっとフィナ。ハルにちゃんと魔法使いの敵対勢力を伝えたの!?」


 俺は何も聞いてません。


「じ、じじじ、神社!?」


 フィナは衝撃を受けたようにそう言いながら、2、3歩、後ずさりした。


次回の投稿予定日は1/31(土)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ