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異世界転移! 前編

俺はごくごく普通の高校生。

これといった特徴もなく、毎日学校に行って帰ってを繰り返してるだけ。

だがそんな日々はある日突然一変する。

俺はそれまでぎりぎり回避していた赤点を取ってしまい、職員室に呼ばれていた。

「今回は生物だけで済んだが、他の教科も危なかったぞ。」

「ええと、すみませんでした。」

先生の顔を見ると苛立ちと呆れた感情をこれでもかと感じる。

俺はその圧に耐えられず、深く頭を下げて謝った。


「なんと!3人も!」

おいおい、赤点取ってる生徒がいる前で高得点者の発表か?

周りも拍手とかするなよ、俺君どうすればいいのか分からなくて固まっちゃってるだろ。

「きみ、きみ!」

金髪の男に声をかけられて顔を上げるとそこには、見知らぬ場所で、見知らぬ人達が、俺を含めた3人を取り囲んで拍手喝采を浴びせていた。


「あなた方は我々の救世主でございます。」

ちょうど目の前にいた老人が話し出したが、俺というか俺たちはポカンとしながら聞いていた。

「詳しい話は王の間でお話します。ついてきて来てください。」


よくわからないままついていく。

「救世主ってあれか?アニメとかでよく見るやつか?」

俺に声をかけてきた方の男が、またもや話しかけてきた。

「分からないけど多分そうじゃないですか?」

「それならあれだな、俺たち最強になるのか。」

「あ、い、いえ、そ、そうともか、かぎゅり、限りません。」

会話に入り込んできたのは、さっきまで黙っていたもう一人の男だった。

「お、詳しいのか?」

「えと、だ、誰か一人が、その...」

「え?なんて?てか前見えてんの?」

金髪は、頑張って出しているだろう小さな声をかき消して前髪君の鼻まである長い前髪をいじりだした。

「そろそろ着きますよ。」

結局話は聞けないままで王の間についた。


「おお、よくぞ参られた。救世主御一行どの。

今この世界は500年の封印から目覚めた魔王の手によって滅ぼされようとしている。そこで私は500年前、魔王を封印したとされる異世界からの救世主を再び召喚しようとした。

さぁこの石版に手をかざし、その力を示したまえ。」

王様が立ち上がり威厳ある声でそう言うと、石板が運ばれてきた。

緊張するな。

なんてったってこれを見ているのはこの部屋にいる者だけではないからだ。

なんと魔法でこの様子が世界中に中継されているそう。


そしてそんな張りつめた状況で一番最初に動き出したのはやはり金髪だった。

福田貴行ふくだ たかゆきいっきまーす!」

あいつそんな名前だったんだ。

福田が石版に手をかざすと空中に文字が浮き出てきた。


『武王』


そして歓声が上がった。

王様や家臣たちも上品に拍手をしている。

「ぼ、僕も!!」

俺の後ろにいたはずの前髪君も俺を押しのけて続いていく。

「あ、な、中澤剛なかざわ つよし!!!!!」

さっきまでとは打って変わって今度は大声で叫ぶと文字が浮き出てきた。


『魔法王』


またもや歓声が上がる。

中澤はほっと胸をなで下ろして俺に向かってきた。

「あの、ご、ごめんなさい...」

「さっきぶつかったこと?いいよいいよ大丈夫。

さて、次は俺の番だな。」

中澤はまだ何か言いたげだったが、俺は心の余裕をみせて堂々と歩いていく。

佐野悠也さの ゆうや!来い!」


『植物図鑑』


...は?


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