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炎の獅子の試練~魔女からの贈り物~  作者: 大月クマ
オレ、占部洸。15歳
3/10

獅子と試練

 魔女・(いち)()から魔法の砂時計を渡されて、付けたまま眠りに就いた占部(うらべ)(あきら)は夢を見ていた。

「ここはどこだ!?」

 目の前が真っ白になり、眩む。自分の立っていた感触もなくなり、空中に浮かんでいるような気がしてきた。

 視界は一面、真っ白で何もないように思えた。だが、突然、目の前にたてがみの立派な獅子(ライオン)が現れたではないか。しかも背中には翼が生えている。

 突然現れたのにもかかわらず、占部は冷静なままだった。

「――我が子孫よ」

「出たな!」

 驚くこともない。知っている記憶だ。

「我が子孫よ……」

 目の前の羽の生えた獅子が喋っているようだ。異常な状態にもかかわらず、占部は冷静なまま、その獅子に話しかけた。

「要件は手短にしてくれ」

「そう、急かすではない。我が子孫よ」

「どうせ力を手に入れるのには試練が必要なんだろ? 早くしてくれ!」

 急に口からそんなことをいった。いや、彼女は前にそういう問答を、この獅子としたのだ。その記憶が再現されているのだ。

「その通りだ。我が子孫よ」

「何すればいい。お前をぶっ倒すか?」

「獅子は、余計な暴力は使わないものだ。我が子孫よ」

「説教はいいから、早くしろ!」

「ではよく聞くがいい。我が子孫よ」

「早くしろって、意味はわかっているのか?」

「うるさいわ! この小娘!!」

(どう)(かつ)で、オレをどうにかできると思うなよ! 炎の獅子かなんか知らないが!」

「小生意気な小娘にはもっともキツイ試練をやる。心せよ!」

「おう。生ぬるいのじゃあ、飽きちまう」

「――世界を救え!」

「はッ? それだけか?」


 その途端、まぶしい光で再び目が眩んだ。

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