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炎の獅子の試練~魔女からの贈り物~  作者: 大月クマ
オレ、占部洸。15歳
10/10

炎の魔法

「形勢逆転だな! 魔女っ!!」

「そうかい……」

 占部は黒い筒をジッと見つめた。


 ――燃えろ!


 拳銃は熱で真っ赤に染まり出すと、爆発した。中の火薬が、彼女の魔法によって爆発したのだ。

「ギャー!」

 警察官は悲鳴を上げた。しっかりと見ていないが、拳銃を握り締めていた手が血で真っ赤だ。指を吹き飛ばしたかもしれない。

「なに? さっきの悲鳴は!」

「爆発した音が聞こえたぞ」

 警察官の悲鳴が、拳銃の爆発音が表通りに響いたらしい。通りで歩く数名が、その音に気が付いたようだ。


 ――ヤバい、ヤバい!


 彼女はその場を急いで立ち去るしかなかった。

 厄介事に巻き込まれるのはゴメンだ。しかし、警察官の飼っていたバケモノが、ヒントかもしれない。


 ――だからといって、今はどうしようもない!


 獅子の試練。

 解決方法は深夜の暗闇のように全く、見当が付いていない。


 ……


「何しているんですか!?」

 突然、空から声が聞こえてきた。聞いたことがある声だ。

「いっ、一夜!? どこに!」

 占部が声のする方角を見上げたが、夜空が広がっているだけだ。

「こっちです。こっち!」

 声はドンドン近づいてくる。だが、姿は相変わらず見えない。

「どこにいるんだ。一夜!」

「ここですって! 背が低いとかアナタもバカにしているんですか?」

「そうじゃなくて!」

 どこを見回しても声だけだ。だが、

「あっ、ゴメンナサイ!」

 と、布がこすれる音が聞こえた。

 すると突然、目の前に魔女・一夜の姿が現れたではないか。

 魔女は、フード付きのローブを着ていたようだ。そのフードには被ると、風景に溶け込む魔法が掛かっている様子。そのために姿が見えなかったのだろう。

「魔法の宝珠を使ったんですね。だから飛んできました!」

 と、左手に持った竹箒を見せる。

「それも魔具か?」

「ホームセンターで買ったものに、アタシの薬で……そんなことより、ここはマズそうです。

 行きましょう!」

 と、竹箒を水平に掲げた。

 するとどうだろうか、フワリと一夜の小さな身体が浮かび上がる。

「さあ、早く! ホウキに捕まってください!」

「こういうのは……跨ぐんじゃないのか?」

「お尻が痛くなるでしょ!」

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