第1話 オナ禁1日目
オナ禁1日目
朝食を終えた俺は、あいも変わらず自室に籠る。
いつもと違うのは、頭の中から女神の声がすることと、今日から転生に向けたオナ禁しなければならないことくらいだ。
しかもただのオナ禁ではない。異世界を救うための聖なるオナ禁なのだ。
俺の助けを待っている、エルフのお姉さんや野生的な猫人のこと、ロリ巨乳ツインテツンデレ妹のこと考えると、使命感からか一物がせり上がる。
「ムクムク♡」
『おっ勃てるな!』
「勃ててませんよ。ちょっと下腹部の海綿体に血液を集中させてただけです」
『それをしたから勃ったのでしょうが!』
「うるさいですね……」シコシコシコ
『何流れるようにシゴいてるんですか!』
呆れるような女神のため息が聞こえる。俺はそれに合わせて目一杯空気取り込んだが、特に匂いはしなかった。残念だ。
『分かっているんですか? 転生がかかっているのですよ。一時の快楽に流されないでください!』
「分かってますよ。俺は一時の快楽のために、人生捨てるほど馬鹿じゃないです」
『うん、とりあえず右手でナニしごくの辞めましょうか。人生捨てる馬鹿になりますよ』
女神に指摘され視線を下げると、一物を懸命にシゴく自分の右手があった。
「うわっ! ホントだ!」
『無意識だったんですか!?』
俺は急いで右手を離す。危なかった。
あともう少し遅かったら、一億を越える白き可能性達をパンツの中で吐き出してしまうところだった。
もちろん、下の口からね。
「危なかった」
『ホント気をつけてくださいよ! 全く…… 』
「えぇ、あと少しでパンツ汚しちゃうところでした」
『そっちじゃないんだよなぁ、気をつけるところ』
俺は改めてこの試練の過酷さを再認識する。オナ禁……恐ろしい。
ふと、俺は意識だってオナ禁をしたことが人生で一度もないことに気がついた。
「女神様」
『なんですか?』
「俺、生まれてこの方、オナ禁したことがありません」
『それは薄々感じてました』
「オナ禁って何すればいいんですか?」
『何もしなければいいんですよ』
「……ナニだけに?」
『……』
(よし、楽しく話せたな)
完璧な会話にガッツポーズしていると、女神が口を開いた。
『とりあえず性的興奮から身を離しましょう。話はそれからです』
「性的興奮から身を離す……ですか、分かりましたやってみます!」
確かに興奮さえなければ勃ちようがない。
勃たないならシゴかないし、シゴかなければ出ない。
単純な方程式だ。
「試しにエロ系のサイトを覗かないように気をつけます!」
『その意気です! この調子であと6日頑張りましょう!』
「はい!」
こうしてオナ禁1日目は過ぎていくのだった。
楽しみにしてくれた人、もし居たら内容短くて申し訳ないです。
見切り発車したせいでネタが少なくて……。
小出しに小出しにこれからも書いていくことになります。