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レビテーション万能説

久しぶりのリオン無自覚魔改造無双♡

俺が(発明した訳では無い)量産を指示した手押しポンプは、瞬く間にフォーチュン国内の井戸に設置され、大好評を博した。

誰だって重労働は嫌だからね。

しかしそれに伴って問題点も露呈した。

嫁のシルフィーが俺の元へやって来て、

「リオン神様の手押しポンプのお陰で水汲みが非常に楽になりました♡感謝致します。」

と御礼を言われたんだが・・・。続けて、

「・・・ですが汲んだ後の水を運ぶのに難儀しております。是非ともリオン神様のお力で、何とかして頂けないでしょうか?」

・・・そうだった。俺は汲む事しか考えていなかった。

(水は重いから)汲んだ後の運搬の事まで考慮しなければならなかった。我ながら間抜けな話だなorz

まぁ今からでも遅くない。対処するのみ!


シルフィーの集落に到着した俺は、早速村中の桶や樽を集めさせた。

それに俺が付与魔法を施していく。

定番の『壊れない』の他に、『レビテーション』の魔法も付与した。

レビテーションとは、所謂浮遊魔法の事だ。

この魔法、初級魔法で使える者は多いんだが、一般的には使い勝手の悪い魔法と認識されている。

何故ならばこの魔法、ふわふわと上昇したり下降したりしか出来ない、つまり垂直方向にしか動けないんだ。

使い道としては、高所からの落下時に落下速度を相殺して安全に着地したり、高い崖の上に登るくらいしか活用法が無い。

だがしかーし!

其れが俺の付与魔法で物に付与すればどうなるか?

物自体の重さをレビテーションで相殺すれば、実質重さゼロの物体の完成だ。

俺は次々と桶や樽に付与していく。

勿論中に入れたモノの重さの分、レビテーションの力を自動調節して、実質重さゼロを維持する様に調整済だ。

オマケにスイッチでON、OFFの切り替えが出来る親切設計!

ヨシ!早速テストしよう。

わかりやすい様に子供にやってもらおうかな。

丁度いつものように俺の周りで遊んでるしな。

適当な子に頼んで井戸から桶に水を汲んでもらう。

その後桶を運ぶ様に指示した。

「わぁー♡王たま〜♡軽くてわたちでもラクに運べるでち〜♡」

因みにその子が運んでいる桶は、昨日まではエルフの大人が2人がかりで運んでいたらしい。

エルフ達から大歓声が上がった!

シルフィーが跪いて、

「リオン神様♡ありがとうございます♡我らエルフ一同感謝致します♡ついでにキラービーの蜂蜜も下賜して頂けるとありがたいです♡」

コイツどさくさ紛れに蜂蜜要求してきやがった!

(しかも)集落のエルフ達が(ちゃっかり)乗っかってきやがりやがった!

「王様〜♡蜂蜜〜♡」

「王たま〜♡はちみつおいちいでち〜♡」

「リオン神様♡是非とも我らに蜂蜜を!」

「はっちみつ!」

「はっちみつ!」

おのれ!またしても謀ったなシルフィー!

相変わらずシルフィーは策士である。

仕方ない。俺はアイテムボックスから蜂蜜入りの壺を100個取り出した。

エルフ達のはちみつコールは最高潮に達した!

「王様♡ありがとう♡」

「王たま〜♡あいちてまちゅ〜♡」

「リオン神様万歳!」

・・・たかが蜂蜜で大袈裟な。

相変わらずのプーさんエルフ達だな・・・。

ついでに子供達にチョコレートの詰め合わせを下賜してやったよ。

うん♡人気取り人気取り。

「王たま〜♡ぎぶみーチョコレート〜♡」

「王様〜♡大好き♡」

・・・80年近く前のGHQの連中も同じような気持ちだったのかな?


さておき、テストは大成功!

あとは残りの各集落を巡って、付与しまくるのじゃあ!


・・・疲れた・・・><

いくら魔力が無限にあっても、体力とスタミナは別物だったよ。

オマケにどの集落でも(ドワーフ達には酒類、ホビット達からは各種食糧、エルフ達は勿論蜂蜜やお菓子)様々な物を強請られるし!

俺はサンタクロースじゃ無いんだぞ。

まあ良いか。集落を巡っていて思い付いた事もあるし。

いや付与しまくっていると、突然頭の上で電球がピッカリコンと閃いたのよ。

コレ、もっと色々なモノに応用出来るんじゃないか?

俺は早速テストの為再びシルフィーの村へ。

「リオン神様♡度々の行幸、ありがとうございます♡」

「シルフィー。いきなりだがこの村の馬車を見たい。」

突然の申し出に首を傾げるシルフィー。

「馬車・・・で御座いますか?無論今すぐ御用意致しますが、如何なさいましたか?」

「・・・ひとつ思い付いた事があってな。上手くいけばこの世界の馬車の概念が覆る。」

「かしこまりました♡では此方へ。」

シルフィーに案内されて俺は馬車を保管している建物に向かう。

建物内で馬車を見ていると、より鮮明にイメージが湧いてきた。

「・・・シルフィー。頼みがある。この馬車の車輪を全て取り外して欲しい。」

目を瞬かせるシルフィー。

「しっ車輪で御座いますか?・・・いっいえリオン神様の御言葉なれば早急に作業致します!」

・・・凡そ1時間程で馬車から車輪は取り外された。

よし、これから馬車の魔改造といきますか!

と言っても、先程の桶や樽と付与する事は変わらない。

壊れない付与とレビテーションの付与だ。

ただ桶は実質重さゼロにしたのに対し、馬車は大体50〜60cm程宙に浮かせる。

ついでに加減速対策の為に、『慣性相殺』も付与する。

コレで所謂空飛ぶ馬車!(車輪が無いけど便宜上馬車と呼ぶ)完成だ。

桶と同じく中に入れる人や物の重さに応じて自動的にレビテーションの強さを調節して、常に50〜60cmの高さを維持する。

それと本来この馬車は2頭立て何だが、何しろ宙に浮いて重さが無い、つまり馬にとって全く負荷がかからない為、1頭の馬で軽々と引く事が可能という事だ。

オマケに負荷ゼロという事は、実質カラ馬で闊歩する様なモノだから、普通の馬車の様に頻繁に馬を休ませる必要が無くなる訳だよ。

まさしく単なる馬車だけでは無く、輸送や流通に革命が起きるだろう。

早速テスト開始だ!

「シルフィー。早速テストしたい。馬を1頭と御者を1人手配してくれ。」

「・・・1頭ですか?一応その馬車は2頭立てですが・・・。」

「問題無い。1頭で充分だよ。」

首を捻りながらも指示に従い馬を連れてくるシルフィー。

馬車に繋いで、テスト開始だ。

桶と同じくこの馬車もスイッチ付きだ。スイッチON!

フヨーーーン!

よし、予定通り約60cm程宙に浮いているな。

横でシルフィーがハニワの顔をしている。

「なっ何なんですかコレは!!?」

「何って、馬車だが?」

錯乱したシルフィーが俺の腕に(相変わらず大きな)胸を押し付けてきた!ムギュウ!

「リオン神様!そもそも車輪が無い以上、馬車とは呼べないのでは!?」

「・・・まぁ細かい事は気にするな。それでテスト走行したいんだが、御者はまだか?」

途端にシルフィーは(大きな)胸を反らして、

「不肖私シルフィーが!リオン神様の!テスト走行の御者を務めさせて頂きます!」

シルフィー自ら御者なのか!?いや別に構わんが。

では出発〜。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・。

・・・結論から言うと・・・。

画期的過ぎた!

既存の馬車とは何もかもが段違いだよ!

速度は既存の馬車の3倍!赤く塗装しようかな。

体感だけど凡そ時速60kmくらいは出ていたと思う。

しかも(宙に浮いてるから当たり前だが)全く揺れない!乗り心地最高だぜヒャッハー!長時間乗ってもお尻痛く無いよ。

静粛性もバツグン!何しろ馬のパカランパカランという音と、偶に馬が「ヒヒーン」と鳴く音くらいしか聞こえない。

馬も負荷が皆無だから、あれだけ走らせたにも関わらず、全く疲れた様子が無い。本来2頭立てなのに1頭で走らせたのにだ!

・・・コレ本当に世に出して良いのかな?

今更ながら心配になって来たよ・・・。

まっまぁ今は気にしないでおこう!

ついでに隣のシルフィーがハニワの顔をしているのも気付かないフリをしておこう!

テスト走行は大成功じゃあ〜!



リオンは気付いて居ない・・・。自分が軽自動車の群れの中にフェラーリを紛れ込ませたという事に・・・。

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