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リオンの異世界知識ズルチート その2

果たしてルイーゼのマジックバッグの使い方は正しいのか!?

最近、ルイーゼの両親がパッタリと顔を出さなくなった。

その代わりにルイーゼがマジックバッグ持参で通い妻をする様になった。

しかも毎食(大量の)料理をマジックバッグに収納していくのだ。

ルイーゼ曰く、皇帝と皇妃が、

『公務が忙しいけどリオン王の料理も食べたい』

『リオン王の為人はよく分かった。ならば改めて会わなくても、料理さえあれば満足ですわ♡』

・・・実に身も蓋もない連中である。

明らかにマジックバッグの使い方が間違っているぞルイーゼ!

・・・まぁ大量に出してるからいいけどね。


さて(嫌だけど)仕事仕事。

俺はドワーフの集落へと赴いた。かねてよりギム達に依頼していたとあるモノが完成したとの事で、早速現物を見に来た訳だ。

「・・・様々な試行錯誤の末、何とかリオン様の要望通りのモノが完成したぞい。」

ギムが指差した先には・・・。

そう!俺が懲りずに異世界知識チートで作らせた数種類の品物が並んでいた。

先ずはネジ。所謂木ネジだ。

この世界では何故かネジとか螺旋という概念が無かったんだ。

だから木材を組み合わせるには、必然的に釘やカスガイを使うしか無い訳で。

なので知識ズルチートをする俺としては、地味だが極めて有用なネジから手を出した。

続いては同じくネジの概念から派生したボルトとナットだ。

ネジと併せて、この2種類で建築や木工に革命が起こる事うけあいである。

試しにボルトを手に取って、ナットを回してみる。

驚く程に滑らかに回る。

「・・・秀逸だ。よくぞこれだけの精度のボルトを作り上げてくれた。これらの製品で建築や木工に革命が起こる事だろう。」

俺が絶賛するとギムは手を振って、

「いやいやこちらこそリオン様の発想には脱帽じゃ。ワシらも鉱山の坑道を補強する木材を組み合わせるのにエラく楽になったぞい。オマケに木材が古くなった時にバラすのも簡単にできるしのぅ。」

・・・うん、心が痛いな。それ俺の発明じゃ無くて、前世の(それもうろ覚えの)知識ですからぁぁー!残念!

最後に井戸に取り付ける、手押しポンプだ。

令和の日本では滅多に見かけなくなったが、昭和の50年代まではわりとあちこちで見かけたモノだ。

レバーを上下に動かすと、井戸から水が汲み上がって、蛇口から井戸水が出てくるスグレモノだ。

水は以外と重いから、釣瓶で水を汲むのってハッキリ言って重労働なのよ。

フォーチュン国内の各集落でも、皆んなヒーヒー言いながら釣瓶で水を汲んでいるんだ。

コレが解消されるだけでも世紀の大発明だ!(クドい様だが俺の発明では無い。前世の知識ズルチートなり)

「・・・それにしてもこの手押しポンプという代物も凄いモンじゃ。難儀な水汲みもコレなら子供でも出来るからのぅ。」

早速俺はこの3種類の品物の量産をギム達に指示した。

因みにドワーフ何だが・・・。

いつの間にか5000人程に増殖していたのだ!

・・・其のカラクリは、大陸のあちこちで、自国の穀物不足を補う為に、各地のドワーフ所有の鉱山資源を狙って、ドワーフ達から鉱山利権を取り上げて追い出したらしい。

ギムからの手紙を受け取ったものの、半信半疑だった者や鉱山から離れるつもりが無かった者達も、鉱山を取り上げられて追い出されたとなれば是非も無し。ギムの言う、ドワーフ達を優遇してくれて税も一切取られないフォーチュンに逃れて来たという訳だ。

そして本当に、税は取られず食糧や(ドワーフ達にとって何よりも大切な)各種酒類をそれこそ無限に下賜して貰えるフォーチュンでの暮らしに、ドワーフ達は「何故もっと早くフォーチュンに移住しなかったのか!」と悔しがったとか何とか。

話を戻すと、今現在各種金属の生産は充分人手が足りており、ネジやボルト、手押しポンプの生産に支障は無いとの事だ。

ギムから試作品を何個か受け取った俺は、更なる仕事をする為に城から転移門でルイーゼの元へGo!

ルイーゼに、ネジとボルト、手押しポンプを渡して、

「このネジとボルトは、建築や木工に革命を起こすシロモノだ。是非とも帝国で活用法を模索して欲しい。此方の手押しポンプは井戸に取り付けてレバーを動かすだけで、簡単に水を汲み上げる事が出来るから、この城にある井戸で試験的に使ってみて欲しい。」

話を聞いたルイーゼは脱兎の如くバビューンと走り去り、あっという間に皇帝と皇妃を(ネコの様に)首元を掴んで引きずって来た!

・・・お陰で俺は同じ説明をもう一度する羽目になった。

またまた3人とも顔がハニワになったのはお約束だ。

さて今日の仕事終了〜!帰って嫁達に餌付けだな。

当然の様にルイーゼも(コバンザメの如く)付いてきた。

帰り際に両親から、

「ルイーゼよ!お前の手腕に私の食事が・・・ゲフンゲフン!てっ帝国の命運がかかっているのだ!」

「ルイーゼ!私の胃袋は貴方の手に・・・ゲフンゲフン!てっ帝国の興廃はこの一戦にあり!ですわ。しっかりお料理を持ち帰ってきなさいね♡」

・・・似た者夫婦め!てか最早誤魔化す気無いだろ!

致し方ない。一応未来の舅殿達だからね( ̄▽ ̄;)


では気を取り直して宴だ。

前菜はシンプルに枝豆だ。

塩ゆでしただけの枝豆だが、つまむと酒が止まらなくなるという魔力が有る。

続いてコレまたシンプルな茹でたジャガイモ。

熱々のジャガイモにバターと醤油でジャガバターにしても美味だし、禁断の調味料のマヨネーズで食べるのも乙ナリ。

次はメインと主食を兼ねてホットドッグとハンバーガーを出す。

たまにはこういう系統も良いだろう。

スープはルイーゼにとっては馴染み深い、そば雑炊だ。

雑炊と言っても、胃に優しく腹に貯まらない逸品だ。

・・・と、説明してる間に既に半分以上料理がルイーゼのマジックバッグに収納されていた・・・。

ルイーゼの奴、ガチで大量に持ち帰るつもりだな!?

負けじと俺もアイテムボックスから大量の料理を出す。

気を取り直して、酒類を用意したら宴開幕じゃあ!

「リオン!枝豆美味いのじゃぁぁー♡何故じゃ!?ビールが止まらんのじゃぁぁー♡ビールと松尾純米大吟醸お代わりなのじゃぁ!」

「リオンさん♡ジャガバター美味しいですぅ♡ホットドッグも美味しいですぅ♡松尾純米大吟醸お代わりですぅ!」

「リオン様♡ジャガイモ美味しいです♡マヨネーズがとても合います♡松尾純米大吟醸お代わりです!」

「・・・枝豆美味しい♡・・・そば雑炊も美味しい♡・・・。松尾純米大吟醸お代わり・・・。」

「リオン様♡ホットドッグもハンバーガーも美味いですぞぅ♡どんどんお代わりだ!お腹の子供に栄養補給だー!ファイトー!いっぱ〜つ!」

「リオン神様♡このそば雑炊最高です!お腹の子種の為に松尾純米大吟醸お代わりです♡」

「わぁぁー♡枝豆美味しいよぉ♡グビッグビッ!ぷはぁ〜!ビールも美味しいよぅ♡ハンバーガーなんて地球では食べられ無かったよぅ。ムグッムグッ美味しいよぅ♡」

「相変わらず今日も美味しいの♡ミオ餌付けされたなの。リオンちゃん責任とってなの!ミオずっとリオンちゃんの傍にいるの♡スッポンの様にくっついて離れないの♡覚悟するなの!」

本日は奇跡的に食べ尽くされ無かった・・・。

しかし!余った料理は残らずルイーゼがマジックバッグに収納していきやがった!

やはりデフォルト・・・。

たくあん齧って焼酎。

ぴえん(´;ω;`)


嫁達は全員胃袋を掴まれてますな♡

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