帝国でのプレゼン(別名、餌付け)
またまたリオンが帝国三人衆に餌付けしに行きます♡
キノコ祭りの翌日、俺は転移門でルイーゼの元へと向かった。
用向きは勿論、フォーチュン産の新たな交易品のプレゼンだ。
朝食を嫁達に出した後、俺は昨日食べ尽くされた各種キノコ料理を作り直して、試作品の各種ポーションと共に皇帝一家に試食と献上するのが目的だ。
無論皇帝一家には既に連絡済だ。3人とも予定を空けてもらっている。
「リオン王。ルイーゼの話では何やら新たな特産品が出来たとか。」
皇帝も皇妃も目をキラキラさせている。興味津々の様だ。
「はい♡先ずはコレを献上致します。」
アイテムボックスから10本以上のポーションを取り出して机に並べる。
「?リオン王よ。コレは?」まあ説明が必要だよね。
「コレはフォーチュンにて作成したポーションです。順番にポーション、ハイポーション、エクスポーション、マナポーション、ハイマナポーション、エクスマナポーション、毒解除、麻痺解除、石化解除、病気治癒、呪い解呪、etc・・・」
見れば3人とも顔がハニワになっている。
「・・・因みにどのポーションも、使用期限は1ヶ月程ですので、出来ればマジックバッグにて保管するのをおすすめします。」
ルイーゼがおずおずと話しかけてくる。
「・・・リオン様。市井では普通のポーションですら大変高価なのです。それ以上のポーション等、騎士団や貴族達にしか需要がありません。」
うん、そんな事は百も承知だよ。
「フォーチュンではもうじきポーションの量産体制が整います。どんどん帝国に献上致しますので、帝国には是非とも無料の診療所を作って頂きたいのです。」
俺がイメージしたのは、時代劇の定番『小石川の養生所』だ。
貧乏人だろうと貴族だろうと等しく無料で診察と治療が受けられる施設だ。
無論言うまでもなくコレは人気取りだ。
だが残念ながら、この世界では何処の国の王や貴族達も、全く人気取りらしき政策をしていなかったんだ。
税を搾取して当然だと当たり前の様に思っている節があるんだよ。
しかし良く考えて欲しい。
人的資源という観点からすれば、助けられる命を助けないのは、愚の骨頂でしか無い。
逆に助けられた(特に平民)からしたら、『皇帝陛下がお作りになられた施設で命が助かった!ありがたやー!皇帝陛下万歳!帝国万歳!』てな具合になるのは明白だ。
特に平民は乳幼児の死亡率が高いから、其れを改善するだけで帝国の国力は爆発的に上がるはずだ。
『やらぬ善よりやる偽善』という格言もある。
人気取りという偽善も、やらないよりもやったほうが何倍もマシだからな。
だからこその診療所という訳だ。
ポーションは俺がジャンジャン献上するから、帝国のランニングコストは実質建設費用だけだ。
ガッハッハッ!ポーションが量産の暁には、病人などあっという間に治してくれるわ〜!
・・・という話を、俺は皇帝一家に話した。
3人とも腕を組んで俯いている。
「・・・リオン王の深謀遠慮には感服しか無い。人気取りと同時に我が帝国の国力をも増大させようとは・・・!」
「・・・正直リオン王だけは敵に回したくありませんわ・・・。」
「流石はリオン様です♡さすリオです♡」
どうやら1つ目のプレゼンは成功の様だな。
「其れでは診療所の件、何卒宜しくお願いします。」
既にルイーゼがポーションをマジックバッグに収納している。
「・・・続いてもう1つの要件ですが・・・。こちらは食べ物なので、実際に食べて頂いたほうが話が早いかと。」
途端に3人の目が(`✧∀✧´)キラーン!と光った!
「ウムウム、やはり実際に食べてみないと、俄には判断出来ぬからな♡」
「まあまあ♡どのような食材なのか、しっかりと吟味致しますわ〜♡」
「リオン様の料理♡とても楽しみです♡」
・・・3人ともマトモな事言ってるが、ハートマークで台無しだぞ!
まあ良いか。丁度昼時だし。
アイテムボックスから昨日のキノコ尽くしを出す。
さて渾身のキノコ料理、どんな感想が聞けるかな。
「モグモグッほほう!様々なキノコの天ぷらだな!美味い♡このマツタケご飯も美味い♡ビールお代わりだ!」
・・・やはり呑むのか皇帝一家よ。公務どうする気だ?
「心配いりませんわ〜♡公務が有るのは皇帝陛下ただ1人!マツタケの網焼き美味しいですわ〜♡ビールお代わりですわ♡」
「リオン様♡このマツタケの土瓶蒸し美味しいです♡くぅー!マツタケご飯も最高です♡私もビールお代わりです♡」
どうやらキノコも大好評の様だな。
プレゼンを終了して俺は城へと帰還した。
・・・勿論城では腹を空かせた嫁達に昼飯を強請られ、作らされました。やはり全て食べ尽くされました。まる。
ひたすら料理を作っても全然食べられ無いリオンちゃん♡




