奇想天外なキノコ!?
またまたやらかしたリオン。
「リオンちゃん!またしてもやらかしたの!」
ある日、俺は再びミオの(理不尽な)詰問を受けていた。
場所はまたまたエルフの集落。
「・・・今度はなんだ?」野菜が規格外なのは今更だぞ。
「リオンちゃん何処に目をつけてるの!?ほらあそこ!木という木に、地面という地面に大量のキノコが群生しているの!ありえないの!」
言われて見れば、確かに木にはシイタケやマイタケがこれでもかとばかりに群生している。
地面からはマツタケ、シメジ等があちこちで生えていた。
「・・・これが俺のやらかし?」
「当然なの!リオンちゃんが無自覚に栄養を撒き散らした所為で、森で木の実や食用植物、キノコ類が大量発生したの!」
なんとそうだったのか・・・。
・・・ん?
それって別に悪い話では無いんじゃないか?
俺の呟きにミオは、
「勿論悪い話じゃないの。ただミオの立場が無いの。大地の精霊の面目丸潰れなの・・・。このままだとミオ要らない子になっちゃうの・・・。」
・・・成程。それでエラい剣幕で俺に詰め寄って来たのか。
バツが悪いのか、ミオは顔を真っ赤にして、
「そっ其れだけじゃないの!こっちに来てなの!」
ミオが俺の手を引いて駆け出して行く。
着いた先は何の変哲もない野原・・・にしか見えない。
「なあミオ。ここに何かあるのか?」
「・・・リオンちゃんから見たら、ありふれた野原なの。でもなの!此処に生えている草に見えるモノは、ぜーんぶ希少な薬草なの!これだけ有れば、貴重なポーションが沢山作れるの!これだけでひと財産なの!」
・・・何やらまたフォーチュンの特産品が増えてしまった・・・。
「リオンちゃんの無自覚な撒き散らしの効果は其れだけじゃ無いの。森だけじゃ無くて、フォーチュン全域で食べて美味しい木の実やキノコ、有用で希少な薬草類がワラワラ生えてきてるの!逆に毒草や毒キノコは一切生えてこないの!もー全くありえないの!」
一気にまくし立てたミオは、脱力したかの様に膝から崩れ落ちた。
徐ろに俺を上目遣いで見つめる。
「・・・リオンちゃん・・・?・・・ミオ・・・要らない子なの・・・?」
ウルウルした瞳で見つめられると、何とも言えない気持ちになるな。
一応見た目は(胸以外)中学生にしか見えない。やむを得ぬ。
俺は地面に座って、ミオを抱っこする。
さらに頭をナデナデしてやる。
「・・・俺の力は加減がきかない。トンデモ作物が出来るからな。フォーチュン以外の地域はミオの力が必要なんだ。また美味しい料理沢山食べさせるから、是非とも力を貸して欲しい。」
ミオは(まるでネコの様に)気持ち良さげに、
「・・・えへへー♡気持ちいいのー♡分かったなの。リオンちゃんに大地の精霊の真髄を見せてやるなの!」
フンスッと(可愛らしい)力こぶを作って気合いを入れるミオ。
そしてハッと気が付くと!
「べっ別に美味しい料理食べたいから頑張るんじゃ無いんだからね!かっ勘違いしないでよね!」
ミオ、まさかのツンデレ化!しかも・・・
「・・・おーい。ミオさんや。口調変わってますよー。」
『ボンッ!』という擬音が確かに聞こえた!
茹でダコ状態のミオ。
「なっなのなの!?ミッミオは通常運転なの〜!リッリオンちゃんの聞き間違いなの!も〜リオンちゃん相変わらずのこまったちゃんなの!世話が焼けるなの!」
真っ赤な顔で両手をバタバタしながら言っても説得力無さすぎだ。
その後、(ちゃっかり)俺はキノコ類を採取して、シルフィーに事情を話して新たな特産品を確保ができた事を伝えた。
シルフィーとエルフ達はまたしても謎のありがたやー踊りを踊っていたよ。
因みにこの世界の人達はキノコを食べる習慣が無いらしい。
確かに生で食べても美味しく無いからね。
なのでシルフィーにはシイタケを天日で乾燥させる様に指示した。スープで戻すと美味しいからね。
後各種キノコ料理のレシピを渡した。
シルフィーには、
「今晩宴でキノコ尽くしにするからお楽しみに〜♡」
と言ったらエルフ達総出で抱き着いて来た!ムギュウ!
因みにエルフ達は薬草類から様々なポーションを作れるそうで、交易品としても期待出来ると言っていたよ。
それではミオとイチャイチャしながら城に帰還するとしますか!
さてと宴だ!
予告通り今回はキノコ尽くしだ!
まずマツタケを薄く切って、網で焼く。
それにスダチと醤油を適量垂らして完成。シンプルだろ?
メインは勿論、各種キノコの天ぷらだ!
この料理については解説は不要だろう。
主食は豪勢にマツタケご飯だ!
日本では絶対に再現出来ない、ありえない程大量のマツタケを投入する。他にも様々な具材を投入して炊き込んだ至高の逸品。
そして俺イチオシの、マツタケの土瓶蒸しだ!
しかと味わうべし!
では宴開始じゃあ〜!
「リオン!相変わらず天ぷら美味いのじゃぁぁ♡マイタケが特に美味いのじゃ!焼酎お代わりなのじゃ♡」
「リオンさん♡やはり天ぷら美味いですぅ♡マツタケご飯も美味しいですぅ!焼酎お代わりですぅ♡」
「リオン様♡マツタケの網焼き美味しいです♡土瓶蒸しも最高です!焼酎お代わりです!」
「・・・天ぷら美味しい♡・・・マツタケご飯も美味しい♡・・・焼酎お代わり・・・。」
「あ〜たたたたたたたたたあ!ほあたぁー!天ぷらどもよ!お前達はすでに死んでいる!大人しく私の胃袋に収まるがいい〜♡」
いや調理した時点で死んでるからね( ̄▽ ̄;)
「リオン神様♡キノコというモノがこんなにも美味しいとは♡今までの人生は何だったのでしょうか!?私とお付達に網焼きと土瓶蒸しと焼酎お代わりです!」
「わぁぁぁぁ♡テレビでしか見た事無かったマツタケだぁぁ♡網焼き美味しいよぅ♡こっこれがマツタケご飯なんだぁ♡美味しいよぅ♡土瓶蒸しなんてグルメ番組でしか見た事無かったよぅ。芸能人が美味しそうに飲んでいたけど、想像以上だったよぅ♡焼酎お代わりだよぅ♡」
「リオンちゃん♡キノコ美味しいの♡こんなにも美味しいなんて知らなかったの!今までの人生損してたの!どれも大地の力が満載なの!モリモリ食べるの!バリバリ働くの!お互いにWin-Winなの!」
・・・お約束通りに食べ尽くされました♡
俺は焼酎片手にスルメをかじる・・・。ぴえん。
つわものどもが夢の跡・・・。( ºωº )チーン…
キノコは美味しいのです♡




