蜜に群がる蟻
人間の下心は侮れない。
(自称)海賊達を討伐してから1ヶ月が過ぎた。
実は最近少々問題が起きている。
・・・主に人間の集落、つまり城に隣接する街においてだ。
原因は至極単純な話だ。
想像して欲しい。人口1000人の街に、僅か20人とはいえ目を見張る様な美女や美少女が転居して来たら?
しかも全員身寄りも無く、慣れない暮らしで難儀していたら?
下心丸出しの若いオス達が殺到するのは想像に難く無い。
中には無理やり押し倒そうとした輩もいた。
勿論ヒルダのスパイメカが24時間フォーチュン全域を監視している為、その男は某眠りながら名推理をするオッサンの如く、睡眠針で無力化したけどね。
だが良くしたもので、強引に言い寄っていた男から守ってくれた街の衛兵に女性が一目惚れすると、事態は一変した。
『北風と太陽』の如く、強引に行くよりも常日頃から優しく相談に乗ってコツコツと信頼を勝ち取る方が良いのだと皆が気付いたのだ。
なのでこの案件は俺が乗り出すまでも無く、自然収束した。
因みにこの後、街の衛兵に志願者が殺到したのだが・・・。
其れは別のお話。
閑話休題。
今日のお昼はありきたりだが天ぷらそばだ。
天ぷらはかき揚げと、えび天。
以外とそばに合うコロッケ。
トッピングに生卵と目玉焼き。
薬味にネギ。
どうせ嫁達は呑むだろうから、軽めにビールとレモンサワー。
ランチの開始〜!
「リオン!そば美味いのじゃぁぁ♡えび天も美味いのじゃぁぁ!ビールお代わりなのじゃ♡」
「リオンさん♡そば美味しいですぅ♡かき揚げサクサクですぅ!ビールお代わりですぅ♡」
「リオン様♡そばとコロッケ何方も凄く美味しいです♡レモンサワーお代わりです。」
「そば美味しい♡・・・お代わり・・・。生卵とコロッケとえび天トッピング・・・。」
「ぬぉー!そばお代わり!私は目玉焼きとコロッケとかき揚げトッピングだぁぁ!」
「リオン神様♡私とお付達にそばお代わりです♡全て全種類トッピングで。」
「わぁー♡おそばだぁ♡懐かしいよぅ♡ふええ〜ん♡えび天サクサクだよぅ♡コロッケがこんなにもおそばに合うなんて知らなかったよぅ。ぐびぐびっビールお代わりだよぅ♡」
「美味しいの!かき揚げもえび天もコロッケも、大地の力がマシマシなの!そばお代わりなの!トッピングは全部のせなの!いざ突貫するの!」
俺はどうなったかって?野暮な事聞くなよ・・・。
どうかお察し下され・・。まる。
作者はコロッケ玉子そばが大好きです。




