皇帝の(胃の痛い)日々
皇帝の話は書いていて楽しいです♡ガンバレ皇帝!
その後、リオン王は今回の計画を実行するにあたり、立会人を呼んだ。
恐ろしい事に、創造神様とミオ様だった!
我々親子は慌てて平伏した。
創造神様は、
「平伏は無用です。あなた達はもうすぐ私の代理人たるリオンさんの舅殿になるのですから。」
何ともありがたいお言葉を賜った。
「あなた達がリオン王に協力してくれる事、深く感謝します。感謝の印に、新たに私の加護を授けましょう。」
刹那、私と妻が眩い光に包まれる!
「あなた達2人には物理攻撃無効、魔法攻撃無効、及び全ての状態異常無効の加護を授けました。」
そしてエリザベートの肩に手を置いて、
「聞けば呪いで大分苦しんだ様ですね。ですがもう大丈夫です。今後ありとあらゆる毒や呪いは無効化されます。」
妻は感極まって涙を流している。
過去に創造神様から加護を授かった事例は無くはない。
だが今回の様な強大な加護をしかも3つも授けて頂ける等、率直に言ってありえない!
創造神様のお言葉通りならば、
剣で斬られようが槍で突かれようが無傷!
どんな極大魔法を撃たれても平気!
オマケに毒も麻痺も石化も・・・呪いさえも無効化だと!?
・・・我々権力者からしたら、喉から手が出る程欲しがる加護では無いか!?
その後ミオ様からも「最低今後10年は大豊作なの。ミオはリオンちゃんの所に居るの。困った事があったら何時でも来てなの。」とこれまたありがたいお言葉を賜った。
創造神様達がおかえりになった後・・・。
「・・・ふぅ〜やれやれ。寿命が10年は縮んだぞ。」
私が愚痴ると妻も、
「同感ですわー。しかもあの様な過大な加護を授けられるなんて・・・。絶対に公にはできませんわね・・・。」
「リオン様!流石ですね!」
・・・言いながらもルイーゼは何処かへ出かける支度をしている。
「・・・ルイーゼ?もうすぐ夕方だぞ?こんな時間に今から何処へ行くのだ?」
ルイーゼは(父から見ても大きな)胸を張って、
「当・然!通い妻として、リオン様の元へと向かいます!美味しいお食事食べ・・・ゲフンゲフン!リオン様とイチャイチャしまくるのです!」
ルイーゼよ・・・。全然誤魔化しきれていないぞ・・・。
オマケにエリザベートまでもが目をキラーンとして、
「あら!?まあまあ!なら私もリオン王のお料理を・・・ゲフンゲフン!ルイーゼのムコ殿の人となりを観察しに行かねばなりませんわね〜♡」
・・・ルイーゼよ・・・。お前は明らかに母親にそっくりだぞ。
しかし口惜しい。私はこの後まだ公務があるのだ!
つまり私はリオン王の料理が食べられないと云う事なのだ!
涙をのんでルイーゼ達を送り出した・・・。クスン。
数日後、またまた胃潰瘍の危機がやって来た。
ルイーゼにリオン王から大至急来て欲しいとの連絡がきたのだ。
正直嫌な予感しかしない。
やむなくエリザベートとルイーゼを引き連れてフォーチュンの王城へ。
やはりというか・・・。
到着早々光り輝く財宝の山に全員腰を抜かした!
どうしたのかリオン王に聞いた所・・・。
沈没船から財宝を回収した。
その途中に偶然海賊船と遭遇した。
海賊船を制圧したらまたまた大量の財宝を入手した。
「・・・で、些かやり過ぎちゃって♡宝物庫に入りきらないもんで、余った財宝献上するんでヨロシク♡」
3人揃ってひっくり返った!
以下私の心の叫び。
『ヨロシクッじゃっねぇぇぇぇぇぇ!』
私の叫びも虚しく、リオン王は(ルイーゼの)マジックバッグに財宝をポイポイ収納していった。
・・・早く帰りたい・・・。このままでは心臓が止まる。
そんな私の願いは無残にも打ち砕かれる。
「他にも海賊船から大量の美術品を入手しました。私は審美眼が無くて、価値が分かりません。なので全て帝国に献上致します。」
誰か助けてくれー!
見れば妻もルイーゼも顔が真っ青だ。
美術品と相対したら・・・。
ズデーン!
(やはり)3人ともひっくり返った。
有り得ん!
我が帝国創成期の女傑、ヴェストパーレ男爵夫人の肖像画だと!?
帝国初代皇帝の伴侶にして、稀代の政治家の皇妃ヒルデガルド様の肖像画!!
他にも国宝級の名品ばかりでは無いか!
そっ其れを無造作にマジックバッグにポイポイと放り込んでいるリオン王・・・。
唖然呆然としていると、リオン王の脇にメイド服の少女が来て、リオン王の袖を引っ張った。
・・・どうやら夕食時になった様だ。色々有って疲れたからそろそろ帝国に帰るとするか。
だが、エリザベートにとっては疲労よりも食い意地の方が優先事項らしい。
私がドン引きするくらい堂々とタカり宣言をした。
相変わらず大変美味しかった♡
オマケにお土産まで持たせてもらった。
しかしその時の私は知らなかった( ̄▽ ̄;)
このお土産がとんでもない騒動に発展してしまう事に・・・。
事情により、獣人の話はなかった事になりましたm(_ _)m
次話はリオン視点に戻ります。




