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リオンのお悩み相談室・・・?

悩み事はリオンにお任せ(^-^)

ある日ルイーゼから「至急俺に相談したい事がある」と魔道具から通信が入り、早速転移門でルイーゼの部屋へと向かった。

「お待ちしておりましたリオン様。」

今日のルイーゼはモスグリーンのドレス姿だ。

「ルイーゼ、相談したい事って何だ?」

「其れはこれよりお会い頂く父上・・・いえ皇帝陛下よりお聞き頂きたく・・・。」

・・・つまりこれから皇帝に会えって事だな。そう言えば前回はルイーゼの布団丸まり事件で結局会え無かったからね。

ルイーゼの案内で城の客間へと向かう。

コンコン。

「・・・・入ってます。」

ステ〜〜ン!!見事な迄にズッコケた。

ぐぬぬ!まさかこんなベーシックなボケをカマしてくるとは・・・帝国の皇帝、侮れぬ!

ルイーゼ!お前もしてやったりのドヤ顔してるんじゃない!

「ふふふっ冗談はこのくらいにしてどうぞお入りください。」

ムムム・・・何故か負けた気持ちになるな。

ガチャッ

ルイーゼに促され部屋に入る。

うわ〜。

思わずイラッとする様なやってやった感全開のドヤ顔皇帝がそこにいた。

ルイーゼの父親にしては若く見えるな。

ルイーゼそっくりの銀髪ナイスミドルだ。

さっきのボケを見るに中々お茶目な皇帝陛下だな。

「ようこそ、リオン王。私がダンバス帝国皇帝、ノワール・ダンバスと申す。以後お見知り置きを。」

口上を述べながら右手を差し出してきたから、こちらも右手を差し出してガッチリ握手した。

「これはご丁寧に。私はフォーチュン王国の国王でリオン・ローゼンハイムと申します。お会いできて大変光栄です。」

皇帝に座る様促され、俺達3人は腰を下ろす。

「リオン王、我々は対等な立場だ。故に砕けた話し方にして貰えると助かる。」

ありがたい。どうも前世の頃から敬語苦手何だよな。

「・・・感謝する。些か仰々しい口調は不得手な物で。それでノワール殿、何やら相談事があるとか。」

皇帝は腕を組んで瞑目している。ややあって口を開く。

「・・・実は相談というのは他でもない、私の妻にしてルイーゼの母である、皇妃の事だ。」

皇帝の言葉を引き継ぐ様に、ルイーゼも語り出す。

「・・・母上は3ヶ月程前からずっと寝込んでいるのです。発熱と身体のだるさ、手足の痛み等の症状が出ていますが、奇怪な事に回復魔法もポーションも効果が無く、医師も正教会の神官達も匙を投げる有様なのです。」

・・・何故だろう。そのワード、オラ以前にどこかで聞いた気がするぞぅ?

・・・ああ。そう言えばルフランの王太子が同じ様な症状で急死したとかなんとかってアリシアが言ってたな。

だとすれば・・・

「・・・ルイーゼ。ひとつ確かめたい事がある。ノワール殿とルイーゼにしか出来ない事だ。」

俺達は声を潜めて、この後の事をヒソヒソと相談した。


小一時間後。

客間で美味しいお茶とお菓子を頂いていると・・・

バタバタと人の駆けてくる足音が。

「リオン様!ありました!」ルイーゼが息せき切って客間に飛び込んで来た。

「リオン様の御推察通り、母上の首の後ろに、呪いと思われる呪紋が刻まれておりました!」

ヤレヤレ。予想した通りだったか。

マーフからもらったこの世界の全知識だと、呪いをかけられると身体のどこかに呪紋と呼ばれる禍々しい紋様が刻まれる。

しかし首の後ろか。誰も気が付かない訳だよ。

本人からは死角だし、高貴な身分の女性は腰まで髪を伸ばすから、周りの人達も気付かない。

そう、湯浴み等で身の回りの世話をするメイド以外は・・・

ならチャッチャと解呪してあげようかな。

「ルイーゼ。皇妃様にお会いしたい。呪いと解った以上、一刻も早く解呪しなければならない。」

俺の言葉にルイーゼは驚愕して、

「・・・私の耳が確かならば、今リオン様は『解呪』と仰られたのですか!?あれは高位の聖職者が10人がかりで数日かけて行う大掛かりな魔法です!失礼ながら個人の魔力では・・・あっ!」

そう、俺の『無限の』魔力なら何の問題も無い。

「急ごう。余り時間の余裕は無い。案内してくれ。」

ルイーゼは我に返って、

「はい!こちらです!」

俺とルイーゼは皇妃の寝室へと向かった。

寝室では皇帝がオロオロしている。

「父上!リオン様が母上の解呪をしてくださると言うのでお連れしました!」

皇帝は目を見開いて、

「しかしルイーゼ。あれは聖職者が10人がかりで「リオン様は無限の魔力の持ち主で!尚且つ創造神様の代理人です!リオン様に不可能な事などありません!」

皇帝もルイーゼの剣幕にタジタジだ。

「うっうむ。解った。ではリオン王、妻の事宜しく頼みます。」

「御安心を、ノワール殿。すぐ済みます。」

俺は皇妃の首の後ろに手を当てる。

呪紋に解呪魔法をかけると・・・。

眩い光が俺と皇妃を包む。

見ると呪紋は綺麗さっぱり消滅していた。

「これで皇妃様の呪いは解呪されました。」

2人は俺の言葉を聞いて恐る恐る皇妃の首の後ろを覗き込み・・・。

ある筈の呪紋が消えているのを見て、2人とも弾かれた様に俺に抱き着いて来た!

「リオン王!ありがとう!本当にありがとう!」

「リオン様!リオン様!母上を助けて頂いてありがとうございます♡この御恩は身体でお返しします♡」

・・・ルイーゼのハグは嬉しいんだが・・・。

ナイスミドルのハグは正直微妙だ・・・。

しかもこの皇帝、ありえない程に力が強いよ。

さながらスッポンみたいに食い付いて離れない!

そんなハグタイムは唐突に強制終了した。

初老の執事らしき男が皇帝に報告に来たのだ。

「陛下、急ぎの報せがございます。」

背筋を伸ばしたその姿、まさに完璧執事だな。

セバスチャンと名付けたいくらいだ。

「急ぎ?何事だ。」

訝しむ皇帝。

「・・・たった今皇妃様の専属メイドが急死致しました。」

咄嗟に皇帝とルイーゼは俺に視線を向ける。俺は、

「どうやらそのメイドが皇妃様に呪いをかけた犯人だった様です。呪いというのは解呪されると、呪いはかけた本人に跳ね返ります。まずは重畳と言えましょう。」

こうして2人に重ねて感謝された後、俺は転移門でフォーチュンに帰還した。


ふぅ〜久々にシリアスな展開だったからハラが減ったよ。

今日の宴はバイキング形式の海鮮丼祭りだ〜!

各自丼に酢飯をよそって、用意した各種具材を乗せて食べる。

具材は、マグロ(赤身・中トロ・大トロ)、タイ、カレイ、ヒラメ等の白身魚。後はイクラとウニ。サバ、アジ、コハダ、イワシは予め酢締めしてある。


酢飯も具材もお代わり自由だ〜!開幕〜。

「リオン!相変わらずマグロ美味いのじゃぁぁ♡焼酎お代わりなのじゃぁぁ!」

「リオンさん♡私はヒラメ山盛りですぅぅぅ♡私も焼酎お代わりですぅ!」

「リオン様。私は光り物全種類山盛りです♡具材もご飯も酸味が効いてとても美味しいです。焼酎お代わりです。」

「・・・どれも美味しい・・・。酢飯と具材全種類お代わり・・・。あと松尾純米大吟醸お代わり・・・。」

「リオン様!私は中トロと大トロを超山盛りですぞぅ♡まだまだ〜!酢飯と大トロお代わりだ〜!」

「リオン神様!私はヒラメとタイとカレイ山盛りです♡私とお付達に松尾純米大吟醸お代わりです♡」

「ガツガツッわっ私夢を見ているのかな!?大きな丼に酢飯がいっぱい、そこに山盛りのイクラだよぅ♡1度で良いからこんな贅沢してみたかったよぅ〜!松尾純米大吟醸も美味しいよぉ♡酢飯とイクラにウニお代わり〜!」


今回は食べ尽くされ・・・なかった。

・・・具材以外はな!酢飯だけはかろうじて残ったよ!

やむなく酢飯を海苔で巻いて、哀愁漂う具無し手巻き寿司・・・

ぴえん(泣)





具無し手巻き寿司・・・それって最早寿司では無いのでは。

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