亜人達へのハローワーク、再び
何事も準備が大事です
「マスター。どうやら亜人の移民達が、入江のフォーチュン側の港に到着した様で御座います。」
部屋でゴロゴロしていると、ヒルダから報告を受ける。
予めヒルダに命じて入江周辺に偵察機を多数配備させておいた。
「ヒルダ。総数はどのくらいだ?」
「・・・集計した所、エルフが1万人、ドワーフが千人、ホビットが同じく千人の合計1万二千人です。+-百人程の誤差はありますが・・・。」
12000か・・・。なら予め準備しておいた集落や家は間に合いそうだな。
いや来るのが分かりきってるんだし、予め住まいを建てておくのは当然だよね。
幸いフォーチュンは北海道くらいの広さはあるし、森もまだまだ広大な領域が手付かずで残っている。鉱山も未だ未採掘の鉱脈が多数存在しているし、草原もほぼ原野で未開拓だからな。
だから俺は亜人リーダーズ達と話し合って、どの種族をどこの場所へ移住してもらうか取り決めたと言う訳だ。
港で待機していた各亜人の出迎え役達には、地図を渡してある。予め指示した通りに各亜人達を用意した集落へと案内してもらう。
因みにエルフだけ突出して人数が多いのは勿論理由が有る。
ドワーフは基本的に鉱山等の鉱物資源の近くで暮らして採掘と精錬、鍛治を行なう。なのでルフランの愚行の様に追放でもされない限り元いた場所を離れる事は稀である。
ホビットは元々地球の遊牧民族のような生活をしている。つまり国とか自分たちの所属という事に対して、意識が希薄なので、俺は元々ドワーフとホビットに関しては、それ程大勢来るとは考えていなかった。
だがエルフは異なる。エルフが生活するのは森だ。
しかし森は、人間も利用する。
ある程度は棲み分けは出来るが、そのうち人間が数を増やすとそのバランスが崩れる。
結果、双方に諍いが生じ、揉め事が発生する。
面倒な事に、国とか国家というのは全てトップは人間だ。
人間の側を依怙贔屓するで有ろう事は想像に難くない。
つまりエルフ達は人間達に対して慢性的に不満を抱いていたと言う訳だ。
そんな時にシルフィー達から亜人を優遇するフォーチュンの話を聞かされて、大挙して押し寄せた訳だ。
ある程度は予想通りとはいえ、流石に1万人のエルフ達の割り振りは苦労したよ。
キラービー達にもエルフ達には攻撃するなと言い含める必要があったからね。
そんなこんなで、何とか亜人達の大量移民は大団円と相成った。
さて今晩の宴だ!
バハムートの奴が久々にウナギが食べたいと言うから、本日はウナギ尽くしだ!
うな重、白焼き、肝吸い、肝の串焼きだ!
因みに浅草の老舗鰻店の特上、1人前1万5000円ナリ!
酒と共に開幕じゃあ!
「リオン!やはりウナギが美味いのじゃぁぁ♡松尾純米大吟醸お代わりなのじゃ!」
「リオンさん!ウナギの蒲焼き本当に美味しいですぅぅぅ♡私も松尾純米大吟醸お代わりですぅ!」
「リオン様。相変わらず白焼き美味しいです♡わさび醤油との相性が堪りません!」
「・・・・全部お代わり・・・。松尾純米大吟醸一升瓶でお代わり・・・。」
「リオン様!私にも松尾純米大吟醸一升瓶でお代わりですぞぅ!この肝の串焼きが絶品ですぞぅ!」
「リオン神様!この度は無理を言って、1万人もの同胞を受け入れて下さりありがとう御座いました!ぐびぐび!あっ私とお付達にも白焼きと松尾純米大吟醸お代わりです♡」
「・・・・・・。」やはりと言うか。悠里はフリーズしている。
仕方ない。再起動してやるか。
「1人前1万5000円の老舗鰻店の特上うな重だぞ〜」
案の定再起動して超高速で食べ始めた!
「ハグッムグッうっ生まれて初めてウナギなんて食べたよぅ〜♡こんなに美味しいモノだったんだ〜♡ぐびぐび!松尾純米大吟醸も美味しいよぉ♡ウナギって、蒲焼きだけじゃなかったんだ〜♡ムグムグ。白焼き美味しいよぉ♡わぁーわさび醤油で食べるんだ〜♡ズズズッ。肝吸い美味しい♡えへへ♡」
全員大満足でした・・・。約1名を除いては><
それ以上は敢えて語るまい・・・クスン。
今日も俺はおむすびひとつ・・・ナームー(チーン)
いくら高級でもリオンはタダで召喚してますケドね〜♡




